善通寺駅発行 東京都区内ゆき片道乗車券

国鉄民営化間近の1987(昭和62)年3月に土讃線善通寺駅で発行された、東京都区内ゆきの片道乗車券です。


   

青色こくてつ地紋のA型一般式大人・小児用券で、高松印刷場から引き継がれた民間印刷場で調製されたものです。

乗車経路は、善通寺~(土讃線)~多度津~(予讃線)~高松~(宇高航路)~宇野~(宇野線)~岡山~(山陽本線)~神戸~(東海道本線)~東京という経路になります。この当時はまだ瀬戸大橋が開通していませんので本四備讃線は開業しておらず、国鉄で四国から本州へ渡るには、1982(昭和57)年の仁堀航路(仁方~堀江間)が廃止された以降は、(宇高航路(宇野~高松間)の連絡船とホーバークラフト(急行船)を利用するしかありませんでした。


   

裏面です。券番の他、東京都区内下車前途無効の文言が印刷されています。


   

こちらは1976(昭和51)年に発行された同じ区間の乗車券です。運賃と窓口番号以外、記載されている内容に変化はありませんが、この時代は高松印刷場で調製された活版印刷券でしたので、民間印刷場の写植印刷券はかなり雰囲気が異なります。


ところで、現在ではマルス端末で同区間の乗車券を購入することはできませんが、仮に現在でも発券できるとすれば、経由表記は「土讃・予讃・宇高航路・宇野・山陽・東海道」となるのではないかと思います。それに倣えば御紹介の券の経由欄に記載されています「讃」は土讃線か予讃線のどちらかを表しているものと思われ、どちらが正当か判断しづらいところです。また、「宇」は宇高航路・宇野・宇野線のどれにも解釈することができますが、線名のみを羅列しているように見受けられることから「宇野線」を表しているものと推測されます。

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コメント
 
 
 
Unknown ()
2020-11-05 21:46:49
本題からは外れますが、
約10年で3倍近くに運賃が上がってるんですね。
国鉄末期、毎年のように値上げをしていましたが、
特に長距離は恐ろしいくらいですね。
当時の切符を並べて見たら、改めて感じます。
 
 
 
Unknown (NAO)
2020-11-09 06:10:16
ネットに高知から東京都区内ゆきの硬券画像が有ったのですが、土・讃・宇・陽・東海経由と、東海以外は一文字で表記されていました。ですので、讃は予讃の略号かと思われます。
 
 
 
> NAOさま (isaburou_shinpei)
2020-11-14 16:23:25
コメントありがとうございます。
仰せの高知駅発行の券の例に倣うと、「讃」は予讃線のようですね。
ご紹介の券の場合、どちらでも問題がないので、このまま継続されていたのでしょう。
 
 
 
> や さま (isaburou_shinpei)
2020-11-14 16:28:50
コメントありがとうございます。
そうですね。約10年で3倍と言うとかなりの額ですね。国鉄末期、赤字を補填すべく、国会議員の皆さんがどんどん値上げの法案を通してしまったのですね。
国鉄の運賃は国会で承認されなければ値上げが認められませんが、急行料金などの料金は国会の決議を経なくても実施することが出来ました。
その弊害が現在に及び、運賃に対して大変割高な新幹線特急料金や寝台料金などが残り、高速バスが発達した現在、JR旅客会社各社の営業戦略に影響しているような気がします。
 
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