れーるノート

首都圏のレール輸送といずっぱこ

惜別 4100レ

2020年10月30日にダイヤ修正が実施された京王電鉄。ダイヤ「修正」という言い回しは初めて聞きましたが、新型コロナウイルス感染症で大きく変化した社会情勢に合わせたダイヤの「修正」ってことなのでしょうか。

 

まあそんなことはさておき、今回のダイヤ修正の最大の目玉は沿線民の悲願(?)であった19時台の京王ライナー新設。京王ライナー登場から2年と半年、遂にこの時が来ました。

 

さて、そんなダイヤ修正の裏でひっそりと姿を消した列車がありました。

 

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高尾山口23時41分発、4100レ 区間急行 桜上水行きです。

 

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当ブログでも度々登場してきたこの4100レ、何をそんな躍起になって撮ってるんだと思われるかもしれませんが、夜間に識別灯付きの8連を撮れる運用ってのが意外と少なく、そのうちの1つが4100レだったのです。

 

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4100レという列車が誕生したのは2013年2月22日のダイヤ改正区間急行の誕生と共に高尾線からの新宿方面最終列車として設定されました。4100レ自体は桜上水止まりですが、桜上水で前を走る新線新宿行きの終車に接続するため、実質的にこの列車が新宿最終の役割を果たしているというわけです。

 

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そんな4100レを初めて撮ったのは2017年7月のこと。デヤの工事列車を撮りに行くと前走りでやって来るので何度か見てはいたのですが、撮影したのはこれが最初です。今は6連になってしまったため4100レの先頭に立つことはなくなった7709F。貴重な記録です。

 

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しばらく間が空きまして、2回目の撮影は同年の10月。この日は2017年12月で廃車となった7706Fが登板しました。

 

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その翌月にも1枚撮っていました。ROM更新前の区間急行 桜上水表示はこれが唯一の撮影となってしまいました。ちなみに、後ろから煽り運転してきているのは夕方の人身事故で7773号車が大破した7723F。このあと若葉台まで回送されたようです。

 

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そして4100レ史上において大きな転機となった2018年1月19日。なんと7000系の2+6が登板したのです。意図的に避けられていたのかたまたまなのかはわからないですが、今まで2+6が桜上水に入庫する場面というのはほとんど見られなかったので、4100レの2+6登板自体もひょっとしたらこれが初めてだったのかもしれません。しかも先頭はワンマン車の7421F。どうやら若葉台で幕更新を行うために組まれた運用だったようです(1月18日の日中に7421Fのみ幕交換を行っています)。

 

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ということで、2018年上旬に行われた種別幕更新で白地に黄緑の区間急行幕は見納めに。まあ、夜に撮るとぶっ飛んで何が何だかわからないんですけどね。

 

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新しい区間急行幕は黄色地に白の文字。旧幕より多少はマシになりましたが、やっぱり夜に撮ると飛んじゃいます。

 

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そんな幕更新真っ只中の2018年2月22日。ダイヤ改正前夜に7707Fが登板しました。休車と運用復帰を繰り返していた同編成、幕もきっちりと交換されまして、ここから約1年ほど7000系最後の8連として活躍することになります。

 

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ダイヤ改正以降は2+6の登板も頻繁に見られるようになりました。こちらは貫通扉の色がちょっと違う7423F。

 

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ROM更新後の区間急行表示も撮りたいなってことで、7000系以外の日にわざわざ撮りに行ったりもしました。

 

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もちろん8000系も。これら2枚の写真が後々貴重な記録になろうとは、この時は思ってもいなかったのでした。

 

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もう1本のワンマン車、7422Fも何度か登板するシーンが見られました。そしてこの登板から1ヶ月後、7422Fに衝撃的な出来事が起きるわけです。

 

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なんと行先・種別表示がLEDに。4100レにはなかなか登板せず、換装から約半年後の2019年6月に初登板となりました。LEDになれば表示も写りやすくなるかな…?という淡い期待を打ち砕く衝撃の飛びっぷり。まだ幕の方がマシでしたね…。ちなみにこの回は唯一識別灯が点かないまま発車した回でした。

 

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そんなわけで、2連の幕車の駆け込み葬式に駆け回った2019年の2月。

 

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この時は7424Fと7425Fが2日連続で登板。この翌月にどちらの編成もLED表示器に換装されました。

 

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そして同じ年の秋には8000系の前照灯交換が本格化。遂には8連にも波及し、白色LEDな4100レも早々に実現となりました。

 

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ということでハロゲンな8000系の葬式も。区間急行なので東府中にも停まるのですが、撮りに行ったのはこの1回だけでした。府中の方が明るいですしね…。

 

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とまあこんな感じで、車両の仕様は変わりつつも列車自体はずーっと残っていくんだろうなあと思っていたんですが、突如終わりの時を迎えることとなります。2020年10月30日に実施するとリリースされたダイヤ修正、新しい時刻表に4100レが載ることはありませんでした。新型コロナウイルス感染症によって社会情勢が大きく変わり、終電繰り上げがトレンドになろうとしている今日この頃、各社の大規模なダイヤ改正より一足早く、京王線の深夜帯の列車にテコ入れが図られたのでした。

 

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こうして突然始まった4100レのカウントダウン。撮りたい編成は撮り尽くした感があったのでもういいかと思っていたのですが、幾度となく楽しませてもらった列車だったので、最後の3日間だけは通ってきました。廃止3日前にはまさかの7421Fが登板。これが最後の7000系充当になりました。

 

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廃止2日前は前照灯白色LED化が始まった9000系が登板。前照灯更新車の9000系と4100レの組み合わせは2ヶ月のみの光景となりました。集計していないので何回登板したのかはわかりませんが、そこまで回数はなかったんじゃないかなと。

 

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そして迎えた2020年10月30日、4100レ最終列車です。最後は8726Fが登板。最後の3日間に3形式が充当されるという、なんとも綺麗な幕切れでした。

 

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新型コロナウイルス感染症で社会情勢が変わった結果、お役御免となってしまった4100レ。まさかこんな終わり方になるとは思ってもいませんでしたが、最後をきっちりと見届けられたのはよかったかなと思っています。

 

 

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さよなら 4100レ