毎月発行されている「鉄道ダイヤ情報」「鉄道ファン」「鉄道ジャーナル」といった雑誌ですが、興味ある特集記事があれば実際に購入して、その感想等を当ブログでご紹介しています。

今月(2020年10月)に発売された各鉄道雑誌の特集は、以下のようになっていました。

【鉄道ダイヤ情報】
特集:名古屋鉄道


【鉄道ファン】
特集:形式記号「ニ」


【鉄道ジャーナル】
特集:夜行列車ふたたび

DSC_2560

いずれも個人的に興味惹かれる特集であったため、久々に三誌を揃って購入し、読んでみることにしました。



【鉄道ダイヤ情報】
特集:名古屋鉄道

鉄道ダイヤ情報 2020年 11月号 [雑誌]
鉄道ダイヤ情報編集部
交通新聞社
2020-10-15



かつての名鉄では、「パノラマカー」や「北アルプス号」、「600V区間」といったように、車両や線区の種類が多彩であり、そのバリエーションは大手民鉄随一であったかと思われます。

流石に当時に比べると、車両も路線網も整理されてはきましたが、今でもなお名鉄名古屋駅を拠点した、方々に広がる路線網と、各方面へ広がる運転系統は、名鉄の変わらぬ魅力でありましょう。

特集記事では、空港特急「ミュースカイ」登場後も、前面展望が楽しめる車両として今なおフラッグシップとして君臨し続ける「パノラマsuper」1200系(1000系)に名鉄岐阜から豊橋までの乗車記からスタートします。

そして、名鉄の魅力の一つである名鉄名古屋駅での列車発着調査、また「同じ形式でもデザインが違う」「同じデザインでも形式が違う」6000系グループ(6000系・6500系・6800系)の解説記事などもあり、他地域のファンにとってはいまいち理解がしにくい名鉄の車両や運用について、少しでも興味が持てるような特集となっています。

個人的に重宝したのは、付録の「名鉄車両ハンドブック」でしょうか。
このハンドブックでは、現有の名鉄車両と車両編成表、路線図が記されており、これを眺めているだけでも名鉄の奥深い世界を実感できそうに感じましたので、オススメです。



【鉄道ファン】
特集:形式記号「ニ」

鉄道ファン 2020年 12月号 [雑誌]
鉄道ファン編集部
交友社
2020-10-21



特集の題名の形式記号「ニ」は、荷物車を表す形式記号のことです。

かつての国鉄では「荷物輸送」というものを行っていました。
荷物輸送のイメージとしては、現在の宅配便で輸送するような荷物を、国鉄の駅から駅へと配送するサービスのことでした。

1976年(昭和51年)にヤマト運輸が「宅急便」というサービスで荷物輸送に参入するまでは、実際のところ国鉄が唯一の荷物輸送サービスであったようでした。
そのため、その需要に対応するべく、様々な荷物車が投入されましたが、本特集ではそれらの車両を紹介するとともに、国鉄の荷物輸送の創業から終了までの歴史を併せて記している、記録として貴重な特集でありました。

この特集記事ですが、同じく鉄道ファン2020年3月号の特集「形式記号 ユ」(郵便車)に続くものです。
(参考)
鉄道ファン2020年3月号 特集:形式記号「ユ」 : 阪和線の沿線から

先の「ユ」で紹介された郵便荷物合造車(オハユニ、クモユニ、キユニ等)は省略されています。
とはいえ、「ニ」だけでも多数の形式が掲載されている点、当時の国鉄荷物輸送がいかに盛んであったかを物語るものであるといえるでしょうか。


特集記事以外にも、近鉄「楽」20000系リニューアル車や、JR九州787系「36ぷらす3」の車両記事、「WEST EXPRESS 銀河」の乗車レポートや、運行開始50周年を迎えた「新快速」の記録のまとめ記事など、関西地区のファンにとっても読みごたえのある特集であると感じました。




【鉄道ジャーナル】
特集:夜行列車ふたたび




既に当ブログでご紹介したように、去る9月11日にJR西日本の新しい長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行がスタートしました。
「銀河」自体は「夜行列車」に限定してはいないものの、最初の運行ルートである山陰ルートが夜行列車であったこともあり、俄然「庶民的な夜行列車の復活」という切り口で盛り上がりました。

今回の特集では、その「銀河」の乗車レポートとJR西日本の関係者インタビューから構成された特集記事に加え、近年夜行列車の復活が盛んなヨーロッパの事情を詳しく解説した特集記事「欧州の夜行列車」が記されています。

特にヨーロッパの事情に関しては、近年の経緯や、コロナ前の運行状況について、子細に記されている点が、容易に現地に行けない者にとっては貴重な情報でありました。
ヨーロッパでもご多分に漏れず、LCCや夜行路線バスの普及により、夜行列車次々の減少していきましたが、一方で新規参入による運行も開始される等、日本とはまた違う状況が展開されていたのは、当地の事情を知る上で、知っておきたい情報と感じた次第です。

ヨーロッパの夜行列車も、新型コロナウイルス感染症の影響で、様々な制限(運休や販売制限等)が行われており、コロナ前のように気軽に利用できる状況ではまだないのが現状ですが、コロナ後の状況によっては、再び賑やかな夜行列車の風景に戻ることもあり得ますし、また、日本からもそういった夜行列車に乗りにいけるようになる日を迎えることができればいいな、とも感じました。



以上、個人的に注目した特集記事を中心に、今月発売の鉄道雑誌をご紹介しました。
すっかり秋めいてきて、まさに「読書の秋」のこの時期、これらの鉄道雑誌を揃えて、是非とも秋の夜長にしっかり読書してみてはいかがでしょうか。