鉄道模型珍品堂「富山地方鉄道14760形」の巻 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 西武鉄道から10000系「ニュー・レッドアロー」の譲渡を受けたことで話題の富山地方鉄道は、長野電鉄や大井川鐵道などと共に他社からの譲渡車両が現役で活躍している「動く電車博物館」になっている。しかし、以前はなかなか魅力的なオリジナル車両を制作していた。現時点で最後のオリジナル車が14760形で、1979年の導入開始以来、2両編成が7本と増結用クハが1両製造されている。
 側面は在来車のイメージを踏襲しているが、前面は窓を大きくとった近代的なデザインとなった。富山地鉄初の冷房車でもあり、鉄道友の会からローレル賞を贈られている。
 エンドウがこの電車を製品化したのは1999年で、日本鉄道模型ショウの記念商品という位置づけだった。しかし、模型ショウ当日に会場に着いた時は既に完売。追加生産の受注を受けるというので申し込んでおいたところ、一年以上が経って忘れかけた頃に連絡があり、立川まで引き取りに行ったのが、今回紹介する模型だ。
 あれから早や20年、最近のエンドウは昔の製品の仕掛かり品を限定完成品として発売しているが、この電車も今夏にごく少量が販売されている。

 我が鉄道に入線したのは、奇数車+偶数車のユニットと増結用クハの計3両。クハの連結面は非貫通なので、独特の表情をしている。実車が登場して間もない頃に乗ったアルペン特急がこの3両編成だった。当時は全車指定席だったのだが満席で、立席乗車になったのでずっと運転席の後ろでカブりついていた記憶がある。
 模型の方は、エンドウの定番的な作りで、富山地鉄名物の昆虫の角みたいな無線アンテナも付いている。動力はMPギアシステムで、時代的に灯火類は電球仕様。室内の座席はなしだ。
 エンドウの常で塗装の色調がちょっと違うなという感じだが、我が家の個体ではデカールで表現された赤帯にトラブルが発生した。前面から側面に回り込むあたりで、経年劣化らしい亀裂が生じたのだ。そこで立川へ持っていき、有料でいいからデカールを貼り直してくれと頼んだところ、オーバーコートを吹いているので出来ないという。オーバーコートを吹いていて亀裂が入るのか?と思いつつも、仕方がないのでタッチアップで補正してもらった。今年の再生産分は、デカールから印刷に変わっているようなのでトラブルの心配はあるまい。

 前面の方向幕として、当時発売されていたエムズコレクション(ロコモデル)のトレインマークが入っている。画像に写っている黒い線状の物は、適当な長さにカットしてジャンパー管を表現するパーツだ。
 本製品が発売された頃、実車はイエローとグリーンの新塗装(俗に言うカボチャ塗装)が登場しており、模型でも製品化の予告がされていたが、現物を見たことがないので、おそらく発売はされなかったと思われる。