さて、次に乗車するのも引退が間近な列車です。
特急「スーパービュー踊り子9号」。
すでに使用される251系RE-3編成は9番線に入線していました。
251系は伊豆への観光特急として「乗ったらそこは伊豆」をコンセプトに設計され、展望グリーン車・グリーン個室・サロンなど豪華な設備を誇る車両です。
その中でも今回使用されているRE-3編成は御乗用列車に使用される編成として特別な任務を帯びていました。
しかしながら海沿いを走ることもあり、次第に車体が劣化。2020年3月のダイヤ改正で251系は全車引退し、スーパービュー踊り子もその役目を終えることとなります。
今回はそのお名残り乗車ということで、どの座席にしようか考えましたが、せっかくなので…
ここにしました。
2階建て構造の2号車1階に3室だけのグリーン個室。
スーパービュー踊り子の中で最も豪華な設備と言っても過言ではないでしょう。
こちらが使用した特急券・グリーン券。
120mmのきっぷとなっています。
4人用ですが、部屋単位で料金が設定されているため1名からの使用が可能です。
東京始発が少し遅めということもあって数日前でも個室を取ることができました。
グリーン車の入り口に立っていたアテンダントさんにきっぷを見せ中に入ります。
こちらは2階のグリーン席。
2階建てのため若干天井が低い印象を受けますが視界は良さそうです。
螺旋階段を降りて1階へ。
1階にあるここはグリーン席利用者専用のサロン。
グリーン車向けの車内販売もここで行なわれています。
厨房もあって簡単な調理ができそうな感じ。
それでは、いよいよ2号車1階へ。
2号車は1階での通り抜けができないのでこの通路を利用するのはグリーン個室の客のみ。
他の場所とは雰囲気が違います。
ここが今回予約した4人用グリーン個室です…!
テーブルを挟んで2人がけの座席が2つ向かい合わせに設置されています。
車窓はこんな感じ。
目線の高さがホームの床面とほぼ同じです。
車内に入ってドアを閉めるとそこはもうプライベート空間。
写真左に写っているカーテンを閉めることもでき、そうすると通路からは全く見えなくなります。
階下にあることもあってまるで隠れ家のような印象を受けました。
座席は一応リクライニングさせることもできます。
電動で座面が前に動いて背もたれが倒れるしくみ。
壁にはアテンダントさんを呼び出すことができるインターホンがついているのですが…故障中。
たぶん修理されることはもうないのでしょうね…
初めて乗るグリーン個室を観察していると、すぐ発車時刻になりました。
伊豆急下田までの約3時間の隠れ家の旅が始まります!
発車するとアテンダントの方がウェルカムドリンクの注文を取りに来られました。
ウェルカムドリンクはこの5種類から選びます。
東海道新幹線と並走しながら走る光景を撮影しているとすぐにウェルカムドリンクが運ばれてきました。
これがスーパービュー踊り子のグリーン車限定ウェルカムドリンクです!
もはやドリンクサービス自体が風前の灯なこの時代にあって、最後までそのサービスが残っているのは嬉しい限り。
SVO(スーパービュー踊り子)と書かれたおしぼりも記念になりますね。
せっかくなのでグリーン個室で飲むことを意識して撮ってみました。
列車は多摩川を渡り神奈川県へ。
最初の停車駅・横浜に止まりました。
横浜を出たところで車内探検を再開します。
まずは2号車1階の3号車寄りへ。
先ほど説明したとおり3号車との通り抜けはできず、非常口が設置されています。
来た道を戻り、2号車2階を通って3号車へ。
こちらが3号車以降の普通車指定席。
1階建て構造ですが、窓が大きく取られスーパービューの名に恥じない展望が広がります。
号車ごとに赤系統と青系統の2種類のモケットに分かれています。
それにしても普通車はほとんど乗客がいませんね…。
廃止2週間前の日曜日とはいえ、こんなものでしょうか…?
5号車には普通車用の売店が設置されています。
お菓子やおつまみが並んでいました。
1編成の中に先ほどのサロンと合わせて2つも売店がある列車はなかなか珍しいですね。
さらに進み、一番後方の10号車にやってきました。
普通車唯一の2階建てです。
最前列は運転席に向かって座席が固定されており、後方展望を楽しむことができます。
グリーン席でなかったらここの指定を取るのも楽しそうですね。
1号車と同じ螺旋階段を降りて1階へ。
ここは子供向けのプレイルームになっていました。
そのお隣には授乳室も。
伊豆へ行楽に出かける家族連れをターゲットにした列車らしい車内設備ですね。
車窓の風景を眺めながら自席へ戻ります。
グリーン車に入るとき…
こんな貼り紙を発見。
ここから向こうへ行けるのは私たちグリーン車利用者限定なのです。
改めて優越感に浸りながら個室に戻りました。
お昼ごはんがまだだったので、東京駅で買った駅弁を食べることにします。
2年前まではサロンでカレーが食べられたようなのですが…車内販売が縮小してしまいそれは叶わず。
こちらの「東京弁当」にしてみました。
中はこんな感じ。
今半の牛肉たけのこ、青木の玉子焼など、東京の老舗の味が詰まった美味しいお弁当でした…♪
お弁当を食べていると車窓に海が広がりました。
個室から眺める海というのも貴重ですね。
食事を中座して写真を(笑)
有名な撮影地・根府川橋梁を渡ります。
気がつくとあっという間に湯河原まで来てしまいました。
東京から約1時間20分、列車は湯の街・熱海に停車しました。
ここからは東海道本線から分かれて伊東線へと入っていきます。
続きは次回です。
次回
前回
最初から
・関連記事
スーパービュー踊り子のグリーン個室がまるで隠れ家みたいということを意識した作品です。
若干人を選ぶかも。
251系が羽越本線村上まで入線した実績を踏まえて描いてみた作品です。