稚内へ来る度に毎度お約束?の扉写真ですが、10月6・7日にノースレインボー編成で代走した宗谷本線特急の乗車記の続きです。
NRE代走は10月6日の64Dサロベツ4号美深→旭川で乗車したのですが、それだけでは物足りず翌日の61Dサロベツ1号→52D上り宗谷の運用にも乗っておきたくて、再び旭川駅にやって参りました。尚、この日のサロベツ1号乗車前の行程は省略させて頂きます。
その10月7日は私が持っている6日間パスの有効期間最終日でしたが、指定席発行回数を全て使い切ってしまっていたのでサロベツ1号は自由席に乗車します。せっかくのノースレインボー代走なのだから最後部展望席に乗りたい!というワケで、発車の1時間以上前から一番乗りして最後尾⑤号車の乗車位置で待つ事にしました。但し、乗車位置を表示するディスプレイにサロベツ1号の案内がなかったため、大体この辺と思われる位置で…。
ちなみに1号車の最前部展望席は前日の段階でA席のほうが空席でしたが、その後埋まってしまいました。
サロベツ1号の車両であるノースレインボー編成は、13:10位に旭川運転所から回送されてきました。
ドンピシャの位置で待っていたため、車内に一番乗りして無事に最後部展望席を確保。
自由席とはいえ、混み合う可能性がないため後ろ向きにして後面展望を楽しむ事にしました。
展望席のある列車も北海道から消滅寸前なので、もう味わえない風景を見ておきたいのです。
一旦車外に出て2番線ホームに廻り、今回乗車した⑤号車キハ183-5201側から撮影。
フラノラベンダーエクスプレス運用時は1・2・5号車が指定席として使われましたが、宗谷本線特急代走の場合は4・5号車が自由席になります。したがって通常のキハ261系より自由席の席数が増えるため、この点も有難いです。
3号車キサハ182-5201の1階ラウンジ。
フララベン運用時の『ふらの開花情報』の掲示がそのまま残っています。但し、ソファーにソーシャルディスタンスを呼び掛ける掲示物は置かれていませんでした。
13:25に、接続列車である3015Mライラック15号が到着します。
車両は、前日札幌への帰路で乗車した789系HE-106+HE-206編成でした。
乗車口案内のディスプレイですが、ライラック到着時点ではこのように表示されていました。
13:35、いよいよ発車時刻となり、旭川駅を後にします。
ライラック15号からの乗継客もあまり多くなく、5号車自由席の乗客は10数名程度。
指定席については3号車2階席が所定の席数と合わないためマルス上でブロックされて予約不可能となっており、えきねっとのシートマップで3号車を選択すると「座席の選択ができません」と表示されていました。
列車は旭川市内を離れ、北永山~南比布で石狩川を渡ります。
南比布駅とともに来年3月ダイヤ改正時に廃止となる北比布駅を通過します。
北比布~蘭留の車窓風景。
残念ながら奥に見える大雪山系の山並みは雲に覆われています。
やがて、列車は塩狩峠へ。
ハイデッカー構造で車体が重いノースレインボー編成にとっては難所です。
サミットの塩狩駅を通過後は一転、下り坂となり走りも軽やかになります。
最初の途中停車駅である和寒では、キハ54 528単行の3324D快速なよろ6号と交換します。
確か3月ダイヤ改正以前はキハ40での運用でしたが、苗穂からキハ150が玉突き転配された関係で置き換えられたようです。
来年3月ダイヤ改正で南比布駅などと同時に廃止となる北剣淵駅を通過。
止めてあった自転車は利用客のものでしょうか…。
14:15着発の士別駅。
旭川発車時点では晴れていたのですが、この日も道北各地は大気の状態が不安定だったため、時折にわか雨が降るあいにくの空模様となってしまいました。そのため紹介する写真にはガラスに付着した雨滴でお見苦しい場合があります。ご了承ください。
士別~下士別の車窓風景。
雨だからといって悪い事ばかりではありません。ノースレインボーの車窓から虹(レインボー)が見えました!
この事は、北斗星の個室寝台の天窓から北斗七星を眺められた時の感動に似ていますね…。
今回の代走運転時に、虹を入れて撮り鉄された方っていらっしゃるのかな?
コチラも廃止対象の下士別駅を通過。
キマロキ編成が見えてくると、宗谷本線の中枢ともいえる名寄駅に到着です。
しかし…前日と同様、到着のタイミングで雨に降られてしまい、水滴で視界が非常に悪いです。
2番線に停車中のキハ54は、14:25に到着した稚内からの普通4326D。
進行左側(画像右側)には天塩川が見えてきました。天気が残念ですが…。
コチラも廃止予定である北星駅を通過。残念ながらこの角度からは『毛織の北紡』の看板が特徴の待合室は見えません。
撮り鉄中なのか、『鉄子』とおぼしき女性の姿がありました。
またまた廃止予定の南美深駅を通過。
そして、前日に私が下車した美深駅。ピンボケ画像ですがご容赦を。
一旦止んでいた雨でしたが、この辺りから再び降り出してしまいました。
美深町内は南美深駅の他に計3駅が廃止対象ですが、コチラは紋穂内駅。
駅周辺には人家がほとんど見当たりません。
廃止対象から一転、存続が決まった恩根内駅を挟み、豊清水駅にて運転停車。
コチラも美深町内の廃止対象駅の一つですが、列車交換設備があるため信号場化されるものと思われます。
ここで再び晴れ間が見えてきました。
所定のキハ261系(SE-102/SE-202編成)による、幌延始発の64Dサロベツ4号と交換します。
線路の集中メンテナンスによる短縮運転は9日まで続きました。
次の停車駅・音威子府では再び激しい雨に見舞われます。
音威子府以北からは本格的に天塩川の眺めを楽しめるのですが、相変わらずの雨。
それでも、今度はフロントスクリーンから虹を見る事ができました。
筬島~佐久の天塩川沿い。
再び雨がやみ、雲の切れ間から陽が差して山の木々を照らしています。
雨上がりの天塩中川駅。
秘境駅として人気の高い糠南駅を通過。
再び晴れ間が戻ってきました。
そして、いよいよ天塩川沿いのハイライト、問平陸橋を通過します。
宗谷本線唯一の下平トンネルに入ります。
安牛駅、上幌延駅と廃止対象駅を通過。両者に挟まれた南幌延駅は存続する事になっています。
夕暮れ時の幌延駅。
サロベツ原野の果てに夕陽が沈みます…。
そして豊富駅。サロベツ1号の旅もいよいよ終盤です。
兜沼駅付近に見えるその名も兜沼。
存廃問題で揺れる抜海駅を通過。最後の通過駅です。
稚内はもう近い!
抜海駅通過後、いよいよ利尻山が姿を現しました。
この辺りで日没となります。
抜海の丘を登り、列車が徐行すると見えてくる絶景…!
雲が多い天気なので半ば諦めていたのですが、こうしてノースレインボーの車窓から日本海に浮かぶ利尻山を眺める事ができました!
稚内の市街地に入り、最後の途中停車駅・南稚内に着く頃には、もうすっかり夕闇の中。
当駅発車後、『アルプスの牧場』のオルゴールが鳴り、車内放送が終着駅の到着を告げます。
ついに、終着・稚内駅に到着!
所定では17:23の処5分遅れの到着となりましたが、前日のサロベツ4号共々車両性能の差をものともせず、遅れを最小限に済ませたのはお見事です。
夕闇に包まれた稚内駅。
さて…稚内に着いたばかりの私は、折返しの52D上り宗谷で車両共々札幌に戻ります。
改札口には、ノースレインボー編成のイラストが入った車両編成案内が掲げられていました。
流石に展望席ではありませんが、帰路もやはり自由席⑤号車に乗車。稚内からは先頭車です。
今回の代走運転を聞き付けて乗車したのは私だけではなく、往路のサロベツ1号共々数名の乗り鉄が乗車しておりました。
夜なので車窓も望めないため、気分転換でラウンジに行ってみたら誰もいません。
それをいい事に、私はラウンジで夕食を摂る事にしました。
午前中に立ち寄った岩見沢駅舎1Fにある観光協会の売店で購入した『とり釜めし』(市内の仕出し料理店・花扇謹製)。
本当はお昼に食べるつもりでしたが、その前に間食を摂った関係で夜まで取っておいたのです。
価格は¥1080と少々お高いですが、なかなかの絶品でした。
士別駅では63Dサロベツ3号と交換。
途中、安牛駅付近での鹿の飛び出しによる急停車や、天塩中川駅から車椅子利用者の乗車対応があったため、旭川駅には所定の21:26から約16分遅れでの到着となりました。当駅で最前列展望席の1番A席が空き、他の乗客の移動もなかったので私はそこに席を移動し、おそらく最後になるであろうノースレインボーからの前面展望を楽しませて頂く事にしました。夜なので仕切りガラスに室内灯が反射して景色が見づらいのは否めませんが…。
最後の停車駅・岩見沢に到着します。
そして終着・札幌駅に到着…という処で、遅れていた事が災いしたのか入線の準備が整わないため、場内の停止信号に捕まってしまい、しばらく停車する事に。運転士と指令との間で無線のやり取りをしています。
信号が青になりました。
所定では札幌駅の到着番線は3番線ですが、変更されて5番線に進入します。
ようやく、終着・札幌駅に到着です。
結局所定の22:53から30分以上も遅れてしまい、到着時点でスマホの時計を見たら23:25でした。
23:30発の小樽行普通292Mの721系(G-101編成)と並びます。
乗客を降ろしたノースレインボー車両は、同じく23:30頃に苗穂へ向けて回送されていきました。
今回が最後の営業運用にならなければ良いのですが…。
さて…代走運用を終えた後のノースレインボー編成ですが、10月22日の時点で③④⑤号車の3両が苗穂工場の側線に留置されていました。
無蓋貨車のトキ25000形を後に連結した状態で…。
一方、残りの①②号車ですが、コチラはエンジン起動状態、愛称名LED点灯で苗穂運転所構内に留置されている姿を目撃するも、その後前照灯を点灯しバックで構内を移動していました。仕事の合間に通りがかって撮影したので詳細は不明ですが、この残り2両も上記のように苗穂工場に入場しているとの事…。
一体、ノースレインボー編成はどうなってしまうのか?今後の動向が気になる処ですが、コロナ禍の影響でラストランを行わないままシレっと引退という可能性もありそうで、そうならない事を祈りたいです。
おわり