横浜市電保存館訪問記
横浜の足が集う場所
暑さも落ち着いた9月頃、横浜市にある横浜市電保存館に行きました。
横浜にはかつて市電が通っており、たくさんの路線がありました。
しかしモータリゼーションの進行により道路の渋滞が悪化、根岸線や地下鉄の開通や財政状況の悪化もあり、最終的には中区・磯子区内など全ての路線が廃止になりました。
そのうち、解体を免れた車両が集合住宅の中にある保存館で永久保存されることになりました。
大人300円と中学生までは100円、障害者手帳をお持ちの方と付添人の方は無料で利用できます。
なお、管理人は横浜市の精神障害者手帳2級を所持しており、無料で利用することができました。
(要申告)
早速見ていきましょうか。
単車の500型です。
どうやら横浜市電の代表的な単車車両とのことです。
馬力も結構あったようです。
車内は木造です。
昔の電車っておしゃれですよね。
こちらは市電初のボギー車、1000型です。
馬力の問題から平坦な地区で運用されることが多かったです。
横浜市電は個性的な単車・ボギー車が数多く在籍しており、その後のワンマン運転化になるまでは車掌1名を乗せていたようです。
中には路面電車でありながらクロスシートを装備した形式もあるようで、全国の市電の中でも珍しい車両が多かったようです。
近未来的デザインの1600型です。
関西チックなデザインのスタイルがいいのですが、使い勝手がよろしくなく、防振台車など最新機構を採用したに関わらず、早々と廃車されました。
こちらはワンマン化から除外されたそうです。
アメリカの高性能路面電車「PCCカー」の日本版とも言える1500型です。
どうやら市電末期の主力を担っていたとのことで、乗り心地のよさにも定評があったようです。
同形式のうちもう1両は横浜市の野毛山動物園に保存されていますが、こちらより状態は悪く、部品盗難などから維持が危うくなっているところです。
派手な装飾を施した花電車と呼ばれるパレード車両です。
祭礼や記念行事の時に運行されることが多かったようです。
元は無蓋貨車という事業用の車両です。
こちらはつりかけモーターです。
路面電車では整備の問題からつりかけ車が主流でした。
電動機内部の様子です。
今の交流モーターと違い、部品交換が必要でした。
コンプレッサーです。
古典的なタイプで、他の事業者ではまだ使われているタイプのようです。
魅力の多い横浜市電保存館で、市電の歴史に触れてみてはいかがですか?
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