その④より



2020年1月4日(土)


今年の初詣旅、熊野那智大社の参拝を終えて紀伊勝浦駅まで戻ってきました。

夕食の時間にはまだ早いですが、最後のミッションである生マグロをいっぱい食べたいと思います。



という訳で、駅前にあるこちらのお店へ。

現在は、勝浦漁港の方へ移転されたみたい。



ちょいと奮発して、特製丼を注文。

メニューでは、大トロ・中トロ・赤身・中落ちと色々なマグロの味が楽しめると謳っており、期待値を上げながら待機。

マグロはメバチかキハダですが、今日はメバチマグロだよと店員さん。


着丼した時には、艶やかな姿に思わず「わー」と言葉が漏れましたね。



上げた期待値は、あっさりと超えられました。

そもそも生マグロを食べる機会が全くなかったので、マグロってこんなに美味しいんだと言うのが率直な感想。

いつも食べているのが食べられなくなるじゃん。


部位ごとにそれぞれの美味しさがありますが、どれも肉厚で口の中が旨味でいっぱい。

願わくば、いつまでもこの余韻に浸っていたかった。



生マグロを食べるだけに勝浦まで来るのもアリだなとニヤケながら駅前の商店街を歩く。

海の黒いダイヤとも呼ばれるクロマグロを食べた時には、あまりの美味しさに卒倒するんじゃないか?


さて、港に着くと夕方のそよ風に乗せられて潮の香が鼻をくすぐりました。



日本有数の、マグロ延縄の漁業基地として有名な勝浦漁港。

陸揚量は焼津、三崎に次いで全国第3位ですが、生鮮マグロの水揚量は日本一です。

生マグロを食べるにはうってつけの場所ですね。



隣接する新しい建物は、にぎわい市場。

営業時間はとうに過ぎており、辺りは釣り客で賑わっています。


施設は食事処や特産品の直売コーナーを兼ね備えており、いつでもマグロの解体を見ることができます。



無料の足湯は営業していたので、那智山で歩き疲れた足を温めていました。

ほのかな硫黄の匂いを嗅ぎながら、那智勝浦は温泉の町だったことを思い出す。



夕方の心地よい風に当たりながら、時間を忘れてのんびりしていました。

漁港を出入りする船のエンジンが港内に響く、実に良い雰囲気です。



帰りたくないなとボヤいた後は、重い腰を上げて駅に戻ります。


さっき港へ歩いている時に開いていた商店は、もう閉まっていました。

しまった、お土産を買いそびれてしまった...けどまぁいっか。



ホームでは、山に落ちる太陽を見届けました。


行きは18きっぷなので帰りくらい特急で楽して帰れば良かったのですが、何を思ったか普通列車で6時間半かけてまた来た道を戻ります。



アルコールを求めて売店かコンビニを探すが、駅周辺には無さそうです。

何とか灯が付いたお店を見つけ、地ビールとお店の方に勧められて肴を手に取る。

うつぼの唐揚げ、地元の方は大好きらしい。


観光地価格なのか高級なのか、思ったよりも高い値段に目を瞑り晩酌セットを購入。

なるほど、口に入れた食感はさくっと軽いですが、噛んでいると甘辛さの奥からじわじわっと脂気が出てきてビールに合う。



ほろ酔いで気分で、列車に揺られる。

暇を持て余して窓の外を眺めるが、街明かりの少ない闇夜をただひたすらに進む。


途中、特急の追い越し待ちで数分停車とのアナウンス。



酔い覚ましに外へ出てみましたが、和歌山とは言え季節は真冬。

夜風に当たると、顔を刺す寒さに一気に酔いも覚めました。



まだまだ、先は長いです。

酔いが落ち着いてくると、眠気がドドっと襲ってきました。

始発から動き出しているのと歩き疲れたので、体の充電がそろそろ切れそう。




紀伊勝浦を17時半に出発して、紀伊田辺に到着したのは20時ちょうど。

構内には、引退間近の113系が御坊と紀伊田辺間の運用に就いていました。



一般的な113系の顔とは程遠い、どちらかと言うと103系の前面に近いこの車両は、食パン列車と揶揄されます。

2000番台の中間車に、簡易運転台を設置する改造を施した異色の車両です。



113系に乗っちゃうと帰れなくなるので、ピカピカの新型車で和歌山駅を目指します。



紀伊田辺駅のコンビニで、ガソリンを追加補給。

一時、このレモンサワーにハマっていました。

レモンの苦味が、生搾り感があって美味しいです。



最後に、旅を少し振り返ってみる。


ミッションとして掲げた、5つの目的は無事にクリアできました。

何がベストか挙げるとすれば、大門坂の自然の神秘さに人々の足跡が積み重なった歴史の長さでしょうか。

世界遺産熊野古道、いつかもっと長い道を歩いてみたいです。


次回の旅は、岡山・広島の乗り潰し旅になります。

乗り鉄なので観光は少なめですが、よろしかったらまたお付き合いの程お願いします。

ではではノシ