ドイツ鉄道旅行の基本情報

記事上部注釈
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ヨーロッパの鉄道大国、ドイツ。そのドイツには多くの鉄道網が発達しており、とても楽しい旅行が楽しめます。そんなドイツの鉄道旅行の基本知識を丁寧に詳しくまとめました。

正面からブランデンブルク門を眺める

写真1. ドイツ統一の象徴、ブランデンブルク門

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

ドイツとその鉄道の基本知識

まず、ドイツの概要について簡単にまとめます。概要といっても多くの側面がありますが、ここでは鉄道旅行に関する内容をまとめます。

・首都:ベルリン(西ドイツ時代はボンでした)

・鉄道の営業キロ:33295km(2013年のデータ、世界の鉄道より引用)

・主な都市:ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルク

・主な観光地:ノイシュバンシュタイン城、ライン川

ドイツという国が統一したのは19世紀と周辺の国々よりも遅いです。その影響か、ドイツは地方分散型の構造です。これは言いかえると、首都以外の場所も魅力的であることを示します。現に、多くの観光客が行きたがる場所のノイシュバンシュタイン城やライン川流域は首都ベルリンから離れた場所にあります。

前述の通り、都市が分散しているので、鉄道は全国にくまなく発達しています。別の言いかたをすると、ある都市から別の都市に行きやすいということです。

なお、ドイツに限らず、世界各国の鉄道に関する基本情報がまとめられた優良書籍(世界の鉄道)があります。ドイツの鉄道に興味がわいたら、下記の書籍で周辺国の知識を広げることも重要です!

一般社団法人 海外鉄道技術協力協会 ダイヤモンド社

ドイツの鉄道利用について

では、ドイツの鉄道利用の実践的な内容について紹介しましょう!

ドイツの列車種別

ドイツは日本と同じく鉄道大国です。そのため、役割に応じて列車種別があります。その列車種別は基本的に以下の通りです。便宜上、日本に相当する列車種別を挙げていますが、日本とドイツは異なる国です!そのため、完全に対応するわけではありません。

・ICE:日本でいう新幹線列車に相当。座席は1等、2等ともに任意指定制
※任意指定制については下のコラムで触れています

フランクフルトからベルリンへ向かうICE

写真2. フランクフルトからベルリンに向かうICE

なお、ICEネットワークは以下の通りです。ダイヤ改正で若干の変化はありますが、根本的な系統はそう変わりません。

ICEネットワーク2018

図1. ICEネットワーク(公式サイトから入手)

・IC:日本でいう在来線特急に相当。座席は1等、2等ともに任意指定制
※任意指定制については下のコラムで触れています。国際列車の場合はECですが、意味合いは同じです。

コブレンツに入線するIC

写真3. ライン川沿いを走るIC(コブレンツで撮影)

・RE:日本でいう在来線快速に相当。座席は自由席

写真4. モーゼル川沿いを走るRE(コブレンツで撮影)

・RB:日本でいう在来線普通に相当。座席は自由席
※ベルリンなどの大都市圏では後述のSバーン専用の駅があり、そこを通過します。東海道線(RB)が京浜東北線(Sバーン)の駅を通過するイメージです

RB24系統の電車

写真5. ベルリンRB24系統(ベルナウで撮影)

・Sバーン:日本でいう近郊電車。東京の山手線、大阪の大阪環状線に相当。ただし、小さな都市にも運転されていて、日本の都市近郊電車と考えたほうが良い
※ベルリンとハンブルクでは専用の線路、他の都市では専用の線路を通らない場合もある

アレクサンダー広場とSバーン

写真6. ベルリン中心部を通るSバーン(アレクサンダー広場付近で撮影)

コラム.座席の任意指定制とは?

ICEとICについて任意指定制と記しましたが、そもそも任意指定制とは何でしょうか。常磐線特急や中央線特急と同じといえば簡単ですが、もう少し細かく説明しましょう。

日本ではJRの多くの特急に指定席と自由席が連結されています。1号車は指定席、2号車は自由席という具合に、それらは厳格に区分けされています。しかし、これでは自由席だけ混んだり、指定席だけ満席だったりと不合理です。

そのようなことがあるのか、ドイツの長距離列車には「自由席」「指定席」という区分けはありません。予約された席が指定席で、そうでない席は自由席です。

わかりやすくするために、日本の新幹線のぞみ号で例えましょう。今、のぞみ1号博多行きに乗っているとしましょう。目の前の1A席は東京から名古屋までの予約が入っていますが、隣の1B席は京都から広島までの予約が入っています。この場合、1A席は東京から名古屋は指定席、名古屋からは自由席です。一方、1B席は東京から京都と広島から博多までは自由席、間の京都から広島までは指定席です。ご自身が座席を予約していない場合は、東京から名古屋までは1B席に座り、名古屋からは1A席を使うのです。

このように座席を指定しない場合は座席を移動する可能性があります。これが嫌であれば、手数料を払って座席を予約するば良いですし、手数料が惜しければ座席を予約しないだけのことです。

レイルジェットの車内

写真7. 座席の予約状況を示す表示(オーストリア国鉄の列車での撮影ですが、基本原理は同じです)

では、どのように特定の席に予約が入っているか確認するのでしょうか。きちんと車内に座席予約状況が表示されています(写真7)。この場合、ザンクトペルテンからリンツまでは座席予約済、他の区間は予約なしということです。このとき私はウィーンからザンクトペルテンまでの乗車でしたから、この座席は気兼ねなく使えます。

ドイツの列車には食堂車が付いていて、食堂車から戻ってくると見ず知らずの人が(予約したご自身の)座席に座っていることがあります。この場合は、「This is my seat」と英単語の羅列を発するだけでどいてくれます。きっと、予約済の席でも実際の乗客が現れないことがあるのでしょう。

ドイツ鉄道の公式サイトに各地の地域路線図へのリンクが整備されています。そのリンク先から路線図を引用します。ザクセン州とザクセンアンハルト州は小さな路線図へのリンクですが、ザクセンアンハルト州は旅行先でリンクを発見しましたので、ザクセンアンハルト州については詳細な路線図へのリンクを別途設定しています。

図. バーデン=ヴュルテンベルク州の路線図

図. バイエルン州の路線図

図. ブランデンブルク州の路線図

図. ハンブルク州の路線図

図. ヘッセン州の路線図

図. メクレンブルク=フォアポンメルン州の路線図

図. ニーダーザクセン州の路線図

図. ノルトラインヴェストファーレン州の路線図

図. ラインラント=プファルツ州の路線図

図. ラインラント=プファルツ州の路線図(地域サイトから入手)

図. ザクセン自由州(ザクセンアンハルト州も含む)の路線図(詳細バージョンはvogtlandbahnの公式サイトに掲載)

図. ザクセンアンハルト州の路線図(INSAの公式サイトより引用)

図. シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の路線図

図. チューリンゲン州の路線図

ドイツの列車利用方法

(我々外国人にとって)長距離列車の使いかたは2通りあります。1つは鉄道パスを利用して、気ままに乗ること。もう1つは事前に安い金額で予約して利用する方法です。ドイツの鉄道がありがたいのは、乗車券なしで座席指定券だけ購入できることです。

鉄道パスを利用して座席を予約するのは、「その列車に乗ることがおおむね確定しているが、行動にある程度の自由度を与えたい」場合が良いでしょう。また、事前に乗車券込みで予約するのは、「その列車に乗ることがほぼ確定している」場合が良いでしょう。

でも、座席指定や乗車券の入手が大変?そんな声があると思い、事前に座席指定する方法や、事前に乗車券を手配する方法を詳しくまとめています。

(座席指定のみの場合)

【ドイツ列車ネット予約】フランクフルトからベルリンのチケット手配

※この場合、区間をフランクフルトとベルリンとしていますが、両駅を別の地名に置き換えれば、任意の地点の移動に適用できます。

(乗車券込みの場合)

ベルリンからプラハまでの列車をネットで予約する

※国際列車ですが、この場合の考えかたは国内列車と同じです。一般的に国際列車の場合は出発国の国鉄から予約するとスムーズです。この場合はドイツからチェコですので、ドイツ鉄道から予約しています。逆に、チェコからドイツに移動する場合は、チェコ国鉄から予約するとスムーズでしょう。

なお、ドイツの鉄道路線の多くは1時間に1本以上の運転が確保されている路線が多いです。また、「毎時40分に××行きが発車する」というようにダイヤがパターン化されています。そのため、旅程は非常に立てやすいです。

ドイツに限らず、ヨーロッパの列車の多くは座席の向きを変えられません。列車は前後に動く乗りものですから、必然的に半分程度の席は後ろを向いています。これはどうかしていると思いますが、旅行者はこれに対応せねばなりません。

そのため、列車の進行方向に向かう座席を選択する必要があります。私の実感としては、以下の通りです。

・フランクフルト-ベルリン(主にICE):1等はベルリン側にあることが多い

・その他のドイツ国内で完結する系統(主にICE):フランクフルト中央駅基準で1等は駅舎より

・ベルリン-プラハのEC:1等はプラハより

頭端式の駅と通過式の駅

日本の多くの駅は通過式の駅ですが、ヨーロッパの多くのターミナル駅は頭端式といって、ホームの端に駅舎があり、行き止まり式の駅が多いです。

美しい機関車が停車中

写真8. ミュンヘン中央駅の駅舎側から停車中の夜行列車を撮影

ただし、ドイツは通過式の駅もそれなりに多く、主要なターミナル駅は以下のようになっています。

・通過式:ベルリン中央駅、ケルン中央駅、デュッセルドルフ中央駅

・頭端式:ミュンヘン中央駅、フランクフルト中央駅、ライプツィヒ中央駅、シュトゥットガルト中央駅

通過式のベルリン中央駅はとても印象に残る駅です。東西方向の高架線と南北方向の地下線が直角に交じり、巨大な空間を産み出しています。ガラスが多用された駅舎もあいまって、とてもワクワクする空間です。

ベルリン中央駅

写真9. 未来的な印象が強いベルリン中央駅

ベルリン中央駅を楽しむ

ドイツの鉄道旅行で印象に残った場所

ドイツの鉄道旅行で印象に残った場所を記します。クリックいただくと、実際の旅行記を読むことができます。

首都ベルリンのSバーン

首都ベルリンのSバーンは東京の鉄道網のお手本です。そのお手本のベルリンSバーンを堪能しています。

ベルリンSバーンに親しむ(18年ベルリン旅行記)

ベルリンの観光

ベルリンは首都でありながらのどかな雰囲気が漂う独特の都市です。そのベルリンに3泊しました(4日めは7:16発なので、4日めは起きて駅に向かうだけです)。その様子をまとめました。

ベルリン観光のおすすめスポットとモデルコース(18年ベルリン旅行記)

ボッパルト観光

ボッパルトからの雄大なライン川

写真10. 雄大なライン川を眺められるスポット

ドイツといえば、ライン川です。そのライン川を見渡せるスポットがあるのをご存知でしょうか。きっと多くの人は知らないと思います。そんな穴場スポットにも訪問しています。

16年夏ドイツ鉄道旅行記~隠れた景勝地ボッパルトから

ドイツの列車乗車記

ドイツの列車の乗車記を記しています。

ICEの乗車記

そんなフリードリヒ駅をICEが通過する

写真11. ベルリンの中心部を通過するICE

ICEには3回乗っていますが、そのうち最も描写が詳細な記事を紹介しましょう!

フランクフルトからベルリンまでICEに乗る(18年、乗車記)

IC(EC)の乗車記

ICにもいくつか乗っていますが、その中で最も長距離乗った列車を取り上げましょう!ドイツからチェコに入った際の景色の変化には驚きました。

ベルリンからプラハまでEC(国際特急列車)に乗る

夜行列車の乗車記

写真12. ナイトジェットの快適な車内

ドイツには夜行列車がある程度走っています。ウィーンからドイツに夜行列車で入っています。

ナイトジェットに乗る(18年、ウィーンからコブレンツ)

ドイツに関する意外な列車の乗車記

ドイツに入る意外な列車にも乗っています。ハンガリーからスイスだとドイツを通らないような気がしますが、実はドイツを通っているのです。

ユーロナイトに乗る(ブダペスト→チューリッヒ、19年夏)

REの乗車記

ベルリンからシュチェチンまで乗車した列車

写真13. 国境を超えるRE

日本でいう在来線快速にも乗っています。1つは国際列車ですが、ドイツ鉄道運営です。このような経路でポーランドに入る人は数少ないでしょう。

16年夏ドイツ鉄道旅行記~フランクフルトからボッパルトへ(ライン川沿い)

ベルリンからシュチェチン(ポーランド)への鉄道での日帰り旅行

ドイツの鉄道旅行に関する細かくて深い情報のごあんない

ここまで大まかな内容を述べてきました。しかし、それだけでは芸がありません。そこで、ドイツ鉄道旅行の細かな利用場面ごとにその詳細を書きました。狭くて「深い」情報を収録しています。

ICEの時刻表:フランクフルトとケルンの時刻表をまとめた記事

ドイツを代表する経済都市、フランクフルトと、人口密度の高い北西部。北西部の玄関口のケルンとフランクフルトを結ぶ系統はやや複雑で、すぐには理解しにくいです。そのため、私自身の理解も含めてまとめました。

ICEの時刻表:フランクフルトとベルリンの時刻表をまとめた記事

ドイツを代表する経済都市、フランクフルトと、ドイツの首都で最も人口の多い首都ベルリン。その2都市を結ぶ系統は2つあり、すぐには理解しにくいです。そのため、私自身の理解も含めてまとめました。

ICEの時刻表:ベルリンとミュンヘンの時刻表をまとめた記事

ドイツ北東部のベルリンとドイツ南部のミュンヘン。この両都市の距離は長いですが、2017年冬ダイヤより大幅に所要時間が短縮されています。その時刻表をまとめました。

ナイトジェット(中央ヨーロッパの夜行列車)の概要と運転系統の一覧

2016年12月。ドイツ国内のみならず近隣の諸外国にも運転されていた夜行列車ネットワーク「シティナイトライン」が消滅した瞬間でした。しかし、それをもってドイツの夜行列車はなくなったわけではありません。「シティナイトライン」の後継で「ナイトジェット」がかわりに走り始めました。そのナイトジェットの運転系統をまとめたわかりやすいサイトさんがなかったので、私が勝手に作ってしまいました。

ドイツ国内の夜行列車一覧

上記のナイトジェットの他にもドイツ国内の夜行列車があります。そんな夜行列車の一覧をまとめました。

鉄道旅行に当たって入手したほうが良い本

ここまでドイツの鉄道旅行に関する基本的な内容を記しましたが、実際に現地に向かう場合はガイドブックや時刻表は必須でしょう。そんな必携の本をまとめました。

鉄道旅行をするには、やはり王道、地球の歩き方ドイツ版でしょう。カフェ情報のような「女子向け」の内容は薄いですが、旅の教科書という感じがして、頼もしいです。

旅行の手配の際に利用したほうが良いサービス

往復の航空券、現地の宿泊施設、現地のインターネットはあらかじめ日本で手配するのが鉄則です。そうでないと、現地で貴重な観光時間の一部を割いて、手配せねばならないからです。日本であらかじめ手配すれば、現地での時間を観光などに最大限使うことができます。ここでは、そのサービスを紹介しましょう。

航空機の予約

海外旅行だと航空便の選択肢として、「直行便」「乗継便」というのが選択肢に登場します。一般的に直行便が高く、乗継便が安いです。そして、ヨーロッパ旅行の場合、乗継箇所は韓国、中国、ロシア、フィンランド、トルコなど多くの選択肢があります。でも、それだけの選択肢の情報をそれぞれ公式サイトで探すのは大変ですよね?

そこで登場するのが代理店です。代理店であれば、多くの航空会社の情報を知っています(旅行業界に限らず、商社を使うメリットです)。でも、旅行代理店に行くのは大変?そんな場合は、自宅でインターネット上で探してみましょう!

海外格安航空券予約サイト-skyticket.jp-



このサイトであれば、出発地と到着地を入力すれば、価格順だったり所要時間順に航空便を複数教えてくれます。ご自身の希望に合わせて航空便を選択すれば予約完了です!

ホテルの予約

ホテルを探すのも大変です。地球の歩き方先生にホテル情報は掲載されていますが、そこから電話予約するのも大変です。だいいち、日本語が通用しない相手です。

そこで登場するのが代理店です。ここで注意したいのが、日本の代理店を使うことです。日本の代理店であれば、いざという時に日本語で連絡できます(そして、以下のサイトでは「いざ」というときがありませんでした)。

旅行先別★海外ホテルを選ぶ!



このサイトさんは地図からホテルを選択することができますので、非常に助かります。地図上に表示された独自の★の数からホテルを選択できるのです。

インターネット環境の整備

海外で手持ちの電話機でそのままインターネットを利用することは困難です。携帯電話会社と契約し、高額な海外利用サービスを利用せねばなりません。

そんなお金があるのであれば、日本でwifiルータを契約し、それでインターネット利用したほうが良いでしょう。以下の会社の4Gサービスを利用しましたが、特に問題なく使えました。それに本体の重さも軽かったです。

2人以上が同一行程で使う場合、全員で1台のルータを共用することとすれば、価格も抑えられます。

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ドイツに関する記事一覧

ドイツに関する記事一覧はこちらをご覧ください。

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


Omio:ヨーロッパ鉄道旅行交通予約サイト

また、その予約にはクレジットカードが便利です。

個人的にはエポスカード がおすすめです。

海外旅行に使えるカード:エポスカードで詳細を紹介しています。

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