10月3日に1日限りで運転された『くしろ湿原ノロッコ号』川湯温泉延長運転ですが、後篇は復路のノロッコ81号から釧網・石北本線経由で札幌へ戻るまでの行程を紹介します。

 

復路で乗車するのは3号車のオハテフ500-51。

かつては快速海峡として青函トンネルを行き来した車両で、同列車の廃止に伴いノロッコ号の増備車として改造された経緯を持っています。

ノロッコ号車両の中では唯一、51形ではなく本州向けの50系50形(オハフ50)がタネ車の車両です。

 

 

 

折返しまでまだ1時間以上ありますが、車内を一旦締め切る事はしないので私たちは早々と乗り込む事に。

私たち同様に往復乗車という方も結構いらっしゃったかと思いますが、他の方は時間までノロッコ号の撮影や『街ブラ』、はたまた足湯にでも入ったりしていたのかな…?

 

 

 

人がいないのをいい事に、ここで昼食にします。

出発前に釧路駅で購入した釧祥館謹製の『北海道産牛すき重』(税込¥1280)です。以前はお肉系の駅弁がなかったのでラインナップに加わったのは嬉しい限りですが、同様の商品が旭川駅(※釧祥館は旭川駅立売の傘下)でも売られています。

購入の際、レジで北海道キヨスクのPB商品『緑茶うらら』のペットボトルをオマケとして貰う事ができました。

 

 

 

15:00、地元の方々とゆるキャラ『牛山豚彦』さんに見送られて釧路へ向けて出発します。

 

 

 

発車後、車掌が回ってきて延長運転の特別な乗車証明書(下り列車用)と記念品の『葡萄色の旦(えびいろのよあけ)』コースター、併せて通常の乗車証明書(下写真の右下)が配布されました。

 

 

 

15:21に到着する摩周駅では、網走行普通4730Dと交換するため11分停車します。

 

 

 

その11分の停車時間を利用して、『北の大地の入場券』を購入…と思っていたのですが、通常だとみどりの窓口の営業時間は早々と15:10で終了してしまいます。それでもこの日は『北の大地…』購入希望者に特別に改札口にて対応して頂きました(その後窓口でも販売)。

 

 

 

但し…時間内にできるだけ行き渡るように配慮したため、「お1人様1枚」の購入制限が付いてしまいました。私は毎回複数枚購入していたのですが、1枚売って頂けるだけでも有難いと思わなきゃですね。

当駅の券は横長サイズで、図柄は左がアトサヌプリをバックに走行するキハ54、そして右は摩周~磯分内を走行するノロッコ号ですが、私が乗車した去年の延長運転時の写真でしょうか。

 

 

 

交換した4730Dは、7月25日に花咲線で乗車した『流氷物語号』のキハ54 508でした。

 

 

 

摩周駅発車後、牧草地の中に丹頂鶴の姿を見る事ができました。

 

 

 

牧草地には肉牛が放牧されていました。

 

 

 

茅沼駅を通過後、再び湿原区間に入り、釧路川につながる沼や湖の風景が展開します。

 

 

 

延長運転の区間が終わり、16:21に到着する塘路駅では、網走行普通4732Dと交換するため20分停車します。

 

 

 

4732Dはキハ54 517の単行でした。

 

 

 

塘路駅を発車後は、通常のノロッコ号のルートとして釧路川沿いの湿原区間に入ります。

釧路~塘路で『夕陽ノロッコ号』として運転された9月28~30の3日間は概ね天気に恵まれたのですが、今回は結局どんよりとした曇り空で終始し、車窓から夕陽が見られなかったのは残念です。

 

 

 

釧路川と新釧路川が分岐する岩保木(いわぼっき)水門が見える辺りでは、既に日没も過ぎ夕闇の中でした。

 

 

 

夜の帳が降りた釧路市街地に入り、最後の停車駅・東釧路を出て釧路川を渡ると、ノロッコ号の旅はいよいよフィナーレを迎えます。

 

 

 

17:27、出発時と同じ釧路駅3番線ホームに到着しました。

今年は天気が残念でしたが、また来年の運転に期待しましょう。

 

 

 

さて…釧路からは当初、18:59発4012D特急おおぞら12号で帰路に就く予定でしたが、せっかくの6日間パスを有効活用するため18:52発の釧網本線4736Dで帰路に就く旧友と同行し、網走でもう1泊した後札幌へ戻る事にしました。

 

 

 

4736Dはキハ54 519の単行。

車内はキハ183系0番台のリニューアルで捻出されたR51C簡易リクライニングシートの『集団見合い』仕様。

2人利用だし、どっちみち乗客が少ない夜の列車なので中央のBOX席を確保しました。

実際、釧路からの乗客は合計7名程という少なさ。

 

 

 

夕食として釧路駅舎内にあるおにぎり・弁当の店『ばんばん』で購入した釧路ザンギカレーを食べました。

BOX席の大型テーブルは食事をする時に大変便利です。

 

 

 

いくら観光路線の釧網本線といえども、暗闇の中だと流石に退屈なので、時々仮眠しながら3時間余りの旅路を過ごしました。

終着の網走駅1番線には22:03に到着。車両はそのまま22:12発の当駅発最終列車である知床斜里行4737Dとして折り返します。

 

 

 

この時間から列車に乗る乗客もおらず、無人の待合室にはTVの音声だけが響いていました…。

 

 

 

ここで旧友と別れ、私は網走の常宿『東横インオホーツク網走駅前』にチェックイン。

やはりGo To利用で格安で宿泊できました。

 

 

 

そして翌朝。

8:06発の82D特急大雪2号→(旭川乗換)3022M特急ライラック22号に乗るつもりでしたが、想定外に早く目が覚めてしまい、5:56発の72D特急オホーツク2号で一気に札幌へ戻る事にしました。そんなワケで5:30にホテルを後にして網走駅へ。

 

 

 

オホーツク2号の車両は発車の15分前位に1番線に入線します。

始発という事もあり、今回は④号車自由席に乗車しました。

 

 

 

この日の編成を紹介します。

①(指)キハ183-1505 ②(G)キロ182-7553 ③キハ182-507(指/自) ④(自)キハ183-4558☆

なんと、この日は指定席車も含めて普通車全車がN・NN183系のオリジナルであるR55リクライニングシート(元・北斗自由席仕様)の車両でした。特に③号車は9月12日に特急サロベツの代走で乗車しており、その時の記事に「オホーツク・大雪の運用には滅多に入る事はありません。」と記したのですが、ここにきて石北本線特急の運用(※通常は③号車だが、修学旅行団体のため6両の増結編成で運転された10月6~7の両日は⑤号車に連結)に頻繁に入るようになっています。かなりボロボロなだけに、限界まで使い倒すつもりなのでしょうか?

 

 

 

私が乗車した④号車のキハ183-4558は廃止直前だった札幌→釧路の臨時夜行特急まりもで「一夜を共にした」思い出の車両です。

④号車は網走から私の他に1名しか乗っておらず、しかも前夜に釧網本線4736Dに乗っていた方でした。

この後北見や遠軽で若干名乗ってきた程度で、旭川からも前後の特急と時刻が接近しているためあまり乗客が増える事はありませんでした。

 

 

 

私は改札口で一番乗りで並んでいたのをいい事に、展望席の17番A席を確保させて頂きました!

 

 

 

遠軽からは④号車が先頭になるので、前面展望を楽しませて頂きました。その中ですれ違う列車の一部を紹介。

瀬戸瀬駅で交換したDF200-109牽引(プッシュプル運転)の臨貨『タマネギ列車』。

 

 

 

安足間駅で運転停車し、71D特急オホーツク1号と交換します。

 

 

 

東旭川駅で交換するのは上川行普通4523D。

 

 

 

深川駅を発車後、同駅に進入する留萌本線の4926Dと離合します。

 

 

 

11:18、札幌駅3番線に到着、3日間の旅を終えました。

 

 

 

今回帰りは石北本線特急に乗ってきたのですが、この記事を執筆中に旭川発着の大雪が来年3月のダイヤ改正から臨時列車になるというショッキングなニュースを目にしてしまいました。大雪は年間50日程度運転されない日があるという事なので大半の日にちで運転される事になり影響はそれ程でもないと思われますが、コロナ禍の影響は想像以上に大きく、石北本線の定期特急がついに2往復だけという事態になり、臨時列車になってしまえばその後さらなる減便→廃止というケースを多く見てきただけに、他の路線の特急減便同様、最悪な事態にならない事を祈るばかりです。

 

おわり