民鉄の覇者 東京急行電鉄 63、五島ならぬ強盗慶太⑧ (白木屋乗っ取り) | 犬と楽器と鉄道模型

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当時、世間では乗っ取り屋と世間から言われた藤綱久二郎に依る陽和不動産(現、三菱地所)の株買占め事件の衝撃は凄まじかった。


財閥に集中していた金と権力は「知恵と度胸」さえあれば何処の馬の骨がそれを簒奪しても構わないと言う事が明らかになった。
それ以降色々な勝負師が挑み、多くの者が失敗した。


が、これにより「戦国時代」の幕が開け、横井はその返り血を浴びた男であった。
反面、旧財閥側の企業グループ編成を促進させ、(特に三菱グループの団結を進めるキッカケを作った)持ち合い株式時代へ進めて行くと言う結果となった。

 

五島は、新日本興業(現、東急レクリエーション)を傘下に収め、百貨店業では、三越の乗っ取りには失敗したものの、白木屋の乗っ取りには成功する。

 

1952~1955年までの「白木屋デパート乗っ取り事件」に際しては同盟軍を組んでいた日活の堀久作が世論の圧力に負け山一證券へ株を放出する。


この時横井は白木屋の資本金2億円、額面50円として発行済株式総数400万株のうち100万株を買っていた。
されど、総会屋の大物である久保祐三郎の策略に依りこれを全て議決権行使停止の仮処分で塩漬けにされていたのだった。


しかし、横井はこの株を抱えながら当時の価格として4億以上を持ち出し、あくまで買い続けたのは伝説とさえ言われている。
最終的には五島宅への日参に依り、東急の出馬に成功する。
乗っ取りを成功させたが数億の損を出したらしい。


しかし、この凄まじい買いつけに依り、横井はこの一件で当時「希代の仕手屋」(グリーンメーラー)としてその名を轟かせた。

 

【歌川広重「名所江戸百景」に描かれた幕末期の白木屋 Wikipediaより】

 

 

しかし結局の所、濡れ手で栗は東急だった。
東急が業績不振の白木屋を再建する目的で400万株のうち、360万株を買い占めたのである。


結局、白木屋を買収する形を取る事となり、乗っ取り騒動は一件落着した。