【圧巻の14両編成】E257系2000+2500番台が始動!NA-03+NC-32編成試運転

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E257系の東海道線転用の動きが終盤を迎えるなか、付属編成2500番台NC-32編成を使用した試運転が続けられています。

常磐線・宇都宮線での試運転が進められていましたが、10月5日より基本編成・付属編成を併結した14両編成での試運転が始まりました。

E257系修善寺編成の動き

E257系の東海道線転用については、中央線特急あずさ号・かいじ号などで使用されていた0番台9両13編成のほか、房総特急の運用減少で余剰となった500番台5両4編成が対象となっています。

現在はNB-07編成を改造したNC-32編成が7月8日に出場して各種試験に使用されているほか、10月1日にはNB-06編成を改造したNC-31編成が出場しています。更にNB-13編成が秋田総合車両センターに入場中となっており、基本編成を含めて着々と転用改造のゴールが見えてきています。

機器更新工事を施工した車両は新造車両同様に誘導障害試験(走行機器から発せられるノイズが踏切・信号の動作と干渉しないかを試験・終車後に実施するのが一般的)を行いますが、早速8月末に伊豆箱根鉄道での試験を行なっています。

基本編成(2000番台)ではこれが済むまで機関車牽引の配給輸送で移動するなど苦戦している様子でしたが、2500番台は早速自走にてJR管内・伊豆箱根鉄道線全線を走破しています(過去記事)。

試験は順調だったのか、3回目の試験は実施されなかったほか、9月後半には常磐線・宇都宮線で性能確認試運転を実施しています。

大宮総合車両センター東大宮センター内では何度か連結をしている姿が目撃されていたものの、本線上で走行する姿がいつ見られるかが注目されていました。10月5日よりNA-03編成とNC-32編成を連結した14両編成での試運転が宇都宮線雀宮駅までの区間で実施されています。また、10月6日は付属編成単体の時と同様に常磐線にて実施しています。

185系よりは短いものの、JR型最長の14両編成に

現在は185系が最大15両編成で運転されており、国鉄型の生き残りながら堂々たる運転体系が継続しています。

E257系に置き換え後は9+5両の14両編成となり、15号車の表記は見られなくなります。

在来線特急では過去にも長大編成が多数実績がありますが、このうち国鉄分割民営化・JR発足後に開発された車両としては、サンライズ出雲・瀬戸号の285系・フレッシュひたち号のE653系と同様に、JR型最長の14両編成となります。

E653系は新潟エリアでの転用で分割機能を廃された一方で、E257系では転用前より長編成となる珍しい転用となりました。

今後のデビューまでの道筋はどうなる?

2020年3月改正で投入されたE257系2000番台リニューアル車両ですが、スーパービュー踊り子号代替の平日2往復・土休日3往復の投入に留まっています。過去記事でも記していますが、増解結と湘南ライナー運用が混在していることから、今後も段階的な投入は考えにくいところです。

現在は性能確認を目的とした試運転のため、営業エリアである東海道線内ではなく、車両が所属する大宮支社管内での試験となっています。常磐線での試験は東京支社管内となりますが、東海道線で行うと3支社跨ぎになるため、近場で済ませたのでしょうか。一連の試験が終了すれば、乗務員訓練として東海道線を走行する機会が日常となりそうです。

特に乗務員訓練での貨物線走行なども期待したいところですが、2000番台と取り扱いとしては共通事項も多いため、田町運転区と東京車掌区・国府津運輸区・熱海運輸区の乗務員訓練は本線上で実施せずに各車両基地内での現車訓練に留まる可能性が考えられます。

一方で、E257系の運転自体が初となるJR東海・伊豆箱根鉄道では実際に2500番台を借り入れて乗務員訓練を複数日実施する可能性が高そうです。

熱海駅での増解結作業の取り扱い・過去の伊豆急行線乗務員訓練の動きなどを考えると、国府津車両センター発着で土休日の踊り子臨時便のダイヤを平日に使用して行う……といった動きが想像しやすい一方で、過去のE231系・E233系のようにJR東海の車両基地に取り込んで東海道本線内の走行をすることも十分に考えられます。

特に修善寺編成は4編成という所帯から団体臨時列車での使用は考えにくいため、三島駅以西を走行する場合はかなり貴重な光景となりそうです。

改造で外されない電気連結器の不思議

E257系2500番台の転用改造では、基本編成側(9号車)に車両間の通り抜け用の幌を設置している一方で、付属編成の14号車側では500番台由来の幌を撤去しています。

これにより5+5両編成での運用は想定されていないものと考えられる一方で、密着式連結器の下側に付いている、編成間で各種車両制御の指令を連動させる電気通信を行う“電気連結器”は設置されたままとなっています。

関東圏では、増解結運用を行わない編成の電気連結器を撤去した東武鉄道のような例もある一方で、JR東日本ではE217系・E233系8500番台(ナハN36編成)、そして現在長野にて転用改造を行なっているE231系の元マト118編成も電気連結器は使途がないまま維持される例が多くなっています。

推測の域を出ませんが、鉄道部品の中でも特に車両の挙動の根幹に関わる配線が通っているため、撤去工事の煩雑さと検査時の手間を天秤にかけ、前者を選択しているものと考えられます。

一方で、E653系の新潟エリアへの転用では電気連結器を撤去しているように、JR東日本は必ず維持する……というわけでもなさそうですので、用途や寒冷地対応などの複雑な背景のなかで決定されているのでしょうか。

ファンにとってはかつての活躍の歴史を残すアイテムとなりますので、トマソンのような電気連結器の存在も列車の表情にアクセントを加える存在として楽しみたいところです。

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今回のお写真は、フォロワーのりばすぺ様(@nikko205gurashi)から許可をいただいて掲載しています。

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