京都駅からはバスに乗って移動します。
乗車するのは京都市バス206系統。ですが…
全然並んでいない…!?
この206系統、清水寺・祇園といった京都の主要観光地を経由するため、普段は京都駅の乗り場には観光客で長蛇の列ができており、観光シーズンともなれば凄まじいことになります。
当然土曜日であるこの日も列ができていると思いきや、全く並んでないので驚きました。
やはりこれはCOVID-19の影響なのでしょうね…
そんないつもとは違う206系統に乗車すること十数分。
東山安井で下車します。
バス停からほど近く、向かうのはこちらです。
安井金比羅宮。
京都一の縁切り神社として有名です。
参道を歩いていきます。
白い岩のようなものが。
こちらが有名な「縁切り縁結び碑」。
縁切り・縁結びの願いをこめてここをくぐります。
作法は神社のHPに書いてありますのでご覧ください。
206系統のバスは空いていましたが、ここには次から次へと人がやってきます。
縁切りの需要は高いんですね…
東山安井から再び京都市バスに乗り、京都の中心部、四条河原町へ。
少し歩いて訪れたのはここ。
抹茶館というお店です。
以前京都を訪れた際にバスの中からこの店に行列ができているのを見て、行ってみたいと思っていました。
運のいいことに待たされることなく注文をすませ、2階へ。
今回はこちらの抹茶館パフェ、
そして抹茶ティラミス(抹茶付き)をいただきます。
京都のスイーツって感じで人気なのも頷けますね~
人気店なので並ばずに済んでよかったです。
ちなみにここ、幕末の志士、中岡慎太郎の寓居跡だそうです。
思わぬ歴史スポットですね。
続いては10番に乗車します。
京都市役所の前を通って妙心寺北門前というバス停で下車します。
大本山妙心寺。
内部はたくさんの塔頭が立ち並んでおり、さながら一つの街のようになっています。
そんな中、今回は「京の冬の旅2019」で特別公開された仏堂と「明智風呂」を見学します。
まずは仏堂。妙心寺の本堂にあたり、 蓮の花を手にした「拈華微笑」の本尊・釈迦如来坐像と今年の大河ドラマの主人公・明智光秀の位牌を見ることができました。
※残念ながら内部の写真撮影はできませんでした。
そしてこちらが明智風呂(※内部撮影可)。
さっそく中に入ってみます。
まずは脱衣場として使われていた部屋に通されます。
こちらで説明を受けて…
いよいよお風呂とご対面。
とはいえ、この時代のお風呂は蒸し風呂。湯船はありません。
以前訪れた名古屋城の湯殿書院もこの蒸し風呂タイプだったのを思い出します。
(参考) 2019年9月20日撮影の名古屋城湯殿書院の湯殿屋形
その時の様子はこちらから
明智風呂の使い方は、まず外から水を取り入れ、
その水を温め、
上の口から注ぎます。
下では火を焚いてお湯を蒸気に変え、蒸風呂を温めます。
実際に人が入るのは中段。上段と下段は温度調節用です。
内部はこのようになっています。下から蒸気が立ち昇り、内部を温めていたようです。
蒸し風呂から上がると手前の床で、お湯で身体を流していたそう。
身体を洗った水が流れるように床に傾斜をつけていて、ここの溝から排水するようになっています。
その近くには床にくぼみがあります。
ここは明かり取りのろうそくを置いていた場所だとか。
さて、最後にここが「明智風呂」と呼ばれている理由ですが…
それは、この風呂が明智光秀を弔う意味で建てられたものであるため。
光秀の母方の叔父である密宗和尚が妙心寺の塔頭におり、山崎の戦いで敗れた光秀がここを訪れます。
光秀は自刃しようとしますが、密宗和尚はそれを押し留めます。光秀は自分の菩提を弔ってほしいといくらかの金品を密宗和尚に託し、妙心寺を去りました。
その後、密宗和尚は光秀の菩提を弔うためにこの風呂を作りました。
では、なぜ菩提を弔うために風呂を作ったのか…?
案内をしていた方によると、当時光秀は豊臣家にとって罪人であり、菩提を弔うために建物を建設したりすることは難しかったとのこと。
しかしながら修行のために風呂を作るといえば何も問題はなく、密宗和尚は光秀から託された金品を使って風呂を立て、菩提を弔うことととしたのです。
なお、現在の風呂は1587年に建設された当初のものではなく、1656年に改築されたもの。
風呂としては1927年まで使われていたそうです。
普段は非公開の明智風呂。
そこには明智光秀と密宗和尚との知られざる物語が隠されていました。
明智風呂の見学を終えたあとは妙心寺の敷地をそのまま通り抜け、妙心寺前バス停へ。
そこから京都バスで次の目的地に向かいます。
★乗車データ
京都市営バス 206系統 北大路バスターミナル行き 京都駅前→東山安井
京都市営バス 80系統 太秦天神川駅行き 東山安井→四条河原町
京都市営バス 10系統 山越中道行き 四条河原町Aのりば→妙心寺北門前
京都バス 63系統 三条京阪行き 妙心寺前→新町御池
※2020年2月29日乗車
次回
前回