当ブログでは滅多にバスの話をしないが、今回は昨日2020102日で姿を消したバスに乗ってきた話をする。

 

(ダイヤ改正は105日だが平日のみ運行のため金曜日が最終日だった)

 

 

阪急バス・阪北線13系統とは

阪急バスでは大阪北部の豊中市付近を走るバス路線を「阪北線」と総称している。豊中市日出町には阪急バス本社もあり、戦前には池田や宝塚に乗り入れる系統もあったので重要な路線だった。しかし、阪急宝塚本線やJR宝塚・福知山線の利便性が向上したこともあり、年々縮小が続いている。

 
 
 

 

この「阪北線」には豊中から千里中央に向かう系統や梅田駅から日出町(阪急バス本社前)を経由して園田駅に向かう系統があるが、今回は梅田駅から日出町、豊中駅を経由して箕面駅へ向かう13系統の話になる。

 

はるか20年前の2000年(平成12年)以降は箕面駅への乗り入れが平日のみとなり、2013年に増発はあったものの、今回2020105日改正をもって13系統は姿を消す。新大阪〜日出町〜豊中駅(平日1往復のみ箕面駅乗り入れ)の50系統に再編される。

 

箕面駅から1時間半の旅

 

阪急箕面線で箕面駅へ向かった。4両編成にも関わらず、子会社・能勢電鉄と違って車掌さんがいる。今後このあたりに変化はあるだろうか。

 

箕面駅へ着くと平日昼間にも関わらず、かなりの大混雑で駅に大量の人が吐き出され、阪急バスロータリーへ向かうが、幸い大多数の人はロータリーより奥へ消えていく。バスが混むことはなさそうだ。

 

発車待ちの間、おじいさまと運転士さんが会話に興じていたので私も入って色々話す。やはり近年は長区間を乗り通す人が少なく、コロナの影響でさらにそのような客が減ったことで思い切った見直しに踏み切らざるを得なくなったそうだ。今回の阪北線見直しで、路線バスによる新大阪駅〜大阪国際空港(伊丹空港)の路線も姿を消すとのこと。

 
 

時間になった。おじいさまはベンチでバスを見送り、運転士さんは運転席へ、私は客席へ向かう。

 
▲13系統を追いかける千里中央行き(?)の阪急バス
 

箕面始発時点で11人乗っていたところ、野畑住宅前で3人乗ってきた。春日町四丁目で1人降りた。宮山で1人乗ってくる。時間柄高齢者が多い。桜井谷で1人下車。柴原で1人入れ替わる。柴原口でも1人乗ってくる。走っている豊中亀岡線はかなり狭い道だが、柴原口バス停付近だけ道が広い。大阪外環状線と接続しており、大阪モノレール柴原阪大前駅への乗り換えは柴原口がわかりやすい。

 
 

なお、これまではこのように大阪モノレール柴原阪大前駅を通らない系統があったが、105日以降は全てのバスが柴原阪大前駅を経由するか、ここで折り返すことになる。

 

 

豊中本町四丁目で2人降りたのち、豊中駅降車バースに1252着。乗車バースに改めて1253へ入る。57分発車まで小休止。ほとんどの客がPiTaPaかハニカ(阪急バスの独自icカード)などのICカードを利用しており、その音ばかりが響く。

 

 

豊中駅で阪急線に乗り換えるからか、若い人は皆降りてしまい、ここから先へ乗っているのはシニア層ばかりとなってしまった。若い人は電車や自転車に乗ったり、同じ阪急バスでも千里中央行きなどを待つ人が多い。

 

 

改めて国道176号へ出る。ここからは片側1車線ながら柴原付近と違い、歩道もあるきちんとした道だが、横断歩道も無いのにバスの前を横断するおじいさんがいてそこまで速く走れないのは残念だ。 

 

それにしても豊中駅でそれなりに乗ってきた人がどんどん降りていく。それなりに席が埋まるかどうか位は混んでいたが、稲津で15人ほどとなっていた。豊中駅を超えた人はいるが、気がつけば箕面から乗ってきた人はほぼ皆無である。これは箕面から直通運転する必要は無いだろう。

 

 

庄内東1丁目でも3人、庄内で3人降りる。

 

箕面12:30発で庄内へは13:17着でここまで47分。朝の阪急箕面線には梅田直通電車があるが、箕面7:07発の普通電車は石橋阪大前などの停車時間を入れても7:32に庄内に着き、ここまで25分で着く。このため、バスは電車の倍近くかけて走っていると言える。そう思っていると真上でヒコーキが超えていった。

 

 

 

 次の日出町は阪急バス本社前。ここは豊中営業所もあるので、乗客2名ほどと共に箕面からの運転士さんが別の方に交代された。12分ほどして発車する。

 しかしもうじき営業所は十三に、そして本社は曽根付近の阪急宝塚本線高架下(阪急オアシス本社の近く)に移転するので、ここも本社最寄では無くなるようだ。阪急バスは先日の塚本線廃止と今回の阪北線見直しにより、一大転機を迎えることになる。

 

 その現在の本社跡地は道路拡幅の用地となり、中長期的には兵庫県内を走る山手幹線がこの跡まで繋がることになるはずなのだが、阪急神戸本線との交差部分がネックとなっている。
 
 
新三国橋を渡ると大阪市内。片側2車線なので走りやすい。野中北一丁目で何故かバイクの運転手さんからICカードを受け取っておばちゃんが乗ってきた。

 十三バイパスを進み、十三駅を見ながら阪急神戸本線を乗り越えると十三バス停となる。

 三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそなと都市銀行が全て集結しており、大都会大阪といった感じだ。

 
 

 何度か徒歩や自転車でも渡ったが十三大橋を渡るともう大阪の都心へ近づく。転換クロスシートの8003Fの特急大阪梅田行きが神戸本線を進んでいく。

 

 

 高架橋上の「済生会病院前(ちゃやまちアプローズ)」バス停、というより阪急阪神ホールディングス本社前(?)バス停で1人だけ降ろすと、次はいよいよ終点「梅田(阪急百貨店前)」だ。

 

それなりに降りる人も待つ人もいたが、敬老乗車証が使える「大阪シティバス(かつての市バス)」も並行しており、鉄道の駅までも歩けるので、豊中〜梅田を阪急バスとして残す必要性は無いのだろうか。

バスは大阪環状線ガード下で乗客を下ろし、時間になると少し阪急百貨店側へ進んで乗客を乗せる。そして、また箕面へ向かっていった。

先述の箕面→大阪梅田間直通列車(平日のみ)は箕面7:07発、大阪梅田7:43着で所要時間は37分、昼間の箕面12:30発(今回のバスと同じ)普通石橋阪大前行きに乗ると石橋阪大前乗り換えで12:55に大阪梅田に着く。
 
バスの所要時間は1時間15分ほどと、直通電車の倍、急行乗り換えの3倍もかかる。電車もカーブや駅数が多くて大して速くないのにこの様子なので、バスは相当遅い乗り物だと実感する。
 
もちろん、遅い=価値がないと言うわけではないが、実用的には乗り通すものではないだろう。

 

感想

野田阪神から神戸税関前へ向かう阪神バスが姿を消すなど、路線バスの路線短縮・系統分断・路線廃止は鉄道の比でないほど激しい。

バリアフリー面では路面から乗れるのは優れているものの、速度面では鉄道や車に敵うことはないため、今後もこのような再編は続くだろう。しかし、駅前ロータリー乗り入れによる乗り換え改善や鉄道空白地域の救済など、まだまだバスにできることは沢山ある。今後もバスには厳しい局面が続くが何とか頑張ってもらわないと。

 

また、先述のように阪急バスは二回の路線再編に豊中営業所の大阪営業所への移転、そして本社移転と節目を迎えた。バスはあまり守備範囲内ではないが、今後の動きが気になるところだ。