わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

鉄道&代行バスで大分から久留米へ九州横断! 令和2年7月豪雨の爪痕残る久大本線のいま【2020-09九州6】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出掛けた3泊4日九州一周旅の第6弾記事ということで、2日目の午後、大分駅からのスタートです。

前回は特急〔ソニック25号〕で博多→大分を移動してきたので、そちらの様子も是非以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年9月12日(土)③

博多からの特急〔ソニック25号〕で、終点の大分駅には15:00に到着。引き続き日豊本線で宮崎方面へ向かうには、15:04に発車する特急〔にちりん17号〕宮崎空港行がありますが、今回はそれには乗らず、ここから久大本線の方面へと向かっていきます!

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大分駅といえばこの大きな発車標

大分駅といえば、改札を入ると目の前に見えるこの大きな発車標が特徴です。2012年に高架化され、比較的駅構内の設備が新しいこの大分駅には、日豊本線久大本線豊肥本線の3路線が乗り入れます。久大本線豊肥本線はどちらも九州を東西に横断する路線ですが、一方で度重なる自然災害の影響で長期不通に見舞われている路線でもあります。豊肥本線は2016年4月の熊本地震の影響で長らく不通区間がありましたが、2020年8月8日に全線で運転を再開し、〔九州横断特急〕〔あそぼーい!〕が熊本~大分~別府駅間で直通して運行されるようになりました。全線再開を記念して、現在「スイッチオン!豊肥本線プロジェクト」も展開されています。

一方、今回乗車するのは「久大本線」。久留米と大分を結ぶことからそう名付けられました。こちらは2017年7月の九州北部豪雨により一部区間が不通となりましたが、懸命な復旧作業が実を結び1年後の2018年7月に全線で運転を再開しています。「久大本線ぜんぶつながる」をキャッチコピーに展開された観光キャンペーンは当時大きな話題を呼びましたが、その2年後、2020年7月の「令和2年7月豪雨」の影響で、再び一部区間が不通状態となってしまい、現在に至ります。

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久大本線不通区間(2020.8.29~)

今回訪問時の不通区間は、上図の通り。豊後森庄内駅間がバス代行輸送となっています。7月の災害発生直後は一時日田~向之原駅間で運休となっていましたが、その後少しずつ復旧作業を進め、2020年8月29日以降はご覧のように不通区間豊後森庄内駅間まで短縮されています。少しでも再開できる区間は再開していくということのようで、みなさんも利用される際は最新の情報にご注意ください(代行バスの時刻も度々変更されているようです)。

2019年2月には、全線で復旧していた久大本線を乗り通していますので、その様子は以下の記事からもご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

2020年9月、今回の訪問時は一部区間がバス代行輸送となっている状態ではありますが、そんな久大本線の「いま」を見つめるべく、これから久大本線の列車とバスを乗り継いで大分から久留米方面へと抜けていきます。

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現在は庄内まで

それでは、大分駅7番線より、15:13発の庄内行に乗車していきます。「庄内」と聞くと東日本住みの私は山形県を思い浮かべてしまいます。久大本線最大の観光地ともいうべき「由布院」まではつながっていないわけですが、豪雨災害前は一部の特急〔ゆふいんの森〕〔ゆふ〕が由布院駅よりも先の大分・別府方面へ運行されていました。現在は庄内~大分駅間の全列車が普通列車のみの運行となっています。

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キハ125系

停車中の黄色一色の「キハ125系」というやつに乗り込みます。定刻通り大分駅を発車。

大分駅発車後、列車は右に大きなカーブを描き、日豊本線と分かれていきます。大分~庄内駅間は約40分。各駅に停車していきます。2両編成で、大分を出発した時点では全区画に人がいる+立ち客多数といった様子。ボックスシート主体で、空席もあるにはありますが新型コロナウイルスを気にして相席を嫌う人もいらっしゃるでしょうからしばらくは立って乗車します。

ほどなくして空席は増えていき、着席できたと思ったら終点の庄内駅に到着です。15:54にゆっくりと入線していきます。

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ここで代行バスに乗り換え

本来なら何ということはないただの途中駅のはずの庄内駅で、今回は列車から代行バスへと乗り換えます。ものすごく大きな駅というわけでもないのですが、しかし駅前には商店や民家等が密集しており、集落の中心部分としての役割はしっかり果たしている駅のようにも見えます。

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駅舎はちゃんと立派

しっかり大きな駅舎がありますが、駅員さんが常駐しているわけではない(?)様子です。1日の乗降客数は約220人とのこと。

駅舎を出ると、目の前にはっきりとわかりやすく代行バスが停車していました。

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久大本線代行バス 庄内→由布院

窓には大きく「JR代行バス 由布院駅行」と掲げられています。大分交通の路線バス車両で、乗車の際に乗車券類の確認は行われず、前後どちらのドアからでも乗車可能となっています。先ほどの列車からの乗客がほぼ全員このバスに乗り換えますから、バス車内はそこそこ混雑していました。私も座席には座れず、しっかり吊革につかまりながら立って乗車します。

16:04、バスは定刻通り庄内駅前を発車。乗り継ぎ時間が10分あったので特に急ぐ必要はありません。

久大本線の不通区間豊後森庄内駅間ですが、このバスは途中の由布院駅までで、由布院駅からはまた別のバスに乗り換えとなります。途中各駅前に設置されたバス停が列車代行バスの乗り場としても機能しているわけですが、途中からの乗降はほとんどありませんでした。それでも各駅到着時は、運転手さんが「○○駅到着です」というアナウンスをしてくださいます。

また車内の様子を見てみると、地元の高校生が多く、土日ですが観光客はあまりいない様子です。大分~由布院は本来そこまで遠くなく、由布院への観光客もそれなりにいるかなと思いましたがそうでもありませんでした。やはり由布院へのメインルートは博多から久留米経由で久大本線に入るルートか、或いは別府~由布院を結ぶバスなのかもしれません。

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由布院バスターミナルへ到着!

揺られること約20分、16:27に定刻通り終点の由布院に到着です! 乗車券類はバスを降車時に確認ということなので、「みんなの九州きっぷ」の券面を見せればOK。

由布院では、駅の目の前をバスが発着するのではなく、そこから数十メートル離れたバスターミナルへと到着します。まぁほぼ由布院駅の目の前のような至近距離ですが。

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個性的な形の由布院駅

久大本線で最大の観光地である「由布院」へは、通常ならば博多方面から久留米を経由して特急〔ゆふいんの森〕〔ゆふ〕が何本も乗り入れています。駅のホームに足湯があることでも有名ですが、その足湯を今使えるのかどうかはちょっとわかりません。現在は由布院駅に列車が発着することは全くないので、駅に出入りする人の姿もまばらです。

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由布岳も見える

駅舎の反対側を向くと、まっすぐ飲食店や土産物屋等が立ち並び、その向こうには由布岳も見えています。あいにく上の方は雲で覆われていますが、それでも1年半前に来た時は雨でかなり天気が悪かったので、それに比べればだいぶマシです。

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由布院豊後森代行バス

観光、ショッピング、温泉などなど由布院の楽しみはたくさんありますが、今回の由布院の滞在時間は何とわずか8分。足湯すらも入れず、由布院バスセンターから接続する豊後森行のバスに乗り込みます。今度は「亀の井バス」という会社が運行する列車代行バスで、豊後森駅から先は博多行の特急に接続することから、由布院豊後森駅間をノンストップで運行する「特急代行バス」となっています。もちろん時間帯によっては各駅停車のバスもありますが、今回は豊後森から引き続き特急に乗り継ぐので、このバスを利用していきます。

乗車時に「みんなの九州きっぷ」を提示して車内に入ります。特急は豊後森以東が運休となっているのでこの区間の指定券は発売できないでしょうから、特急代行バスといえどもこの代行バスには有効な乗車券のみで乗車できるものと思われます。

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短い区間でも高速道路を利用

このバスは、終点の豊後森駅で博多行の特急〔ゆふいんの森6号〕に接続します。そのため車内の乗客はほとんどが観光客で、スーツケースなどの大きな荷物をトランクに入れる人も非常に多い印象でした。

バスは定刻通り16:35に由布院バスセンターを出発。すぐさま湯布院ICへと向かい、大分自動車道に入ります。

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大分自動車道を疾走

先ほどまでの代行バスとはうってかわって、こちらは大型の観光バス仕様ということで、何とバスガイドさんによる観光案内までなされていました。おそらくは観光特急である「ゆふいんの森」で提供されるサービスになるべく近いものを…ということでこのようにしているのかもしれません。車内にはUSBポートもあり、モバイル機器の充電も可能となっています。

バスガイドさんからの案内でもありましたが、よくこの地域の呼称として「布院」と「布院」の2種類の漢字が用いられます。駅は「由」ですが高速道路のICは「湯」が用いられており何ともややこしいと感じる人が多いポイントですが、これはかつて「布院町」と「湯平町」の2つがあったことから始まります。それらが合併した際に湯平の「湯」と由布院の「布院」を組み合わせたことで「布院町」となりました。要は完全に造語として生まれた地名なのですが、たまたま読み方が同じ「ゆ」だったために、耳で聞いただけでは町名に変化がないように聞こえてしまうというわけです。

なおその後、2005年に湯布院町は周辺の自治体と合併し「由布市」となります。これにより市町村としての「湯布院町」は消滅しましたが、現地では今でも「布院」という呼称が地名として広く用いられているほか、駅名にはそのさらに前の「布院」が今でも用いられているというわけです。

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豊後森駅に到着!

そんなことを考えているうちに、玖珠ICで高速道路を降りて、由布院駅から約25分の乗車で終点の豊後森駅に到着。時刻表上は17:14頃の到着という風になっているのですが、実際は17:00頃とかなりの早着になりました。高速道路の渋滞を見越してダイヤが組まれているようですが、実際には道路の混雑等は特に無くスムーズにやってこれた形です。

ほぼすべての乗客がここ豊後森駅にて、接続する〔ゆふいんの森6号〕へと乗り換えることになります。待合室は大きな荷物を持った人たちでごった返していましたから、私は駅前のベンチに腰掛け、大分グルメを味わいます!

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元祖塩から揚げ(1個80円)

大分駅でわずかな乗り換え時間の間に改札外のアミュプラザ大分で購入していた「元祖塩からあげ」(1個80円)です。大分といえば唐揚げや鶏天等の鶏料理が有名ですが、今回は大分駅での乗り換えがわずか13分しかなかったので、改札を出て左側に進んだところにある「ポッポおじさんの大分からあげ」というお店でこの唐揚げを3つ買っておきました。こんがりきつね色に揚がっていて、一口食べるとジューシーな旨みが口いっぱいに広がります! 買ってから2時間ほど経過していましたが、これは冷めても本当に美味しい! 是非みなさんも大分へ行かれた際は食べてみてください。

ちなみにこれ、大分→庄内へと向かう普通列車の中で食べようと思い買ったのですが、思っていた以上に匂いが強烈で(そりゃそう)、列車の中で食べるには向かないなと思い、乗り換えに時間のある駅があればそこの屋外で食べようと思ったわけです。庄内でも由布院でも乗り換え時間がわずかでしたから、結局ここ豊後森で食べることに。豊後森駅の前で青空の下、唐揚げを食べる人はそうそういないでしょう(笑)。

唐揚げを食べ終わり、まだ時間があるようなので少し豊後森駅周辺を散策してみることに。

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逆光ぅぅぅぅぅぅ

駅から歩いて300メートルほどのところには、何と「豊後森機関区」の跡が公園として整備され残されています。かつて久大本線で活躍したSLも保存されており、扇形の機関庫はスケール満点です。

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近くで見るとよりスケールが伝わる

戦前に造られたこの機関庫は、第二次世界大戦の最中に軍事輸送の拠点ともなっていたことから米軍機の機銃掃射の標的となり、職員の方が複数名亡くなられたという痛ましい過去もあります。1971年に現役の機関庫としては廃止となりましたが、2001年に地元の有志によって保存委員会が結成され、2009年に「近代化産業遺産」に認定され今に至ります。

近くには「豊後森機関庫ミュージアム」もあるようですが、私が訪問した際は既に閉館時間を過ぎていたようです。

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豊後森駅も見える

公園からは、豊後森駅のホームや停車中の列車が見えます。この公園は駅の東側にあるため、私が今立っている踏切にはしばらく列車が通っていないと思われます。これから乗車する「ゆふいんの森」が既にホームに停車しているようなので、急いで駅へと戻ります。

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豊後森17:34発 特急〔ゆふいんの森6号〕博多行

こちらが、豊後森17:34発の特急〔ゆふいんの森6号〕博多行です。深緑色のお洒落な観光特急で、今回が2度目の乗車となります。5両編成で全車指定席での運行となっており、通常は由布院駅が始発のところ今回は豊後森始発としての運行になっています。

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方向幕はシール?

通常は側面の表示が電光掲示となっていますが、豪雨災害以後は写真のようなシールを上に貼り付け、博多~豊後森駅間のみでの運行となっています。由布院まで行かずに「豊後森」までしか行けないというところで、鉄道ファンの間では「特急ぶんごの森」とも呼ばれるまでに(笑)。

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車内はガラガラ

乗車口でアテンダントさんに出迎えられ、さっそく車内へ。5号車に乗車しましたが、何と車内はガラガラでした。先ほどまでの特急代行バスにはたくさんの人が乗っていたはず…ですが、やはり列車の座席数に置き換えてみれば各車両に分散して大したことないのでしょうか。5両編成ということでバスに比べればかなりの長編成となり、輸送力の差を実感します。

列車は定刻通り17:34に豊後森を発車。ゆっくりとした動きだしで、久留米・博多方面へと向かっていきます。私は終点の博多までは行かず、途中の鳥栖で降りることにします。

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シックな色合いの座席

5号車の座席は外観と揃えて緑を基調としたシックなモケットが大人の落ち着きを感じさせます。窓のシェードがすべて閉まっているのは、おそらく豊後森駅での停車時間中に陽の光が差し込んで車内の温度が高温になるのを防ぐためでしょう。

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4号車はだいぶ異なった雰囲気

隣の4号車も相変わらず人の姿はまばらでしたが、シートモケットの色から床のデザインまで、かなり5号車とは異なる印象でした。何となくこちらの方がJR九州らしい印象で、きっと後年にリニューアルでもされたのだと思います。

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雨がすごい

外の天気もこれまたかなり変わりやすいようで、今回の旅では別府で降っていた雨が大分に着くころにはやみ、豊後森では小雨ののち、ゆふいんの森の車窓から眺めるとかなりの大雨となっています。

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ティータイム♪

また、「ゆふいんの森」の3号車にはビュッフェがあり、ここで様々な飲食物やグッズ等を販売しています。今回は列車内で優雅なティータイムを味わうべく「ゆずみつスカッシュ」(350円)「お濃茶アイスクリーム」(400円)を買ってきました。お濃茶のアイスは1年半前にも食べてとても美味しかったので、今回も迷わず購入。

「ゆずみつスカッシュ」は、ゆずの風味がみつの甘さでまろやかになり、とても飲みやすい炭酸飲料でした。ゆずが好きな人はもちろんですが、ゆずの独特の風味が苦手という方にも美味しく味わっていただけるのではないかと思います!

お濃茶アイスはもう安定の美味しさですよ(笑)。美味しいとわかっていても一口食べた瞬間に「美味しい」という感想が飛び出します。お濃茶なのでとにかく濃厚なお抹茶の風味を存分に味わうことができ、大満足の一品でした。

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大雨で増水した三隈川

列車は玖珠川、その先三隈川に沿って進み、天ヶ瀬や日田に停車していきます。日田からはかなりの乗車がありましたが、それでも車内が混雑することはありませんでした。

日田より先はすっかり日も暮れ、だんだんと線路沿いに建物が増えてきて平地になってきたところで、久留米に到着。久大本線はここまでとなり、ここから先は鹿児島本線に直通していくことになります。

だんだんと終点の博多が近づいていくにつれ、列車内では大きなゴミ袋を持ったアテンダントさんが車内を巡回しゴミを回収して回ったり、記念撮影パネルや記念の飴を配ったりとかなりいろいろなサービスがありました。車内のスタンプは新型コロナ対策で押印できず、ビュッフェで「スタンプください」とお願いすると押印済みの記念乗車証を貰うことができます。

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鳥栖で下車

そして列車はあっという間に、18:55に途中の鳥栖駅へと到着です。鹿児島本線長崎本線が乗り入れるこの主要駅で私は下車。ちなみにビュッフェの営業もこの鳥栖までなのだそうです。

この先はわずかな乗り換え時間で次なる列車へと乗り換えていきますが、今回はここまで!

この続きは次回ご紹介していきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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