皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

今日は雨が上がりましたが日曜日で子供達がチョロチョロしていますので模型の加工は夜にしましょう。時間が中途半端なのでTomix製の各種小セットのレビューをしてみたいと思います。

 

まずは飯山色セットです。

 

飯山色セットは確か単品の品番が8000番台になるリニューアル前の製品だったと思います。イマイチ記憶にありません。製品は線バネのTNになっており少々古い製品かと思います。

 

この頃のTomixさんはJR東日本管内のキハ58系も色々と製品化していました。しかしTomixさんがキハ58系をHG仕様で発売した当時JR東日本管内のキハ58系は機関換装を終えており、原形エンジンのまま製品化された模型を見てもしっくりこないものでした。まぁ模型ですから仕方ないのですが。しかも当時は単品の製品をそのまま塗り替えるというものが多く、色々突っ込みどころ満載でした。その分ディテールや細部の仕様にこだわる人は自分で改造しましょうという思想なのでしょう。まぁ模型なので当然と言えば当然なのですが。

 

ではキハ58系飯山色のレビューをしてみたいと思います。製品の元ハコはウチの整理方針ですでに捨ててしまいました…。写真くらい撮ればよかったですね。

 

↑こんな感じで長野周辺の車をまとめて入れてます…。

 

ではキハ58系飯山色を見てみます。実は既に2か月前の購入時に基本整備を行った後でした。当時は製品1つ1つ写真を撮ってレビューするなんて考えてもいませんでしたから…。

 

↑色合いと言い、ぱっと見の出来はまずまずなんですがね。

 

 

↑キハ58です。 押さえるべきポイントとしては、冷房車で通風器6個、運転席窓バランサー点検蓋が有るタイプです。また模型では機関は原形のDMH17Hのままで、側面の機関冷却水給水口も付いています。

 

以上の特徴から、まず機関換装前の状態であることが分かります。

 

当時の長野のキハ58系の配置を見てみますと、

 

1990年4月1日(機関換装開始直後)

キハ58 冷房:402、403、404、410、411、425、710、1022(403以外原形エンジン)

キハ58 非冷房:418、460、525、637、681、695(原形エンジン)

 

1992年4月1日(機関換装完了後)

キハ58 冷房:402、403、410、411、425、427、710(カミンズエンジン)

キハ58 非冷房:681、1040(カミンズエンジン)

キハ58 非冷房:460、590、637、695(保留車:原形エンジン 廃車予定)

 

となっています。模型では原形エンジンがモデルなので、1990年時点での姿という事になるでしょう。

1990年時点の配置は5次車(401~440)が6両、11次車が1両(710)、14次車が1両(1022)となっています。一方模型に該当する9・10次車(549~654)は長野には配置されていません。11~13次車は冷房化時にデッキの通風器が撤去されるケースが多く、この場合は模型の姿でも再現可能ですが、残念ながら長野配置の710番はデッキ通風機残置車です。

 

↑元長野のキハ58 710です。デッキ上の通風器は残置されています。

 

しかも都合の悪いことに、飯山色は屋根上まで塗り分けられており、このデッキ上の通風器は塗装せねばなりません。ちょっとハードルが高いです。

 

長野の多数派は400台の5次車(402・403・404・410・411・425)ですが…

↑キハ58 410です。5次車は運転席窓バランサー点検蓋がありません。模型のものを削る必要がありますが、そうすると全塗装しなおしになり意味がありません。

 

残るは14次車の1022ですが、こちらは便所窓が横長の小窓になった車ですので、これも再現しようとすると車体への加工が必要で全塗装が必須となってしまいます。

 

よって、比較すれば屋根上に通風器を増設する710が一番簡単になると思います。とは言っても通風器をあらかじめ塗装し、屋根板を傷つけないように穴を開け、接着剤をはみ出させないように通風器を設置しなければなりませんが。

 

では次にキハ28です。こちらはもっと深刻です。

 

↑こちらも単品の製品と同じで、冷房車で通風器6個、運転席窓バランサー点検蓋が有り、機関冷却水給水口が前位寄りにあるタイプです。また模型では機関は原形のDMH17Hのままです。よって単品と同じく9次車に該当します。

 

キハ28の長野における配置状況を見てみます。同じく機関換装が開始される直後の1990年4月と、機関換装完了後の1992年4月で見てみます。

 

1990年4月1日(機関換装開始直後)

キハ28 冷房:2151(原形エンジン)

 

1992年4月1日(機関換装完了直後)

キハ28 冷房:2103、2301、2363、2364、2382、2383(カミンズエンジン)

キハ28 冷房:2151(保留車:原形エンジン 廃車予定)

キハ28 非冷房:421(保留車:原形エンジン 廃車予定)

 

長野では機関換装前はキハ58が多数で、キハ28は2151の1両しかいませんでした。しかし機関換装により出力に余裕が出ることからキハ28+キハ58を基本編成とするようになり、秋田・新潟・水戸よりキハ28が転入しました。しかも転入に際しては転入直後に一旦入場し、機関換装・塗装変更を実施してから運用開始しています。したがって転入車がDMH17Hエンジンのまま、飯山色になって運用されていた時期はありません。

なお長野にいたキハ28 2151は、秋田から2103などいう比較的若番車が転入しているにもかかわらず、何故か機関換装が行われずそのまま廃車となりました。そのためキハ28 2151は恐らく飯山色には塗装変更されていないと思われます。実は私はこのキハ28 2151は一度も見たことがありません。もし皆さんでこのキハ28を見たことがあるという方は情報をご教示いただけますと幸いです。

 

いずれにせよキハ28でJR化後に原形機関であったのはこの0番台で4次車の2151しかいません。しかし模型のキハ28は前述の通り9次車です。9次車を0番台にしようとすると、運転席窓バランサー点検蓋を削り、乗降ドア下部の丸窓を埋めなければなりません。車体に手を入れる必要があり、全塗装になってしまいます。そもそもこの2151が飯山色になっていたかどうかも不明です。

 

そうなると、本当に真面目に飯山線塗装車を再現しようとすると、キハ28が入っていることから機関換装後の姿とするほうが無難なのかもしれません。この場合、キハ58に関しては5次車が6両(402・403・410・411・425・427)、11次車が1両(710)しかいませんので、結局何らかの改造をしなければなりません。どうせ機関換装後を再現するために給水口を埋めるのであれば、そのまま運転席窓バランサー点検蓋を削り5次車にするのが無難でしょうか。結局全塗装をすることを考えると別に飯山色の車を改造しなくても、単品のキハ58を改造して飯山色に塗ればよいような気がします。

 

ではキハ28はどうでしょうか。キハ28は3次車が1両(2103)、6次車が1両(2301)、9次車が4両(2363・2364、2382、2383)がいましたので、模型が9次車であることを考えるとこれを選定することになりましょうか。但し、2382と2383の2両は元水戸区の車で、クーラー配置が常磐無線アンテナの関係で不均等な車です。またキハ28 2363・2364は元新潟配置車で、雨どいが埋め込まれています。どちらも大変な加工が必要になってしまいます。

 

↑キハ28 2364ですが、雨どいが埋め込まれています。これは新潟の車の特徴です。なおこのような雨どいの改造は新潟以外にも、釧路配置車及びJR西日本で更新を受けた車にも似たような例がありました。

 

↑クーラー配置に特徴のあるキハ28 2382ですがそれが分かる写真がありません…。だって、当時の長野駅の停車位置はごらんのとおり橋上駅舎の真下で光線状態が非常に悪く、また隣に115系が停まっているいるケースが多く、撮影には非常に苦労しました。なので、上の2364のように発車してこの橋上駅の下から抜けたところを撮ったりしましたが、ディテール写真撮影には向きません…。 しかしこの車は間違いなく常磐無線アンテナ対応のクーラー配置です。

 

あと問題としては、模型の塗装はその特徴のある塗装の他に、ロゴも印刷されています。しかしこのロゴは1990年以降機関換装と共に転入した車からは一部を除き省略されており、ほぼ同時期に入場した長野生え抜き車もロゴが消されてしまいます。よって、このロゴ入りの模型を機関換装車にしようとするのは難しいのが実情です。というか機関換装車にしようとすると給水口を埋めますので、塗装もやり直しになってしまいますが…。

 

というわけで、実車を忠実に再現しようとすると若干無理のあるセットでしたが、その雰囲気を楽しむには十分であると言えるでしょう。難しい事はさておいて走らせて楽しみましょうという事なのですね。 そして細かいところが気になる人はどうぞ改造して再現してくださいと。 まぁ一昔前の模型なんてそんなものでした。標準車のみが模型化されており、それ以外の車を作るには全て改造でした。模型メーカーさんに実車の全てを再現しろというのがそもそも無理難題なのでしょう。よって、あとは個人の満足のいくところまで手を加えればよいと思います。え、私?? とりあえず急行色の編成の整備が完了してからどうしようか考えることにしましょう!! この飯山色は以前に述べた簡易冷房車から非冷房に戻ったキハ58 637や、貫通ドア窓が大きいキハ58 681など変な車もたくさんいます。またキハ28にはクーラー配置が常磐無線アンテナ対応の車もいます。 製品にとらわれずに、自分だけの飯山線車両を再現してみてはいかがでしょうか。

 

ということで時間つぶしの小ネタつもりがボリューム大の投稿になってしまい、結局夜になってしまいました…。しかも夜から雨が降り出すし…。 今日はこれで打ち止めとしましょう。

 

それでは皆さま次回もお楽しみに!!

 

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