特急宗谷・サロベツに使用されているキハ261系基本番台車(100/200番台)ですが、車両数が少ない事もあってトラブルや検査が重なって必要な両数を確保できない場合、キハ183系ノースレインボー編成や一般のキハ183系による代走運転が時折行われています。

最近では7月の3~4の両日がノースレインボー編成、そして9月に入って3~4、12~13、そして14~15の各日の仕業が一般のキハ183系で行われました。

(7月4日のサロベツ1号、音威子府駅の手前にて)

 

(9月15日の上り宗谷が札幌駅到着の際には、遅れて到着したオホーツク4号との並びが実現)

 

(同じく9月15日の上り宗谷。オホーツク4号の回送後)

 

 

 

その代走運転も、リゾート編成の後継であるキハ261系5000番台車『はまなす編成』『ラベンダー編成』が揃うとそれらに取って代わるようなので、キハ183系による運転も見られなくなる事でしょう…。代走というワケではありませんが、『はまなす編成』については実際に11月14・15の両日には『北海道鉄道140年記念』として下り宗谷と折返しのサロベツ4号に、そして11月下旬~来年2月下旬までの間の特定日にイベント的な意味で宗谷本線特急に使用する事がアナウンスされています。

JR北海道のプレスリリース 特急「宗谷」「サロベツ」の「はまなす」編成の運行について

(根室本線で試運転中の『はまなす編成』。帯広駅にて)

 

 

 

ノースレインボー編成による代走は3年前にサロベツ1号→上り宗谷で乗車した事がありましたが、一般のキハ183系による代走には乗車した事がなく、引退時期が迫っているキハ183系での代走にもいつか乗りたいと思っていた矢先、9月12日の下り特急宗谷から始まり、サロベツ2往復を経て翌13日の上り宗谷で戻る仕業が代走運転になる情報をキャッチ。

それというのも、えきねっとサイトの特急宗谷・サロベツの項目を見ていたら、上記の運用にあたる列車のグリーン車が『-』と表記され発売停止状態になっていたからです。しかも週末の土曜日というタイミングで…。

 

 

そうと知ったなら居ても立っても居られず、キハ183系の座席配置を勘案しながら翌日の下り宗谷と、トンボ返りにはなるものの折返しとなるサロベツ4号の指定席をえきねっとで予約してしまいました。本来12日土曜日は仕事だったのですが、翌日に振り替えても問題ないので宗谷本線特急の代走運転の乗り鉄に出掛ける事にしました。

 

 

LED発車標には「本日、使用する車両を変更したため、グリーン車が連結されておりません。1号車【グリーン席】のきっぷをお持ちのお客様は1号車【指定席】の同じ番号の座席をご利用下さい」とスクロール表示されておりました。

 

 

 

宗谷の車両は配線上の都合と列車ダイヤの関係上、苗穂運転所から回送後に一旦桑園方の引上げ線で待機し、7:20位にようやく8番線に入線してきます。

ヘッドマークには宗谷の分が用意されていないため、『特急』の文字だけが表示されています。

 

 

 

今回の代走編成は下記の通り。

①(指)キハ183-1554 ②(指)キハ182-507 ③(指)キハ182-508 ④(自)キハ183-1551

前後の先頭車はいわゆるNN183と呼ばれる民営化後に製作されたグループですが、中間の2両はN183と呼ばれる国鉄末期に製作された12気筒機関を搭載した車両。いずれも昭和生まれの古参で(①④は63年、②③は61年)、外装には疲労の跡が隠せません…。

(特に②号車のキハ182-507は錆だらけ)

 

 

 

ちなみに、特急サロベツで2017年3月ダイヤ改正まで活躍していた専用車は9月5日から14日までの数日間、臨時特急ニセコ号で2016年以前のサロベツ編成の状態で使用されていました。私もこのニセコ号を全区間往復乗車しましたが、その時の事は改めて紹介したいと思います(一体いつになる事やら!?)。

(③号車(自)キハ183-1503(トイレ・洗面所増設車)を先頭にした2020年夏臨の上りニセコ号。②号車(指)はキハ182-502、①号車(指)はキハ183-1555で運転された)

 

 

 

今回私が下り宗谷で乗車したのは③号車指定席で、この車両のみ他の特急列車と同様、座席が『グレードアップ指定席』仕様でした。

敢えて中間車にしたのは中間車のキハ182形がN183系の12気筒機関搭載車というのを期待していたからでして、狙い通りその車両に当たりました。マルチシリンダーが奏でる重厚なサウンドは今や貴重です。

 

 

 

札幌からの乗車率は高めで、大半が稚内へ向かう旅行客。やはり6日間パス効果でしょうか。窓側席のほとんどが埋まっていましたがマルスにはキハ261系の定員でしか入っておらず、③号車に関しては後寄り4列16席が余席となるため、他の席から移動してきた乗客もいました。

 

 

 

他の車両の車内も紹介しましょう。

①号車は元々定員が少なく、大半が余席扱いとなるためガラ空き。

このキハ183-1554は元々おおぞら用としてグレードアップ改造された車両のため、座席はキハ283系用の丹頂モケットシートで、床も同系と同じ柄となっています。近年はオホーツクの遠軽方の先頭車(自由席)として使用されていましたが、2018年7月の編成変更における方向転換はされず、グレードアップ指定席仕様が主に投入されるようになってからはあまり活躍していません。

なお、④号車自由席のキハ183-1551も同様の車内です。

 

 

コチラは②号車のキハ182-507。北斗の自由席車用だった車両で、座席はオリジナルのR55形リクライニングシート。それ故にオホーツク・大雪の運用には滅多に入る事はありません。中間車のため乗車率は高めで、余席となるのは16~17番の8名分のみ。

(以上2枚とも札幌~岩見沢の走行中に撮影)

 

 

尚、今回も乗車券は『HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス』(予め前日に購入)を使用しています。Rきっぷやえきねっとトクだ値利用で往復するよりもお安くなるからです。低価格を実現するために活用される道の補助金は9月20日時点で90%以上を消化しており、シルバーウィークの4連休以後も何とか発売を維持していますが、それも束の間、9月末を待たずに発売終了になる事でしょう。

 

 

 

 

札幌駅を7:30に出発。

同時刻に6番線から出発する東室蘭行1002M特急すずらん2号の785系(札サウNE-501編成)と並走します。

30年選手とはいえ、相手が電車なのであっという間に抜き去られてしまうかと思いきや、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げます。

最終的には千歳線が分岐する辺りで抜き去られてしまうのですが線路が逆とはいえ、かつてのスーパーホワイトアローと183系北斗の並走バトルを彷彿させるなかなかいい勝負でした。

(動画からの切り出しのため、画像が不鮮明なのはご容赦ください)

 

 

 

しかし…4両編成あたり3220psのキハ261系に対し、今回の編成は同じ両数で6割程度の1760psしかなく、最高速度は同じ120㎞/hとはいえ性能の差は圧倒的なのでどうしても本来のダイヤ通りの運転は不可能なため、少しずつ遅れていってしまいます。

旭川駅には本来の8:58から約7分遅れで到着。結局、特急オホーツクと同様の所要時間です。

(この時はヨンマル祭か?という位に4~7番線の各線にはキハ40が停車していた)

 

 

 

ここから乗客がさらに増え、通路側の席の大半が埋まる程になりましたが、幸いにも私の隣には誰も乗ってきませんでした(断っておくが席の買い占めは行っていないので念のため!)。手前側の15番AB席が逆を向いていますが、余席なのをいい事に1人でBOX席にして座っていた不届き者がいました。コレはいただけない。

 

 

 

旭川駅を出発、列車は宗谷本線に入ります。

 

 

 

名寄までは高速化改良を受けているので性能いっぱいに疾走を続けますが、やはり塩狩峠の急勾配ではキハ261系との性能差は歴然で、50~60㎞/h程度で走行するのが精一杯。12気筒機関が唸りを上げます。

 

 

 

名寄駅までの間に遅れはさらに拡大し、発車は所定の9:56から15分も延発してしまいます。

 

 

 

風っこそうや乗車時で車窓風景を紹介しているため、名寄から先の行程は省略。

但しこの日は幸運にも?車窓から利尻山を眺める事ができました。山頂に雲の帽子を被ってはいましたが。

(動画からの切り出しに付き画像が不鮮明なのはご容赦ください)

 

 

 

結局、終着の稚内駅には所定の12:40から17分遅れの12:57に到着しました。

折返しの64D特急サロベツ4号の発車時刻まで3分しかありませんが、車内清掃があるため到底間に合いそうもありません。

一応183系のヘッドマークには『サロベツ』が入っているのですが、『特急』のままで変えられる事はありませんでした。

 

 

 

この光景もいよいよ見納めか?

 

 

 

到着後約10分で慌ただしく車内清掃を完了させ、すぐに折返しのサロベツ4号の改札が始まります。

 

 

 

帰路に乗車するのは②号車です。

往路程の混雑ではありませんでしたが、南稚内発車時点で窓側席の大半は埋まっていました。

 

 

 

稚内駅の正確な発車時刻をチェックするのを失念してしまいましたが、次の南稚内駅の発車が13分遅れとアナウンスされていたのでおそらく13:14~13:15位だったかと思われます。

写真は南稚内発車後の車内ですが、往路程の混雑ではないにしても窓側席の大半が埋まっておりました。

 

 

 

先述の通り2号車の座席はオリジナルのR55リクライニングシートで、北斗用としてリニューアルされた際にキハ281系の色違いの表地に張り替えられています。281系のオリジナルの紫(※現在は青)と色違いなのは元々の座席が茶系のカラーリングだったためそれに合わせたからでしょうか。流石にテーブルのサイズが小さいのと、センターアームレストとヘッドレストサイドの頭持たせがないあたりに古臭さを感じずにはいられませんが、新車当時はかなりハイレベルな座席でした。座り心地も以後の新車とそれほど遜色は感じられないと私は思っています(たまにヘタリの酷い座席もある事は確かだが…)。

 

 

 

途中の行程は省略しますが、帰路も利尻山を眺める事ができました。

 

 

 

音威子府では遅れが9分にまで拡大したものの、終着の旭川駅には所定から7分遅れにまで回復、16:55に到着し接続列車である17:00発3036M特急ライラック36号(札サウHE-104/HE-204編成、リニューアル座席)に間に合いました。

本当は、左側に少し写っている83D特急大雪3号も並べて撮りたかったのですが、代走という事でホームには撮影者が多くいたため、このようなアングルでしか撮る事ができませんでした。キハ183のヘッドマークが『特急』でなければ大雪とライラックの並びと区別が付きませんね。

 

 

 

サロベツ4号の車両は通常と同じく旭川運転所へ回送され、その後20:00発の63Dサロベツ3号で再び稚内へ向かい、翌朝の62Dサロベツ2号→61Dサロベツ1号の運用をこなした後、52D宗谷(上り)で札幌に戻りました。

ところが、先述の通り翌14日の下り宗谷から始まる仕業もキハ183系による代走運転となりました。このように連続して代走となるのは珍しいケースで、今回乗車した編成から③④号車は不変でしたが、①号車がキハ183-1505(北斗用R55自由席仕様)、②号車がキハ182-511(グレードアップ指定席仕様)に差し替えられています。

 

 

さて…代走特急を乗り終えた後は、接続列車のライラック36号で滝川まで出て、そこからフラノラベンダーエクスプレス4号(乗車したのは自由席③号車のキサハ182-5201)に乗り換えて札幌へ。

 

 

 

札幌からは733系による普通2793M(上写真の右側の列車)で手稲まで出て、これまたトンボ返りで札幌行9012D特急ニセコに1区間だけ(しかも指定席!)乗ってきました。

 

 

つまり、キハ183系尽くしの乗り鉄を楽しんできた1日なのでした。

今回はあまり中身のないブログですみません…。