時間を少し巻き戻し、夕張駅から乗り鉄旅スタートです。

2018年夏にお目見えした、キハ40北海道恵みシリーズ「道央・花の恵み」は、明るい色合いで、夏にピッタリ!

 

※写真1・2:夕張支線最後の夏、週末は2両編成(夕張駅)

 

午後0時34分、千歳行普通列車(2628D)発車。

進行方向右側窓側席に陣取ったので、違う景色が待っているはず。

帰りはどんな景色が待っているのかな?

 

夕張駅を発車するとまもなく、橋脚と橋桁が突如現れた!

立派な鉄道遺産だな~かつて国鉄・夕張線が複線だったことが、よ~くわかる。

石造りの橋脚に歴史を感じるね。

 

 

※写真3~6:発見!夕張支線鉄道遺産(夕張~鹿ノ谷・9~10月)

 

午後0時36分、まもなく鹿ノ谷駅に到着。発車したと思ったら、えっ、もう到着?

そうだよな・・夕張駅は2度移動したため、夕張~鹿ノ谷間は1.3kmしかない。

北海道のローカル線では珍しい短区間、納得。

 

秋の鹿ノ谷駅からの眺めは、静寂で心が洗われますね。(10月中旬)

そして11月上旬。秋色に染まった松林を背にして、キハ40がやってきた。

いいね~鹿ノ谷の秋の風景は・・

かつては夕張鉄道(夕張本町~鹿ノ谷~栗山~野幌)が乗り入れ、機関区(車両基地)もあった鹿ノ谷駅。

茶色の駅敷地跡が、当時の駅の大きさと繁栄ぶりを物語る。

※写真7~9:穏やかな秋の日(鹿ノ谷駅)

 

午後0時37分、鹿ノ谷駅に到着。

「呑み鉄本線日本旅・夏の石勝線・夕張支線」で、六角さんもこの駅から乗車。プラットホームでクワガタを見つけ解説していましたね。

 

※写真10・11:平日のお昼時は、人影もまばらな鹿ノ谷駅

 

紅葉と鹿ノ谷駅・・これは美しい。

山間にある駅なので、日が傾くと駅舎は日陰になるが、西日に照らされる裏山の紅葉は色鮮やかです。

※写真12:私には撮れない貴重な絵葉書・紅葉の鹿ノ谷駅

 

折角なので、夕張鉄道(1926年~1975年)をご紹介します。

この地図の緑色が夕張鉄道。始発の夕張本町駅から鹿ノ谷駅までは、夕張支線とほぼ同じルート。

 

鹿ノ谷駅から3つ目の駅(夕製前駅)まで南へ向かい、そこから進路を西に変え、難所の山を越え、栗山町などがある平野部を走り、大動脈・函館本線に接続する野幌駅が終点。

 

延長53.2km。札幌市や大きな港を持つ小樽市を最短で結び、石炭をはじめ多くの物資や乗客を運んでいましたが、鉄道を敷いた炭鉱関連企業が持つ莫大な財力に、驚きですね。

※写真13:この旅3度目の登場・お気に入りの「ゆうばりまち歩きマップ」。鹿ノ谷駅は上から二つ目の赤いマーク。

 

ちなみに炭鉱が活況を迎えていた頃、夕張の映画館は札幌より早く、東京と同じタイミングで封切り映画を放映していたので、「昔はね、夕張鉄道に乗って夕張に映画観賞しに行ってたよ」と、地域の方々から伺いました。当時の夕張の繁栄を物語る、半端ないエピソード!

 

貴重な資料を発見!これはありがたい。

お読みいただければ、夕張鉄道の歴史の概要がわかります。

※写真14:「夕鉄」という愛称で親しまれていた夕張鉄道(南幌町生涯学習センター「ぽろろ」に展示)

 

重連の蒸気機関車(SL)が、持ち前のパワーで貨物列車を牽引!

※写真15:貴重な記念グッズ!鹿ノ谷~平和間の山裾を走る夕張鉄道の貨物列車

 

鹿ノ谷~栗山間には山が連なる難所があり、難所を越えるために設置されたのが錦沢駅の3段式スイッチバック。

 

ざっくりお話しますと、

1・まず「Z」をイメージ。鹿ノ谷・夕張方面(標高高い)から来る列車は「Z」の下線を右から左に入線し停車。

2・次に「Z」の斜線を左から右へバックで移動し停車。(錦沢駅(2線2面)はこの斜線の途中にあります。)

3・そして「Z」の上線を右から左へ(栗山・野幌方面へ・標高低い)出発。

 

標高差があり、かつ、大きな曲線で線路を繋ぐのが難しい傾斜地なので、このようなルートを採ったのだろうね。

 

スイッチバックをスムーズに通るには、貨物列車の先頭と最後方に、SLが同じ方向を向いて連結して走る「プッシュ&プル」方式が有効ですが、次の写真はそれを伝える貴重なもの。

 

三菱大夕張鉄道保存会さんが作成した2019年オリジナルカレンダー「汽笛の響いた夕張」の中に遂に発見!

お宝カレンダーを購入して本当によかったです。

※写真16:後方からは見えませんが、貨物列車の先頭に、同じ方向を向いたSLが連結されていると思います。(錦沢駅)

 

次のポスターの下段は、夕張鉄道を走ったディーゼル気動車(キハ251)。

乗客の増加で早期から導入した聞くが、(おそらく)車両の両側に運転席があるディーゼル気動車はスイッチバックをスムーズに終えられるので、それも要因の一つだったかもしれません。

※写真17:夕張市石炭博物館の特別展「夕張の石炭を運んだふたつの鉄路~国鉄夕張線と夕張鉄道~」のポスター

 

うわ~懐かしいな~

昔、駅改札口の上に掲示されていた手書きの発車時刻表。

きっと栗山駅と野幌駅の間にある、何処かの駅のものでしょう。

 

下り列車10本中、スイッチバックを通り夕張方面に行くのは4本。栗山駅で室蘭本線、鹿ノ谷駅で国鉄・夕張線と接続。いつ頃の時刻表なのかな?

うわ~懐かしいね~昔、駅窓口の上に掲示されていた手書きの旅客運賃表だ(北長沼駅)。

右側の「野幌~夕張本町」が夕張鉄道の駅で、北長沼駅を含めて20駅。

 

ちなみに右側から2列目に三菱大夕張鉄道の「大夕張駅・南大夕張駅・遠幌駅」が記載されているが、鹿ノ谷駅と清水沢駅で乗り換えて目的地に向かったと思う。

どんな感じだったのかな~列車に乗って旅をしたかった。

※写真18・19:昭和の香りに満ちた発車時刻表と旅客運賃表(南幌町生涯学習センター「ぽろろ」に展示)

 

夕張鉄道は南幌町に駅があったので、それがご縁で鉄道遺産を「ぽろろ」さんで大切に保管・展示しているのでしょう。

これも懐かしいな~通信機です。

我が故郷「国鉄・標津線」でも、駅員さんがこれを使用してました。

 

確か・・まず黒い受話器を取って、次にシルバーのボタンを2回程度押す。相手が出ると話が始まり、たぶん内容は「〇〇〇D、定刻通り、〇〇時〇〇分、当駅発車」だったような・・逆に電話がかかってくると「ジー・ジー」と音がしていたと思います。

子どもの頃の記憶なので怪しいですが・・一度、通話してみたかった!

※写真20・21:夕張鉄道の貴重な鉄道遺産

 

さて、鹿ノ谷駅から旅を再開です。

これは鹿ノ谷駅の「ありがとう夕張支線記念切符」。いいね~

※写真22:夕張市内で一定額買い物しないとゲットできず、既に提供期間終了のレアもの切符

 

晩秋の鹿ノ谷駅。

今日は穏やかな日和ですが、初雪はもうすぐ到来。

 

午後0時37分、千歳行普通列車(2628D)が発車。秋を感じながら列車を見送るのも、今日がきっと最後。

キハ40が姿を消すまで見送ろう・・

 

 

※写真23~25:晩秋の鹿ノ谷駅を去るキハ40

 

   ありがとう・・夕張支線・・

 

  (つづく)

 

※追伸

「北海道ローカル線旅日記!夏秋の夕張支線→石勝線②」をご訪問いただきまして、ありがとうございます。

 

動画を次のシリーズに、新たにアップしています。

・夏の石北本線②④⑤

・冬の釧網本線SL編③⑤

・夏秋の石勝線→夕張支線①