近鉄20000系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

近鉄の団体専用列車、その用途故に中々乗ることが出来ないことで有名とも言えるでしょう。その中の一角となるのが、今回紹介する20000系です。

 

Romantic Journey、Artistic Sophistication、Kind Hospitality、Unbelievable!の頭文字を取った「楽」が愛称です。一見和風でも、成り立ちが英語という・・(笑)

 

4両編成のうち中間車はハイデッカー、両先頭車はダブルデッカーとなっており、ビスタカーの一員となっています。この時のカットは鮮魚列車に乗車するツアーの最中なのですが、別の運用のために出ていくところでした。

 

・・なんて言っていましたら、令和になり突如リニューアルが施され我々の前に戻ってきました。今回は、そのリニューアル車をご紹介。リニューアル前は、残念ながら機会が作れず乗れませんでした…。

 

愛称の「楽」はそのままですが、外観は漆メタリックと呼ばれる塗装になりシックな装いです。誰ですか、「デカい阪急電車」なんて言ってる人は(^^;;

 

とは言え単色ではなく、ストライプの模様が各車に入れられています。それぞれに意味合いがあるようで。

 

前照灯はLED灯なのですが、明るく白いものになったのでちょっと怖いですね(笑) またスカートに収められていた補助灯はシリーズ21のような標識灯に変更の上移設されています。

 

それでは参りましょう、ドアです。速やかな乗り降りが出来るようにか、両開き式となっています。リニューアル前は201系もびっくりの小さな窓を備えていましたが、片側は窓無し、もう片側は窓二つというデザインになりました。

 

バリアフリー対応の3号車に関しては、片開き式に改められています。右側のトイレを作ったため、なんですかね…。なおリニューアル後もドアチャイム等は付けられていないようです。

 

先頭車に関しては荷物置き場があります。

 

トイレです。男女共用と、男性小用が備えられています。男性小用に関しては…用途故か窓は無く、鍵をかけられます。年頃の生徒児童も使いますからねぇ…。洗面台は無く、トイレ内の手洗いで済ませることになります。

 

車椅子対応のトイレです。扉は2枚仕立てで、開閉はボタンによる自動式です。

 

車内です。こちらは中間車のものになります。リニューアル前はグレートーンで直線的なデザインだったのですが、丸みを取り入れた明るい色調に生まれ変わっています。

 

客室からデッキ方向を向いて1枚。仕切り扉はなく、ハイデッカーのため階段が有ります。壁は木目調、号車プレート、トイレの使用知らせ灯、フリーWi-Fi、抗菌抗ウイルス処理済みの表示があります。

 

2号車と3号車の車端部です。出入り口が無いため、通路はハイデッキ同士を連絡しています。仕切り扉は全面ガラス張りの自動式で、両開き式となっています。

 

天井です。カバー付きの直接照明と間接照明の組み合わせで、近鉄の勝利の方程式感はあります。照明の色調は暖色になっております。

 

各席には空調のツマミがあります。当たり前ですが、団体専用車両なので指定席のランプはありません。

 

窓です。肩部分まで面積を拡大しており、可能な限り眺望を良くしています。日除けは横引き式、近鉄初のプリーツカーテンを採用しています。

 

座席です。特急用車両では有りませんが、万の位を持つ系列では唯一の転換クロスシートとなっております。

 

リニューアル前よりもシートピッチが拡大されており、中央には飾り照明と大型のテーブルが備えられています。座席は元のフレームを活用しているのかもしれませんが、ヘッドレストが分割され、隙間から景色が楽しめるようになっています。この手法は観光バスでもお馴染みですね。

 

で、シートピッチ拡大のあおりは修行席の発生という代償を招くことになりまして、せっかくのハイデッカーなのに眺望が残念な席がいくつかあります。窓枠を弄るまでの予算はかけられなかったのでしょう。

 

車端部席は固定式でボックス配置となっています。ご覧の通り、背ズリ・座面ともに様々な模様のモケットを用いています。

 

各席には窓側にコンセントが付いています。フリーWi-Fi含め、情報環境に困らないのはありがたいですね。

 

シートピッチ拡大で余った部分は荷物置き場になっています。荷棚が頼りないのでここに大きな荷物を置くことになりそうですが、それでも修学旅行運用では足りなさそうです。

 

3号車には車椅子スペースがあります。窓側には細長いカウンターテーブルがあり、飲み物くらい置けるようになっています。なおここの窓はドアが片開き式になったことで戸袋窓となっています。現存する近鉄車では唯一の戸袋窓装備車両になりますでしょうか?

 

妻面には跳ね上げ式の腰掛けがあります。

 

開いてみました。モケットは転換クロスシートの模様を集めたものですね。

 

続いて先頭車、ダブルデッカーの階上室の車内です。中間車と微妙に仕様が異なります。

 

デッキ方向は右側の化粧板の色が異なります。階下室への階段も兼ねているからなんでしょうね。

 

天井です。直接照明の他、半間接照明が仕込まれています。この構造は30000系ビスタカーでも見ることが出来ますね。荷棚はほぼ無いに等しいので、デッキ階段の横に荷物置き場があるんでしょうね。

 

座席です。デザインは中間車と変わらないように見えますが、実はちょこちょこと違うところがあります。

 

違いを見てみると、①シートピッチはそのまま  ②窓側固定テーブルは小型 ③飾り照明は無し  ④通路側にインアームテーブルを増設  と言った感じになっています。インアームテーブルは0系新幹線の転換クロスシートや583系ボックスシートと同じように、手前に引き出してクルッと回す引き出し方法です。両系列どちらかを使ったことがある方は懐かしい挙動だったのではないでしょうか。・・とはいえ、同じようなテーブルはほかの近鉄特急にもありますけどね(笑)

 

この車両に関しては、コンセントが脚台に設置されています。初見では気付きにくいですね。

 

車端部にはボックスシートと荷物置き場があります。かつてはサロンコーナーだったようですが、開放席に生まれ変わっています。

 

ボックスシートです。モケットは転換クロスシートの座面部分を全体に使用しています。テーブルは最大級の大きさですね。

 

窓です。上部にも飾り照明を配置しています。

 

手前側には蓋があり、この中にはマイクが入っています。故に、ここは幹事席も兼ねています。

 

肘掛けは木製です。

 

このように跳ね上げも可能です。

 

コンセントはテーブル下にあります。座席は4人掛けなのですが・・(^^;;
 

向かい側には少しだけながら荷物置き場があります。

 

続いては最前面です。かつては階段状に固定座席が並んだ展望席でしたが、フリースペースの「VISTA スポット」に生まれ変わっています。

 

名古屋方には、複雑な形をした腰掛けが置かれています。一応可動式で、ボックス配置等に変更することも出来るには出来ますね。

 

で、こちらが大阪・京都方です。

 

各方向を見られるソファが置かれています。個人的にはこちらの方が柔らかい雰囲気で好きですね。

 

実は端っこにも簡単な腰掛があります。

 

最後はダブルデッカーの階下室へと参りましょう。デッキからの他、階上室からもアクセスが可能です。

 

というわけで階下室です。元々座席が並んでいましたが、こちらもフリースペースになりました。名古屋方はこんな感じです。

 

窓はやや高めの位置。これでもホームと同じレベルなんですね。

 

で、床面はカーペット敷き、また通称「人をダメにするソファ」が置かれています。ここに来ちゃうと、しばらくソファが返してくれません(笑) ちなみに、フリースペースは土足厳禁です。

 

下駄箱のようなものがありますが・・使われていない様子。

 

そして地味にこんな所にもコンセントが有りました。

 

続いて大阪・京都方です。

 

ドーナツ型の腰掛が設置され、円の内側にのみカーペットが敷かれています。しかし、名古屋方の方が入りはよかったと思います。やっぱり人をダメにするソファには勝てまい(笑)

 

今回はクラブツーリズム主催の、名古屋-京都間で運転された貸切列車に乗車しました。華と言い、鮮魚と言い、マニアックなツアーが多いんですよねぇ

 

青山町では、特急の通過待ちと撮影タイムを兼ねた長時間停車です。この時間だけ、参加者に配布されたサボが置かれました。しかしクラブツーリズム、サボ大好きですね(笑)

 

後半には、鮮魚列車の系統板。これ、同じくクラブツーリズムが開催するはずだった、鮮魚列車のラストランツアーで配るつもりだったものをこのツアーで特別に配布したものです。私は、幸い一年前のツアーで乗車出来たのでよかったのですが(笑)

 

列車は京都駅に到着。ここでもギャラリー多数でした。

 

翌日、京都駅を出発し、天理駅に入線しました。

 

昔、「鹿男あをによし」というドラマで、近鉄奈良駅としてロケ地になってましたね。奈良県民と鉄道ファンからツッコミが入ったようですが(笑)

 

そして、クラブツーリズムがまた動きます。前照灯、種別灯全点灯で、真ん中に何やら丸いものを取り付けました。

 

これ、ヘッドマークです。普段はこの貫通扉の裏側にしまってあるのですが、このように停車中に飾りとして付けられるようになっているみたいです。デザインは、座席の座面と同じですね。

 

そんな盛り沢山のツアーに参加し、近鉄名古屋まで戻ってきました。

 

こんな状況ではありますが、クラブツーリズムを始め各旅行会社が貸し切るツアー商品や、きんてつまつりの車庫間移動の体験乗車等、限られた機会にしか乗車出来ませんが、機会を見つけて乗られてみてはいかがでしょうか。