皆さま、おばんです!
シルバーウィークもあっという間に終わってしまいましたね。
自分はGoToトラベルキャンペーンのクーポンを利用し、
山形県内の温泉ホテルに宿泊してきました。
ただ泊まるだけではなく、駅巡りも楽しんできたのは毎度のことです。
今回は羽越本線、県境付近の勝木駅~三瀬駅間を周ってきました。
ここは鉄道マニアにとって垂涎必至な区間でして、
昭和43年~昭和57年にかけて複線化された際に
①上下線とも新線に切り替えられた区間
②上下線の片側のみが新線で開通、もう一方は従来線で残された区間
③複線化を見込んで建設が進められたのにも関わらず、
複線化されぬまま未成で終わった区間(採算が見込めなくなったのが原因)
が混在してるのです。
現行線、未成線、旧線の廃線跡が並走する区間もあるっていんですから
スゴイですよね。
新線切り替えは駅にも大きな影響を及ぼし、
中には構内に旧線跡が残る駅もありました。
今回はそんな駅の訪問記です。
羽越本線・小波渡(こばと)駅です!
昭和19年に開業した小波渡信号場を
昭和25年に昇格させて開業した駅でした。
駅名の可愛さに油断したら火傷しますので要注意!
実は超マニア好みな歴史を持つ駅なのですよ。
その件は後ほど触れることにしまして…
小波渡駅は鉄道マニア以外の方からも人気を得ていた駅でした。
その理由はというと…
駅から海が見えるからです!
そんな立地にあるからでしょうね。
駅舎に日本海が願望できる側窓が設けられてました。
ここから見る「沈む夕陽」はさぞ美しいことでしょう。
ちなみに今ある駅舎は平成7年に建て替えされたモノ。
国鉄時代に無人化されているので出札窓口が無い仕様の駅舎でしたよ。
さてさて、ここで皆さまに質問です。
こちらは小波渡駅の構内ですが、なにか違和感を感じません?
下り線ホームが大きくカーブしているのに対し上り線ホームは直線。
しかも2本の線路は別々の方向に伸びてますよね。
ここに気づかれた方は大正解です。
それではなぜこんな配線、ホーム形状になったかというと…
小波渡駅は昭和52年~昭和53年にかけて複線化されましたが、
構内より北側は下り線を従来線とは違うルートで新設、
南側は上下線とも新線に切り替えるという、
違う手法で敷設されたからなのですよ。
そんな様子がよくわかる写真を見つけました。
国土地理院のサイトから転載した昭和51年撮影の航空写真ですが、
大きな弧を描いている従来線と
開通直前の新線が写っているのが見えますでしょうか?
ちなみに現在の線路配置を当てるとこんな感じです。
旧線時代の駅構造は相対式ホーム2面2線と現在と変わりませんが、
下り線ホームだけ形状が曲線から直線に改められた模様。
上下線のホームの形状が違う理由は
ズバリ、上り線の北側以外が新線に切り替えられたからでしたの。
構内が大改造された形跡は今でも見ることが出来ます。
まずは上下線とも新線に切り替えられた村上駅方面の様子から。
駅舎の裏に周ると、昭和52年に廃止された単線時代の築堤を
見ることが出来ました。
こちらはホームから眺めた風景です。
道路が緩やかにカーブしてますが、
右に見える民家が建ち並んでいる付近が旧線の廃線跡でした。
お次は、下り線のみが新線に切り替えられた構内北側の様子です。
ここではカーブしている上り線ホームの先端に注目。
ホームの向いに単線時代の下り線ホームの残骸があるらしいですけど…
雑草が生い茂りホームの遺構を見ることは出来ませんでした。残念!
2本のホームは線路の下を通る連絡通路で結ばれてます。
通路を抜けると下り線ホームが現れますが、
小波渡駅は開業当時からこの構造だったようですね。
下り線ホームには待合室が設置されてました。
この待合室、建物財産票によれば昭和21年に建てられたモノらしい。
前述の通り、小波渡駅は昭和19年に開設された信号場を
昭和25年に昇格して出来た駅です。
信号場だった時代に待合室は既にあったってことで…
待合室は信号場の施設を改造したモノなのか、
それとも信号場時代に旅客扱いを行うための施設だったのかが
気になります。
…以上、一昨日に訪れたばかりの小波渡駅の様子でしたが、
すっごくマニアックな構内だと思いません?
鼻息を荒くしながら構内をうろついてましたが、
到着した列車の車掌さんに怪しまれてませんように。
小波渡駅の改築前の駅舎はこちらに掲載されてます。
昔は大きめな駅舎だったみたいですね。
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