こんばんは、ななせです♪
今回もまた更新が開いてしまいましたね…
最近、模型とは関係のない「新しいこと」を始めまして、それにかかりきりであるため
ここ2か月近く模型には触っていませんし、今後しばらくそれが続きそうです。
そんな中、長野電鉄(長電)を走るかつての日比谷線3000系…あらため3500/3600系のうち、
孤軍奮闘していた3両編成の3600系L2編成が、今月25日に引退すると発表されました。
営団3000系を知らない人にとっては(←お前もだろ)、L2編成というと唯一生き残っている3両編成とか
特急運用を代走する編成…というのが印象に強いかもしれません。
しかしながら、日比谷線沿線民だったり営団の車両に詳しい人だとL2編成に対する印象は少し違い、
営団3000系引退に際し両先頭車にクジラの装飾を施した、3055編成(第72編成)というイメージが強いハズです。
*クジラ編成(模型)に関する話はこちら
今回L2編成が引退するとのことで、長電では引退イベントを行う事が発表されました。
そこで私は去年行われた3500系O2編成の引退イベントに参加できなかったことや、
長電を訪れた時は必ず会えた編成ということで、この度はイベント参加と相成りました。
旅の始まりは夜の新宿。
バスタ新宿から高速バスを使用して長野へ向かいます。
引退イベントは午前/午後の二部制になっており、確実に予約が取れやすそうな
午前の部を選択。
そのため、イベントに確実に間に合うこととリーズナブルに行ける交通手段として
前日の夜に出発する夜行便のバスを使うことにしました。
バスに揺られておよそ5時間半、東の空が明るくなってきた早朝の長野駅前に到着。
長電の始発は6時15分ですから、早速1時間近くやる事が無くてヒマになってしまいました…
長電の改札前にあるベンチで軽く下調べをしつつ(計画性皆無)、始発列車が来るのを待ちます。
やって来たのは8500系T3編成。
本家の東急では8606Fが引退したことでスカートの無い編成が消滅してしまいましたね。
やはり8500系はスカートの無い姿のほうが顔が引き締まっているように感じます。
始発列車に乗って須坂へ向かっても当然ながら時間が余ってしまうため、
途中下車を繰り返しながら時間をつぶしていきます。
鉄道むすめである朝陽さくらのラッピングが施されたT2編成を横目に、朝陽駅に到着。
すると反対側に止まっていた車両からよく聴きなれた2点音のドアチャイムが…
少し前に引退したばかりの丸ノ内線方南町支線の02系日比谷線03系に再会しました。
前面帯が赤く、スカートが取り付けられており、現在はまさかの3000系として気持ちを新たに再出発しています。
朝陽駅から附属中学前駅に向かって少し歩いたところで、
折り返しのM5編成を狙います。
この日の午前中は須坂と長野を往復する運用に入っていたため、
比較的高い頻度で見ることが出来ました。
いくら平日の朝で利用客が多いとはいえ、本数は多くて一時間あたり3本前後ですから
数本の列車を撮影するとあっという間に集合の時間が近づいてきます。
須坂駅に到着し、隣接する車両工場にいた3500系たちを撮影しました。
試運転の方向幕を掲げるN6編成(営団3065F)とその後ろには本日の主役、
L2編成が停車しています。
N6編成は去年参加した撮影会の旅で、貸切列車として乗車した編成であり、
この日は小布施の方へ試運転列車として往復していました。
駅舎の方を見ると、今年の春先に引退したN3編成(営団3049F)が停まっていました。
3500系自体も2022年に完全引退ということが発表されていますから、少しずつですが着実に数を減らしています。
そしてN3編成の後ろにも何やらもう1編成…
これまた非冷房で孤軍奮闘していたO2編成(営団3037F)。
去年の12月に引退した車両です。
引退に際して赤帯を剥がして営団時代の雰囲気で各種イベントが行われました。
残念ながら私は参加することが出来ませんでしたが、
こうして赤帯の剥がれた車両を見ることが出来て良かったです。
しばらくすると再び長野からM5編成が戻ってきたのでO2編成とツーショット。
なんだかどちらが通常塗装なのか判らなくなってきますね…(困惑)
受付を済ませ、5番線に移動します。
まずは線路に降りて撮影会です。
L2編成の隣には、先程まで営業列車で走っていたM5編成がやってきました。
物心ついたときには既に03系になっていた世代ですから、
日比谷線から遠く離れた地でこのような並びを撮ることが出来るのは本当に感動モノです。
撮影会は幕回しを行いながら、それぞれの行先に対して解説がありました。
上写真は、普段3両編成が入ることはない屋代線の屋代行き。
廃線間近になって別れを惜しむ人が多く訪れたことから、L2編成が抜擢されたのだそうです。
撮影会が終わり、いよいよ貸切列車に乗り込みます。
行先は特急湯田中行きとなっており、ここ数年は特急代走を行っていないため
ちょっぴり珍しい行先表示です。
もちろん、私も見るのは初めて
列車に揺られ、最初に降りたのは信濃竹原駅。
ローカル感漂う小さな無人駅に特急列車が停車する…
ちょっぴりシュールな光景です。
駅から少し歩いたところに夜間瀬川橋梁があり、そこで湯田中駅から折り返してきた
L2編成を撮影します。
ちょうどこの時だけピンポイントに曇ってしまい、写真映えという点では
微妙なものになってしまいました…
とはいえ、この日は本来ならば雨が降るという予報でしたし、そもそも貸切列車に乗るイベントなのに
こうして乗車した列車を沿線で撮影できるのですから、あまり贅沢言えませんね。
この他にも、信州中野~湯田中間のシャトル運用を行っていた
M1編成(営団03-104F)も撮影することが出来ました。
いままで長電に行くと必ず見かけたL2編成でしたが、実のところ乗車するのは
今回が初めて(そして最後)。
なのでL2編成ならではの見どころを簡単にですがお送りいたします。
L編成の中間車は、日比谷線8連化(1971~)の際に増備した3500形(9次車)のうち、
パンタグラフを装備した奇数車。
*長電譲渡後はパンタ撤去
ちなみにこちらのモハ3602号車のみ、クジラ編成だった3055Fに含まれていた車両ではなく
3065Fの中に含まれていた3571号車です。
*3065Fの先頭車はN6編成
外見の特徴としては、主抵抗器が片側配置となっており
他の車両と比べてズラリと並んだ抵抗器が目を引きます。
*他には最終編成である3077F(3077号車はO4編成の事故代替車、3078号車は予備車として譲渡)
他に8次車以降の特徴として、車内の扇風機が挙げられます。
それまでの車両は八角形ベンチレーター(登場時)で車内はファンデリアだったのに対して、
3077F(8次車)と3500形(9次車)は登場時から四角いベンチレーターで扇風機を用いていました。
現在、3077号車を使用したO4編成は既に廃車となってますから
扇風機を使用している車両はL2編成の引退をもって見納めになるでしょう。
そして、(営団)3500形の最大の特徴と言えば、可搬式の簡易運転台があることです。
工場機能を持つ千住検車区は敷地が狭いため、検査の時は編成を半分にして
その際に構内移動が出来るようにするための運転台です。
妻面が両方とも固定窓に加え、運転台のある方の窓の大きさが少し小さく、
先程の外観写真のように縦の手すりが付いているのが見分けるポイントです。
当区の記事では3度目の紹介になりますが…運転台です。
傾斜したマスコンハンドルと銀色のブレーキハンドルが、
一目見ただけで営団3000系だと判る特徴的なレイアウトです。
メーターの下に並ぶ3つのボタンを眺めていると、どことなくATO試験編成かなと思ってしまいますが、
こちらは冷房装置に関するスイッチであるため、譲渡後に取り付けられたものです。
車内散策をしていると、あっという間に須坂駅に戻ってきました。
ここから営業列車であるM5編成に乗り換えて、地下区間へ先回りします。
つい先程までL2編成と共に撮影会の展示車両として使っていたハズなのに…
運用がとても柔軟ですね。
M5編成に揺られつつ、車内を見渡します。
車内は大きく手を加えられていないため、急に地元へ戻ってきた感覚です。
長電へ譲渡された03系は第04~08編成の2・3次車。
単板ガラスのドア窓であるため四隅のRが小さいのが特徴です。
*複層ガラス車(4次車;第10編成以降)はもっと丸みを帯びた窓
他にも、貫通扉が800ミリと熊電や北鉄へ渡った6・7次車とは違う外観であるのに加え
03-200形(4次車まで)にのみ見られたレスポンスブロック用の2段窓が目を引きます。
市役所前駅へ先回り。
出口の案内に書いてあった「昭和通り」を見ると、秋葉原へ来てしまったのではないかという錯覚が…
*ヨ○バシカメラのある方です
L2編成が来る時だけホームを完全に無人にして、地下区間でクジラを撮影するというものです。
私は「地下鉄を地下で撮る」ことをほとんどしない(というか、ホームドアや混雑でそもそもしづらい)ため、
こんなにも人目を気にせず撮影し放題なのは非常に嬉しいですね。
反対側のホームへ移動して、長野駅からの折り返し列車を撮影。
午前の部であれば、普段は午後の部に合わせて特急湯田中行きの表示で須坂へ向かうのですが
この日は午後の部が無かったため、特急須坂行きの表示で入線してきました。
L2編成に乗って、須坂駅に戻ってきました。
ただ乗るだけではなく、撮影会や途中で降りて先回りしたりと中身が充実しており
あっという間に終わってしまったなという感覚です。
先述のとおり私は営団3000系を知らない世代であるため、クジラの装飾で走った姿を見たことありませんが、
こうして2度目の引退に際してお別れを伝えることが出来たのはとても貴重な経験でした。
(通算)56年間、おつかれさまでした。
イベントが終了し、長野駅へ戻ります。
このイベントに参加すると特急列車を含む乗り放題のフリー乗車券が貰えるのですが、
残念ながら帰りのバスが17時発ですから、これ以上追撃する余裕がありません…
そんな中、ちょうどホームの向かい側にN8編成(営団3039F)がやってきて
車庫に停車中のN7編成(営団3051F)とのツーショットが撮れました。
N8編成を見送り、後続のM5編成に乗って長野駅へ戻ってきました。
3000系M5編成は旧第08編成。
*CT1車(03-108)は、L2編成の原番号である3055号車
営団時代から遭遇頻度が非常に高かった3ドアの4Q-chop車で、今回のイベントでも
様々な場面で共演してくれました。
今回はイベントに参加することが目的とはいえ、何も観光せずこのまま帰るのは物足りなく
せめて何か美味しい物でも…と思い、長野駅の駅ビルにあるそば屋さんへ。
注文したのは、くるみそばと季節の天ぷら、くるみおはぎです。
ペースト状になったくるみダレにそばつゆを混ぜて食べるスタイルであり、
くるみの香りが抜けるクリーミーで甘い味はとても新鮮でした。
ちなみにこの量で普通盛りなのですが、実は料金を上乗せすれば中盛・大盛にも変更可能。
ただ、中盛でも800g(+600円)らしいので、それなりの覚悟が必要かもしれませんね…
朝から何も食べていないにもかかわらず、そばでお腹いっぱいになり
家族へのお土産を買いつつ帰りのバスに乗り込みます。
去年同様に横川SAにて休憩をとる時間があったため、建物の中にあるキハ58-624…あらため
キハ57-26のモックアップを見てきました。
去年はちょうど七夕の時期だったことから笹の葉が前面付近に茂っていたのですが、
今回は人通りが少ないことも相まって綺麗に撮ることが出来ました。
その後もバスに揺られ、バスタ新宿に戻ってきました。
平日ということもあって渋滞もなく、時間通りの到着です。
ということで、以上が長電L2引退イベント参戦記でした。
今後も長電では、あと3編成の3000系を導入することが予定されており、
3500系が2022年に完全引退されることが正式に発表されています。
*第05~07編成→M2~M4編成(?)
25年近く前にあった車両置き換えが再び長野の地で行われているため、
営団3000系を知らない身としては、完全引退までにまた何度か足を運びたいと思います。
それでは今回はこの辺で。
長らくのご乗車、お疲れ様でした♪
○おまけ~イベント参加の記念品~
今回のイベント参加品として、クリアファイルや書籍、長野と言えばお馴染みの
八幡屋礒五郎の七味唐辛子(長電100周年ver.)が入っていました。
この他にも、記念乗車券やつり革が後日郵送にて届くそうです。
おむすび型のつり革は営団3000系が初めて採用したと聞きますから、
今から届くのが楽しみですね。
また、須坂駅にて個人的に購入した3000系デビュー記念乗車券。
今回もイベントの他に何度か乗る機会がありましたが、附属中学前から乗ってきた小学生たちが
「新型車両だ」と言っていたのを聞きながら、少しずつ地元に馴染み始めているのだな…と。
03系は老朽化が原因で日比谷線を引退したわけではないので、
今後も末永く走り続けて欲しいなと思います。
【おわり】