マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

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錦川鉄道の「錦川清流線」と「とことこトレイン」|錦川沿いの絶景を満喫

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山口県の名橋『錦帯橋』がかかる錦川に沿って走るローカル鉄道へ。錦川鉄道 「錦川清流線」と、完成することのなかった末成線を走る遊覧車「とことこトレイン」に乗ってきました!

錦川の風景がボディカラー、観光仕様の車内

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まずはJR山陽本線と接続する岩国と錦町を結ぶ、錦川鉄道「錦川清流線」に乗車。

「岩国駅」では、錦川清流線は0番線から発車します。

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止まっていたのは、桜をモチーフにした「ピンク」のかわいい車両。

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さらに先頭には、清流をイメージした「ブルー」のボディの車両が。

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アユやヤマメやオオサンショウウオが描かれていて、こちらもかわいい!

錦川鉄道を走る4両の車両は「清流と奏でる自然の風景」をテーマとした、それぞれ違うボディカラーをまとっているのだそう。他2両は、新緑の「グリーン」と蛍の光の「イエロー」。どこで会えるかな?

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車内はこんな感じで転換できるクロスシートが並んだ、ごく普通の車内。
しかし、私は発見しました!『錦川鉄道すごい!』というポイントを。

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①シートカバーが路線図

シートカバーが路線図だから、今いる場所も次の駅も一目瞭然。観光スポットも紹介されているので、旅行者には特に嬉しいポイントですね。

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②折りたたみテーブルがある

観光列車?いやローカル列車だよね?
全ての座席の前に折りたたみ式のテーブルが設置されていて、写真のようにコーヒーやお菓子も楽々置いて景観が楽しめるのです!
地元のお客さんにも便利で、例えば高校生は机にノートを広げて勉強していました(笑)

車窓に広がる清流「錦川」の絶景

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すでに「神路線だわ」なんて感心しているうちに、出発信号機が青に変わり列車はゆっくりと岩国駅を離れていきます。

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途中の「川西駅」までは、JR岩徳線を走ります。
昭和初期の開業当時は岩国駅であった「西岩国駅」。錦帯橋のデザインが取り入れられた駅舎の外観が特徴的で、登録有形文化財にも指定されているのだそう。

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遠く山の頂上「岩国城」が見えてきました。城のたもとには、あの「錦帯橋」があるのですね。

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これから終点「錦町駅」まで寄り添う「錦川」を横断。

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川西駅に到着。ホームには『錦川清流線起点』と書かれた0キロポストが。いよいよ列車は錦川清流線へ入ります。

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右手に新幹線が見えると、山陽新幹線との連絡駅「清流新岩国駅」。

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しばらくは、田園風景が広がるのどかな景色。

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錦川清流線は、以前は「国鉄岩日線」でした。
岩日線は山口県・岩国駅と島根県・日原駅を短絡する計画で、1963(昭和38)年に川西〜錦町間が開通しました。その後計画は凍結、第三セクターである錦川鉄道に移管され現在に至ります。

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比較的新しい路線のため、高架や高い盛土区間が多く見られるのも錦川清流線の特徴。線内に踏切は2箇所しかありません。
まもなく「北河内駅」、ここで反対列車と交換します。

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田園風景を離れ、山の中へと進んでいく列車。

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先程までとは打って変わり、清流と呼ばれる錦川の美しい景観が車窓に広がってきました!
列車は、錦川の絶景ポイントでゆっくり徐行運転をしてくれます。

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列車から川をのぞくとご覧の通り、透明感抜群!

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北河内駅を出発ししばらく走ると、列車は徐行。右側(山側)に注目するように案内放送が流れてきました。
じーっとみていると…

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一瞬だけど"滝"が見えた!

『清流の滝』と名付けられた高さ25mの五段滝。なんと、沿線周辺の雑木を伐採していたときに滝を発見したのだとか。

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増水時は沈むように設計されている沈下橋。

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ごつごつとした岩場も現れてきました。

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まもなく見えてきたのは、錦川鉄道で1番新しい駅「清流みはらし駅」。
この駅なんと駅にたどりつける道が存在しない、まさに「秘境駅」。イベント列車のみが停車し、錦川の絶景を眺める"だけ"の駅!

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夏は川面に新緑が映り、秋には紅葉で染まる山々、冬には雪景色など、錦川の自然を満喫することができるのです。いつか降り立ってみたいですね。

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錦川の絶景を存分に満喫し、列車は終点の「錦町駅」に到着。岩国から約1時間の旅でした。

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車庫を併設する錦町駅。

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ローカル列車に混じって、イベントに使われる「キハ40」が止まっていました。

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国鉄時代の計画では、島根県まで伸びるはずだった岩日線。途切れた線路は2度と先へ進む事はありません。

 

末成線が観光トロッコに!とことこトレイン

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先ほど書いたように錦町駅から先は建設が凍結された岩日線でしたが、錦町から先も一部区間は路盤が完成していました。
本来は列車が走る予定だった跡地を走るのが、次に乗車する「とことこトレイン」なのです。

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錦町駅でとことこトレインのチケットを購入し、駅から少し離れた"とことこトレイン乗り場"へと歩きます。

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向こうには錦町駅。

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イベント用の「キハ40」も再び見えてきました。
先ほど紹介した「清流みはらし駅」に停車するイベント列車は、まさにこのキハ40を使って運転されます。

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おっ!あんなところに、もう一つの「錦町駅」が!
「とことこトレイン」はここから約6キロ先の雙津峡温泉まで、岩日線が走るはずだった跡地を約40分かけてゆっくりと走ります。

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これが「とことこトレイン」です!
これは、2005年の愛知万博で使用された「グローバルトラム」と呼ばれる車両。2009年からとことこトレインとして活躍しています。

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先頭の電気自動車が、後ろの客車2両を引っ張ります。

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てんとう虫がデザインされていて、かわいい!

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客車はこんな感じ。上に屋根があるだけ。

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窓も何にもないので開放感の何者でもない!存分に自然が満喫できそうです。

トンネル内に広がるのは幻想的な光景

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錦町駅を発車したとことこトレインは、早速トンネルの中へ。全長1796mの「広瀬トンネル」。
暑かった空気が一瞬にして冷んやりしてきました。

しばらく走ると車内の電気が消されます。真っ暗!かと思いきや…

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何やら明るくなってきた!

「きらら夢トンネル」と名付けられたこのトンネル。なんとトンネルがイルミネーションになっているのです!

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トンネルの中で一旦停車。とことこトレインから降りて、この幻想的なイルミネーションをゆっくりと楽しむことができます。

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壁画は、山口県内の大学や地元小学生、幼稚園児などが描いたのだそう。

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すごい!すごい!!すごいよー!!!

なぜ壁画が光るのか。実は6色(赤、青、黄、緑、白、桃)の光る石を使って描かれていて、そこにブラックライトを当てる事でこのように幻想的な光が放たれるのだそう。

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いやー本当に凄かった!!

さて名残惜しいですがそろそろ、とことこトレインに戻ります。

ガタガタ走る、とことこトレイン

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長いトンネルを抜けた、とことこトレイン。

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左側に見えてきたのは、目線の高さまでそびえるコンクリート。
ここには駅を設置する予定だったので、このようにコンクリート製のホームのみが残されているのです。

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青空の下を走るとことこトレイン。

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春になると桜がきれいに咲き誇るのだそう。

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錦町で錦川から離れ、岩日線は「宇佐川」に沿って敷かれています。

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リーフレットに書いてあったのですが、宇佐川は『河川環境基準AA類型』という指定を受けており、山口県で1番きれいな河川なのだそう。

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とことこトレインは、鉄道が走るはずだった路盤に敷いたアスファルトの上を走ります。

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ただ、アスファルトの状態が悪いのか、上下の振動が激しい激しい…。特に高架橋の振動「ガタガタ」と体が軽く宙に浮きそうなぐらい(笑)
ガタガタと走る様子も『とことこトレインの風情』だと思って、楽しんでみて下さい!

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向こうに集落が見えてくると、まもなく終点の「雙津峡温泉 (そうづきょうおんせん)」に到着。

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ロータリーになった場所で、とことこトレインは10分ほど停車。
そばにトイレがあるので、お手洗いはこの時間に済ませましょう。

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とことこトレインは再び、元来た道を戻って行きます。

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錦町から雙津峡温泉まで、往復で約1時間30分の旅でした。

上流から下流そして錦帯橋へ、清流錦川を満喫

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次の岩国行きまで時間があったので、錦川沿いを少し散策。
鮎釣りかな?向こうでは川釣りを楽しむ人が。

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川底がこんなにきれいに見える!透明感抜群です。

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夏の暑い日でしたが、川縁は涼しく感じられました。

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再び「錦町駅」へ。

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帰りの岩国行きは、往路で乗車したサクラ色の車両。

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今度は、山口県を代表する観光名所を目指して、途中の「清流新岩国駅」で下車。
待合室には以前の駅名「御庄駅」の看板があります。

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列車を見送り、新幹線の「新岩国駅」を目指して歩きます。

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新幹線の駅までは、連絡通路を歩いて約10分。コンテナ列車の車掌室を改造した待合室が遠ざかっていきます。

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国鉄時代の懐かしい文字サインが残る、山陽新幹線の「新岩国駅」。ここからバスで錦帯橋へ。

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錦帯橋へは錦川清流線と岩徳線の「川西駅」から徒歩でも行ける距離ですが、この日は気温が35度を超える猛暑日。大事をとって、新岩国からバスで移動したのでした。

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美しい5連のアーチ。

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精巧な木組みが整然と並ぶ姿。すごい。

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清流「錦川」を上流から下流そして錦帯橋まで楽しんだ、今回の旅。皆さんもぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか!

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