昨日は、KATO製のEF510-1で不動となった原因が、モーター本体であることまでは突き止めることができました。不動の原因がモーターのブラシの摩耗ではないかと推測はしましたが、フライホールが外せないため、モーターを分解することが困難で、内部を確認した訳ではありません。
左側が分解困難なEF510用のモーター、右側が以前にKATO製の電車で不動になったモーターです。電車用は通電して回転軸を指で回しても全く回転しませんので症状は異なりますが、電車用はフライホイールが付いていないタイプですので、こちらは分解できそうです。
電車用モーター(下側)は、ジョイントへの伝達用として黒色樹脂製のアダプターがモーターの回転軸に挿してあり、指で簡単に引き抜くことができました。
モーターの右側外装は金属製カバーになっており、カバーの先端にある爪を折り曲げてブラシケースと接続してあります。この爪を起こすことで、ブラシケースを取り外すことが出来ました。モーターの回転軸に嵌められた整流子(円形の銅色箇所)で、ブラシが接触していた痕跡(黒ずんだ傷痕)が見られます。
ブラシケース内部の左右にあるブラシを確認すると、左側には銀色に見えるブラシの頭が確認できますが、右側にある筈のブラシが見当たりません。ブラシは内蔵されたバネにより、モーターの回転軸に嵌められた整流子の表面に押し付けられる構造になっています。
左側に見えているブラシの頭をピンセットで押してみると内部に引っ込み、ピンセットを離すとブラシはバネで押し出されてきました。右側のブラシは見えていませんが、内部に首をすくめた状態で引っ掛かったまま止まっており、バネが効かない状態になっていました。これではモーターとして機能しないため、回転の仕様がありません。通電して指で回転軸を回しても、回転しなかった事実が裏付けられました。
EF510用のモーターは、通電して回転軸を指で回すと回転し始めるので、ブラシ自体の異常ではなさそうです。5分割された整流子(5極)に接続されているコイル用電線の1ヶ所が断線しているのか、整流子の1ヶ所に異常(傷による接触不良)が生じているのかも知れません。これならば、私には修理不可能ですので、きっぱり諦めがつきます。
40年近くNゲージを運用してきた中で、KATO製の動力車を非常に多く所有していますが、同社製モーターが不動になったのは、この2件だけです。
【関連記事】
KATO 不動になったモーターを分解してみた