Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

1.1万円のギャンブルKATO8620デフ外し

ハチロクとは60年代後半から70年代初頭の旅の途上で少なくとも十数度遭遇しており、デフなしは遠くからすぐソレと解り、デフ付きは「何だろう?アッ、ハチロクか~」で、デフ有無比率はほぼ半々だったと記憶してます。 個人的にはデフなしの軽快な姿が好きです。

【『KATOハチロク2両届いてたけれど・・・』より転載】
キューロクデフ付きは見た事あっても全く似合わず願い下げ、でもハチロクならデフ付きも許容範囲とKATO 8620東北仕様を2両購入しました。 購入後ハチロクが活躍した花輪線/五能線の画像検索すると全てデフ付き、ほぼ半々の記憶と違うと???になりました。

【入替機用にデフを外したD51】・・・鉄道P誌より
どうやらその答えは当時生き残りハチロクの多くが入替機として使われたからの様で、駅構内入替作業には視界確保の作業性や安全上からデフが邪魔になるからです。 その証拠に当時吹田第一機関区で入替機運用されてた複数のD51はデフなしの珍しい姿をしてました。

【前回更新より転載】
俯瞰アングルはOKでも低い目線だとデフが邪魔で気になります。 当社ハチロクは時代を少し巻き戻した本務機用で、事実は事実として好みに合わせたアレンジはレイアウト製作者の特権、2両購入はデフ除去下心あっての事と、ウデも顧みず無謀な挑戦をしました。

外形から見る限りデフはランボードに乗る形で造形されてます、接着組立と仮定すればデフ除去跡が酷い状態でない限り可能と考えました。

通常工具の他にフィギュア台座接着用のクッション付きピンセットを動員しました、ボディに傷を付けない配慮です。
また小型で切れ味鋭いホビー用ニッパーを新たに購入しました。

まずはデフキャブ側ランボード接続部を上記ピンセットで摘まんで少し捲って除去跡確認を行い、その結果でGo/No go判断の魂胆でしたがいきなりデフステーが折れました。 こうなると前進しかありません、まっ最初からその腹でしたけどね(笑)

前方ステーをデフ側でニッパーカットし、デフをピンセットで押さえゆっくりこじって外しました。 前部デッキコーナーポール、ステップ、開放テコ等微小部品があると解ってても見えないのだから始末が悪い、手元照明で顔近付けて細心の注意を払い作業しました。

残ったデフステーを切り揃え反対側も同位置で2本切断、デフをゆっくりこじってたら突然煙室扉と前部デッキが外れました。 前部デッキとデフは接着、前部デッキは煙室扉で押さえる構造と解りました。

ここで写真を見て妙な事に気付きました、デフ外したランボードはどうなってる?です。 良く見ると前部デッキの特徴あるRのランボードはありますが上図黄色部分のランボードが欠損してます、何処へ行った?

[取り外したデフ裏側]
答えはコレ、取り外したデフ裏にランボード端が別部品接着でなく一体成型されており、外観に見えるラインは成形装飾ラインでした。 狭軌ハチロクを標準軌(N)で模型化すると動輪/ロッド類か大きく外へ張り出す事に対処する構造設計上の工夫だと思います。

計測するとデフ厚0.4mm、ランボード部は内側張り出しがあり1.2mmでした。 デフに隠れるランボード面の網目処理は省略されてます。

仮にランボード/デフ境界を切断してもデフ一体なのでボディに残らず接着が必要です。 欠損部分完全修復には横から見たランボード端の0.2tx0.7mmL材と0.25-0.3tx1.2mm幅網目板が必要で、入手できても当社技術陣の加工能力が遠く及ばないと諦めました。

前部デッキを煙室に嵌め込み煙室扉の角度を合わせパチンと押し込んで再組完了、ステー跡4ヶ所は揃ってるので一旦このままにします。 真上から見ると実際は奥で見えないハズのロッドがランボード欠損部から見え気になりますが、「N」なので仕方ありません。

ケースに戻して真横から見るとランボード欠損部が目立ちません。 まずはレイアウト上の見え方やステー除去跡どうするか等現場確認します。

当記事最初の掲載画像と同アングルです、細いボイラーがハチロクらしさをアップさせてくれました、デフステー跡も悪影響ありません。

ボディディテールが際立つ夕景にすると更に差が顕著になります、遠目シルエットですぐ「ハチロク!」と解る姿になりました。

一番多い鑑賞ポジションで駅構内に置いて見ました、気にしてたランボード部分欠落は良く見ない限り解りません。 ところがこれまで気付きませんでしたが、前部デッキデフ除去跡R部が少し白く見えます。

問題発見部分を拡大するとデフ除去跡断面が白くなってます、そして反対側は更に白く見えます、見逃してたのかと既掲載写真見直してもほとんど白くありません。

反対側からの拡大写真では白さ加減が逆転しました、塗装剥げでなく反射成分を含んだ接着剤カスが残っており、光の当たり方で見え方も変わる様です。 いずれにしても甘い当社施工基準でもこれはNG、要修正です。

煙室扉を外し前部デッキをキューブ材に仮固定して修正作業です、コーナーポール折らない様に動きはデッキ前方から後方の一方向制限です。

小型カッター替刃先端で削りタッチアップしました、見えてるかどうか半ば勘頼り作業でしたが、拡大写真でこの程度ならヨシとします。


実はこの修正作業で右側クロスヘッドとコネクティングロッドカシメが外れ現在KATO修理工場行になってます、ランボード欠損部から力が加わったハンドリング問題の様です。

と言う訳でデフ有無ツーショットは修正前です。 1.1万円ギャンブルは勝ちか負けか?、判断は読者にお任せしますが、自己採点は90点の大成功、大正生まれの香りがするオリジナルハチロク誕生と喜んでます。


ではまた。

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