KATO製のEF510-1(品番3051-1)を所有しており、2006年に発売されたEF510の初回製品です。この機関車は、2012年にリサイクルショップにて中古のジャンク品(前面テスリの折損と動作未確認)を購入したものです。購入直後は問題なく走行していましたが、暫くすると動作が不安定となり、昨年には走行状態から停車させ、逆方向に推進走行させようとしたところ、ヘッドライトは点灯するも何れの方向にも全く動かなくなってしまいました。

 

ヘッドライトは点灯しますが、不動のため休車状態で留置(放置)していました。

 

改めて故障の原因究明と修理を行うことにします。

分解してモーターを取り出しました。

 

回転可能な電圧をモーターに通電してみましたが、モーター単体でも回転しません。この状態で、フライホイールを指で軽く回してみると、モーターは何事もなかったようにスムーズに回転し始めました。一旦電源を落としてモーターを停止すると、再び通電しても回転せず、フライホイール回転の手助けが必要です。

 

これに似たような症状のモーターを、KATOのユニクリーナーに浸すと、ブラシ部分に溜まったカーボンの汚れが取れて機能回復したと投稿されている記事を見たことがありますので、試してみることにしました。

塗料のスペアボトルに、モーターのブラシ部分が下側になるように入れて、ユニクリーナーをブラシ部分が完全に浸る程度まで入れて浸しておきます。撮影時にはビンに蓋をしていませんが、ユニクリーナーは揮発性が強いので食品用のラップフィルムで蓋をして、ユニクリーナーの蒸発(気化)を防止しました。


小一時間浸しておきましたが、途中でフライホイールを指で回転させてブラシ部分の汚れが剥がれ落ちるようにしてみました。終了した時点でビンの底には何も溜まりませんでした。ユニクリーナー自体が引火性の強い有機溶剤であるため、清掃が終了して取り出したモーターは、テッシュペーパーで液体分を拭い、風通しの良い日陰で十分に乾燥させてから、動作確認を行いました。

 

モーター単体で動作確認をしましたが、残念ながら清掃前と状態は変わりませんでした。浸した時間が短か過ぎたのかも知れませんが、原因はカーボンの汚れではなくて、ブラシ部分の消耗(摩耗)の可能性の方が高そうです。これは修理できませんので、代替モーターを探すことにしました。

 

KATO製のEF58のモーターの外観が、EF510用に良く似ていましたので、EF58-35 長岡用の動力ユニット(品番3056B)から、モーターを取り出しました。左側がEF510用、右側がEF58用です。外形・寸法とも一致していますので、これを取り付けてみたところ、空転するばかりです。

 

 

 

左側がEF510用、右側がEF58用の回転伝達用のジョイントで、明らかに形状・寸法が異なっています。

 

左側がEF510用、右側がEF58用のフライホールの断面です。中心にジョイントを挿入するための穴が開けてありますが、穴形状が異なっていました。EF510用は細いジョイントに対応した穴が入口付近から六角形に開けてあり、EF58用は穴径がEF510用よりも大きく、入口付近は丸穴で、奥まったところから六角形になっています。これでは空転する筈です。フライホイールを付け替え出来れば良いのですが、専用工具も技術力もありませんので、EF58用モーターの転用は諦めます。

 

清掃が終わったEF510用の動作不良モーターを組み戻して通電してみました。ヘッドライトが点灯するだけでモーターは回転しません。ライト基板の角穴から見えているフライホイールをマイナスドライバイーの先端で軽く回転させると、モーターが回転し始めスムーズに走行しました。従って、モーター交換しか方法はないようですが、代用できるモーターの手持ち品がないので、メーカーに修理(モーター交換)を依頼するしかなさそうです。

 

今日は終日晴天で塗装日和でしたが、この修理に予想以上の時間を取られ、終了したのが既に夕方。夕方からは風も出てきて、予定していた横浜線用103系の塗装は出来ませんでした。

 

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