皆さま、おはようございます!
今から4カ月前のこと。
石川県七尾市の会社さんの敷地で眠る貨車の廃車体の撤去が決まり、
保存先を探している旨をブログにUPしました。
この貨車は日本の鉄道の黎明期にイギリスから輸入された「タ600」で、
現存する貨車としては国内最古級という貴重な代物なのです。
このたび貨物鉄道博物館で保存が決まり9月10日に搬入されました。
戴いた現地の画像を交えながら、ことの経緯をお伝えしたいと思います。
まずはタ600の撤去が決まった情報を知った経緯から。
保存が決まったタ600のタンク体は、
昭和59年に廃止された七尾線貨物支線の七尾港駅に近い、
石油製品を販売する共立商事さんの敷地で保管されてました。
このタンク体の存在を世に知らしめたのが、今から約20年前に刊行された
レイルマガジン誌「トワイライトゾ~ン・マニュアル10」に掲載された、
第一発見者の浦田さんが執筆された記事です。
明治時代のタンク車が現存している事実に衝撃を受けたファンの皆さん、
きっと多かったのではないでしょうか?
自分はこれを見るために共立商事さんを10年前に初訪問。
以来、北陸を旅する際は必ずここに立ち寄ってました。
こんな貴重なタンク体、他所じゃ見ることが出来ませんからね。
そして今年の5月のこと。
タンク体を所有する共立商事さんからメールが入ったのです。
タンク体を撤去することが決まり
保存先があれば教えてほしいとのことでした。
マジっすか…
そこで、詳しい事情を知るため6月に七尾市を再訪したのです。
こちらはその時に写した写真。
状態が非常に良いことがわかりますよね。
頭が潰されたリベットに注目です。
貨車として現役だった頃は、
タンク体と台枠を固定する帯金がここに架けられていた証ですぜ☆
錆止め塗料が厚塗りされているので表記は失せてますけど、
そのお陰で、タンク体は腐食することなく現役時代の姿を留めてます。
コレを見てうっとりしちゃうのは自分だけじゃありませんよね?
この日は共立商事の社長様が対応してくれました。
敷地を整地するためにお盆明け(8月半ば)にタンク体の撤去が決まり、
保存先を探しているとのこと。
タンク体が貴重な代物であることは会社としても認識しているため、
JR西日本や大宮の鉄道博物館にも保存話を持ち掛けましたが、
実現に至らなかったそうです。
そこで自分のブログを見つけ連絡したとのことでした。
なお、敷地にタ600が保存された経緯について知る社員さんはおらず、
七尾港駅が現役の頃に使われていた貨車が譲渡されたのでは?
という話だけが言い伝えられていたみたい。
タ600が廃止されたのは昭和43年ダイヤ改正以前ですから、
これは仕方がありませんわね。
自分に保存先の宛てはないので、出来ることはSNSでの告知です。
そこでブログとTwitterで情報を拡散させて頂きましたが…
実はそれ以前から、貨物鉄道博物館の浦田さんと吉岡新平先生が
保存に向けて動かれていたそうで。
SNSの告知後に貨物鉄道博物館さんとやり取りしたことから、
そんな経緯があったことを知りました。
そこで、これ以上の情報拡散は
保存に向けて動いてらっしゃる貨物鉄道博物館の現場を
混乱させるだけと判断し、
以後は共立商事さんと浦田さんから情報を戴くだけにしたのです。
その結果、共立商事さんと貨物鉄道博物館さんとの間で
譲渡話が無事に締結。
本来は8月半ばだった撤去の期日を1か月延長し、
9月9日に無事に作業を終えた旨を共立商事さんからご報告頂けました。
タ600は翌日の9月10日に貨物鉄道博物館に到着したそうです。
移動にまつわる2枚の写真は浦田さんから戴きました。
浦田さんのお話によれば、
今後は現役時代の姿に復元することも検討中だそう。
そのためのクラウドファンディング立ち上げも
計画しているそうですので、
情報が入ればここでもご報告させて頂きます。
タ600がこの先、どんな姿を見えてくれるのか…
今からワクワクが止まりませんね!