「関西近郊 休日ぶらり旅きっぷ」の研究。おトクだけれど、クセがある

上手に使おう

JR西日本が「関西近郊 休日ぶらり旅きっぷ」を発売開始しました。関西広域の普通車自由席が乗り放題で、1日用と2日用があります。

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敦賀、赤穂、和歌山まで

「関西近郊 休日ぶらり旅きっぷ」は、JR西日本が期間限定で発売する企画きっぷです。大阪を中心に敦賀、柘植、播州赤穂、和歌山、福知山などまでが含まれる自由周遊区間を、1日または2日間乗り放題になります。また、自由周遊区間内でレンタサイクルを1回に限り利用可能。レンタカーの割引もあります。

利用できるのは9月19日~12月20日です。発売額は1日用が2,600円、2日用が4,500円です。きっぷの概要は以下の通りです。

関西休日ぶらり旅きっぷ
画像:JR西日本

■発売期間
2020年9月18日~2020年12月19日
※発売期間中の利用日の1 ヶ月前から前日まで発売
※2日間用は12月18日(12月19日利用開始分)まで発売

■利用期間
2020年9月19日~2020年12月20日の土休日の1日または連続する2日間

■発売箇所
インターネット予約「e5489」と、発売・受取エリア内の主な駅のみどりの券売機

■受取箇所
発売・受取エリア内の主な駅のみどりの窓口、みどりの券売機

■価格
・1日用 大人2,600円、子ども1,300円
・2日用 大人4,500円、子ども2,300円

■自由周遊区間と発売駅
下図の通り。きっぷの発売エリアと自由周遊区間(フリーエリア)が異なるのでご注意ください。

関西休日ぶらり旅きっぷ
画像:JR西日本

71km往復で元が取れる

インターネット専用商品ではなく、京阪神奈和エリアの駅の指定席券売機でも購入可能です。ただし、発売は前日までです。

1人からでも利用でき、発売前日までネットや券売機で購入可能と、比較的利用しやすい商品です。1日券の場合、単純往復で片道1,300円以上の区間なら元が取れます。幹線の場合、片道71km以上の区間です。

おおざっぱにいうと、大阪を起点にして、野洲、加古川、谷川以遠、天王寺を起点にして伊賀上野、海南以遠なら71km以上です。海南は自由周遊区間外ですが、それ以外はエリアの外縁まで往復すれば元がとれます。

自由周遊区間は、東西に長いのが特徴といえます。このため、大阪から姫路や米原あたりへ往復するなら、それだけでお得です。

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福知山まで行ける

関西の普通列車乗り放題きっぷと言えば、季節ごとに発売される「関西1デイパス」が思い浮かびます。それに比べると、福知山周辺がフリーエリアの入っているのが嬉しいところ。価格的も関西1デイパスより安く、JR線だけを乗り回るなら、「関西近郊 休日ぶらり旅きっぷ」がお得です。

2日用は4,500円ですので、片道2,310円にあたる121km以上を単純往復すれば元が取れる計算です。大阪起点では、最も遠い播州赤穂や敦賀まで行って元が取れるか取れないか、という価格です。

したがって、2日用は単純な往復旅行には向きません。自由周遊区間で何度か乗り降りする旅行に向いていると言えます。

特急には乗車不可

注意点として、新幹線、在来線特急には乗車できません。別途特急券類を購入しても乗車できません。乗車の際には特急券のほかに乗車券も必要で、要するに新幹線・特急に乗る場合は「関西近郊 休日ぶらり旅きっぷ」は無効になってしまいます。

また、発売エリアと利用エリアがかなり異なるのも要注意。姫路や米原、福知山などでは購入できません。つまり、これらの場所から「週末に大阪に行く」のは使えません。京阪神奈和エリアから出発するきっぷです。

レンタサイクルが無料で借りられるというのもポイント。彦根、姫路、奈良といった、自転車で回るのに便利なサイズの観光地などに設置されています。無料レンタサイクルに乗ってみるのも、きっぷを活用するポイントかもしれません。

上手に使えば、かなりおトクなきっぷです。ただ、ちょっと「クセ」のあるきっぷともいえそうです。(鎌倉淳)

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