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地元の電化区間を縦横無尽に走る、赤いアイツが名門KATOからもリリース。まずは3+3の6両セットが特別企画品として先行発売された。

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製品名にわざわざ<Red Wing>という愛称を付けるのが粋である。

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ケースの中身。付属品の収納スペースがかなり大きめに取られている。また、最大8両運転を行うことを想定して、2両分の収納スペースもある。

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付属品その1。いつものドライバの他、以下の部品がそれぞれ4式ずつある。
・2段式電連パーツ
・前面行先表示(無地)
・前面行先表示「R普通|岩国」
・前面行先表示「Y快速|広島」

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付属品その2:羽根4両分
驚いたことに、中間用(ゴム部分のないやつ)は銀色である。説明書によれば、編成中間に入れる場合も先頭用の幌を使うとのこと。中間用は急カーブで干渉するときにだけ使うらしい。だからと言って赤色塗装まで省略しなくても・・・。

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付属品その3:行先表示シール。収録内容がかなり豊富である。
・R普通|徳山・・・・・6両分
・R普通|岩国・・・・・8両分
・R快速|岩国・・・・・8両分
・G普通|糸崎・・・・・8両分
・G快速|糸崎・・・・・3両分
・普通|福山・・・・・・4両分
・Y普通|広・・・・・・6両分
・Y普通|三原・・・・・3両分
・Y快速|広島・・・・・6両分
・B普通|広島・・・・・3両分
・B普通|あき亀山・・・3両分
・がんばろう!広島・・・8両分

個人的に、G快速|糸崎が収録されていることには驚いた。この表示は、山陽線上り快速ではなく、広島発呉線経由糸崎ゆきの快速が、海田市を出た後で見られるものである。また、西日本豪雨後しばらく見られた「がんばろう!広島」表示もあるのには感心した。カープ坊やは流石に版権の都合上ないようだ。

その割に、比較的メジャーな「R快速|広島」「G普通|白市」「Y快速|広」がなかったり、可部線の分が3両分しかなかったりと、妙に間が抜けている所もある。再現したい場合はシールの切り継ぎを行うしかないってことだろう。


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この6両セットは、A41編成とA36編成の2本がプロトタイプ。写真では共にA41編成になってて申し訳ない・・・。
KATOは近車製の車両を製品化することが多い(と筆者は思っている)が、この2本は共に川重製。元々川重製をよく製品化している(と筆者は思っている)TOMIXに対し、真っ向勝負を仕掛けたのだろうか?


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クモハ226
下り側先頭車。6両セットでは36・41の2両が含まれる。

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クモハ227
上り側先頭車。こちらも36・41の2両が含まれる。

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モハ226-36
特別企画品だけに含まれる、動力なしの中間車。

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モハ226-41
模型ではこの車両が動力車。特別企画品であるこの製品では、スリップ防止バンドが装着されている。また、実はある部位が実車と異なっていたりする。詳細は後述。




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各車両の妻面。右からクモハ226、モハ226下り側、同上り側、クモハ227となる。各車両ともワンマン運転用の視認窓が再現されている。貫通扉のガラス部は、実車に対して大きすぎるような気がする。

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ヘッドライト・テールライトが美しく点灯。ちなみに写真ではオプションの室内灯も取り付けている。また、出荷時の前面行先表示は「G普通|糸崎」である。TOMIXが「R普通|岩国」なので、すれ違いを意識したのだろうか?

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テールライトは、斜め上30度ぐらいからだと美しく光って見える。TOMIXではここがかなり暗かったので、この面ではKATOにアドバンテージがある。

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先頭車同士の連結状態。連結間隔はかなり広い。さらに、クモハ227に貫通幌パーツは取り付けられないため、貫通幌が片方の先頭車にしか無いという中途半端な格好になってしまう。
後発にも関わらず、これらの点でTOMIXに対して大きく差を付けられているのが残念な所。

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床下を見てみると、間隔が広い理由が分かった。先頭部カプラーが、前側にせり出して使う古いタイプのやつだからだ。225系の部品を流用しているが故のことだろう。

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ただし、メリットもある。カプラーが前側にせり出したことによって、電連パーツがスカートに干渉することがなくなった。なので中間に入る場合でも電連パーツを付けたまま対応できる。

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また、広い連結間隔を活かして、羽根のディティールを損ねることなく、先頭車同士の連結状態を再現できる。そういった面では、羽根のゴムを犠牲にしてまで短い連結間隔に拘ったTOMIXとは対照的と言えるかもしれない。

ちなみに写真は、半径315mmの曲線上での様子を内側から見たときの状態である。おそらく半径280mm程度までなら接触を回避できると思われる。筆者は半径315mmより小さいカーブ線路を持ってないので、あくまで個人的推定である。

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各種表記やロゴも印刷済。さすがにシティネットワークのロゴや横ストライプの表現は苦しいようで、それぞれストライプの本数が実車より1本少ない。まぁ、模型であの細さを再現しろというのも酷か・・・。

台車は323系の流用ではなく、軸ダンパのついた専用品となっている。

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パンタグラフやクーラー等。クーラーは521系と共通らしい。

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お気づきの方もおられるかもしれないが、モハ226のM車床下は実車と明らかに異なる所がある。
それは、実車にないはずの空気圧縮機がついていること(写真右端)。これはおそらく、225系100番台や323系のパーツを流用しているが故に起こったことだろう。

この件に関しては、225系0番台や321系の動力車の床下カバーに交換すれば解決する・・・と思っていたが、それも違った。モハ320・モハ225-500動力車の床下パーツには、以下の機器がないのだ。
・車両異常挙動表示器(車両制御装置の左隣にある、細長いやつ)
・蓄電池箱(空気圧縮機横にある箱)

結局、どちらの部品を使っても実車通りにはならないとのことで、KATOとしては世代の近い225系100番台・323系のパーツを使うことにしたのだろう。最も、台車を新規製作するのであればここも新規で作ってほしかったのが本音だが、これ以上言うと怒られそうである…

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モハ226のトレーラー車に関しては、実車通り空気圧縮機はない。ちなみに車両制御装置は三菱製。KATOのJR西日本車は、三菱製の制御装置を搭載した車両がよく製品化されている気がする。

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製品化発表から試作品登場までは、その完成度を期待してTOMIXを圧倒するのではないかと期待されていたKATOの227系。だが実際はそういう訳でもなく、いま一歩及ばない点がちょくちょく見受けられた。良くも悪くもKATOらしい所が垣間見えた製品だと思っている。







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2020/10/15追記
2両増結セットも購入して、8両編成にしました。

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2両増結セットの付属品は以下の通り。

・説明書
・前面行先表示パーツ3種類
 ○「G普通|糸崎」
 ○「B普通|あき亀山」
 ○  無地
・羽根パーツ2両分
・電連パーツ2両分
・ドライバ
・行先表示シール4両分
 ○「R普通|岩国」
 ○「G普通|岩国」
 ○「Y普通|広」
 ○「B普通|広島」
 ○「B普通|緑井」
 ○「B普通|あき亀山」
 ○「B快速|梅林」←平日朝しかないやつ。レア!



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クモハ226-80(写真は-36で代用)
下り側先頭車は各セット共通形態。2両セットはS16編成がプロトタイプ(実車は2016年2月製造)。

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クモハ227-80【M】(写真は-41のボディを装着)
2両セットではこの車両が動力車です。

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動力ユニット部は同社お得意の0.5M構造。トラクションタイヤは車両内側の動輪に1つ取り付けられています。牽引力は4%勾配上で2両編成を動かせるのに最低限必要な分しかありません。

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先述した通り、今回導入した2両は既存の6両の増結分として導入しております。8両編成中に動力車は2両もいらないので、今回導入したクモハ227-80については電装解除を実施。モーター・ドライブシャフト・ウォームギアを撤去するだけのやっつけT車化です。

このケチケチ戦術は以前にもご紹介しました。



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やったね!KATOの227系が車番違いで8両揃ったぞ!!!






2022/8/22追記
その後、室内灯取り付けややっつけT車の完全T化などを行いました。