関東鉄道 社線内発着 金額式乗車券の変化 補遺 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

連日にわたって関東鉄道竜ヶ崎線関連の券をご紹介しておりますが、当初は竜ヶ崎線開業120周年を記念いたしまして、「龍崎鐵道」→「鹿島参宮鉄道」→「関東鉄道」と会社名の変遷の券を中心にご紹介し、「関東鉄道」となってからは、これまでに社線内片道乗車券の相互式から金額式への変化と、金額式の様式の違いをご紹介してまいりました。

 

一連のエントリの始まりが竜ヶ崎線開業120周年であったため、関東鉄道となってからも竜ヶ崎線の券のみでエントリを構成してまいりましたが、お題が社線内金額式乗車券の変化に及んだ時点で、壁にブチ当たりました。

 

壁と申しますのは、関東鉄道となってからは竜ヶ崎線だけに限らず、常総線、筑波線、鉾田線の社線内の乗車券の様式の変遷は、殆ど同じになったものと見受けられ、特に社線内金額式乗車券の変化については同一歩調で変化して来たものと考えられ、先に申しましたように、これまで竜ヶ崎線の券のみでエントリを構成しておりましたが、竜ヶ崎線での発売例は持っていないケド、他線区での発売例を持っている例が出て来てしまったのです。

 

どうしたものか・・・と考えましたが、線区は違っても同じ関東鉄道の券ですし、様式の変化を辿る上では外せない!と思いましたので、補遺としてご紹介する事にいたしました。

 

前置きの御託が大変長くなりましたが、拙ブログの2020年9月11日のエントリ「関東鉄道 社線内発着 金額式乗車券の変化」でご紹介いたしました券の画像の再掲です。

 

 

 

前回のエントリの券を見る限りでは、「竜ヶ崎から」が「竜ヶ崎→」に変化した際に「関鉄線」の記載が追加されたのか?と考えてしまいますが、この間にもう1つの様式の券が存在しておりました。

 

 

 

 

 

昭和51年4月24日に筑波線の常陸小田駅で発行されました金額式乗車券です。

 

 

発駅表記は「常陸小田から」と「→」表記になる前ですが、「関鉄線」の記載が印刷となっており、再掲した画像の2種類の間に登場した様式と考えられます。

 

これにより、関東鉄道の大人・小児用の社線内金額式乗車券は、登場当初から様式が安定するまでに3回の様式変更が短期間に行なわれ、4種類の券が出ている事になります。

 

社線内金額式乗車券の(関東鉄道)の社名表記位置は、相互式乗車券が中央であったため、金額式化当初の券は社名表記位置が中央で、後に左側となったものと考えていた時期がありましたが、現実には金額式化当初の券は社名表記位置が左側で、その後に中央に移ってから再び左側に戻っている事になり、「→」表記になる以前に「関鉄線」の記載が追加されている事になります。

 

 

 

 

 

続きまして、拙ブログの2020年9月14日のエントリ「関東鉄道 社線内発着 金額式乗車券 小児専用券の変化」でご紹介いたしました券の画像の再掲です。

 

 

 

こちらもこの間にもう1つの様式の券が存在しておりました。

 

 

 

 

 

昭和52年2月27日に筑波線の雨引駅で発行されました小児専用の金額式乗車券です。

 

 

発駅表記は「雨引から」と「→」表記になる前ですが、こちらも「関鉄線」の記載が印刷となっており、やはり再掲した画像の2種類の間に登場した様式と考えられ、大人運賃の併記は無く、小児運賃のみの記載となっています。

 

これらの券を見る限りでは、「→」表記になった際に小児専用券にも大人運賃が併記されるようになった可能性が高く、社線内金額式乗車券の小児専用券は、登場当初から様式が安定するまでに3種類の様式の券を確認しておりますが、(関東鉄道)の社名表記位置が中央となっている小児専用券は未見で、短期間に様式の変更が続いたため、発売枚数の少ない小児専用券は、大人・小児用の様式に準じた券が出ていないか、例え出ていたとしても非常に少ないものと思われます。