JR東日本のニュースリリース(→こちら)によれば、新型コロナウイルス感染防止の観点から導入が延期されていた小海線での無線式列車制御システム(*1)を、2020年10月12日に導入すると昨日(2020年9月15日)発表されました。(*2)

 *1 https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200310_ho01.pdf

 *2 https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200915_ho01.pdf

 

JR東日本での無線式列車制御システムは、仙石線で実証実験を行った後に、2011年10月から仙石線で初めて実用化された方式で、2017年11月から埼京線にも導入されたことが知られています。何れもATACS(Advanced Train Administration and Communications System:アタックス)と呼ばれる方式です。簡単に言うと、地上設置の信号システムに依らず、列車が自身の走行位置を無線で地上に送信し、その位置情報を元に何処まで進んで良いかを示す地上からの情報を無線で受信する方式です。地上に信号設備が不要なことから閉塞区間がなくなり、列車間隔を最大に詰めて効率よく運転できるシステムで、列車制御専用の無線システムが欠かせないことになります。

 

難しいことはさておき、無線式列車制御システムが導入されると、専用の無線システムを使用することから、車両の外観上では専用の無線アンテナが追加されるということになり、仙石線や埼京線の模型車両にもATACS用の専用アンテナが追加されています。

KATO 205系3100番台(仙石線)4両セット(10-257/294) のクハ204では、連結面寄りにATACS用アンテナが2基搭載されています。

 

仙石線クハ204を側面から見た姿。

 

KATO E233系7000番台 埼京線 基本6両セット(10-1630)のクハE232/E233では、運転台寄りにデジタル列車無線アンテナ2基が前後方向にあり、その後方にATACSアンテナが斜めに2基搭載されています(当該車両を所有していないため、ATACSアンテナを仮置きしたイメージ写真で代用しています。KATO ホームページに製品写真が掲載されています →こちら )。

 

小海線ではキハ110系100番台とキハE200形が運用されていますが、流石にATACSアンテナを搭載した同製品はまだ無いようです。