関東鉄道 社線内発着 金額式乗車券 小児専用券の変化 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

関東鉄道の社線内発着の金額式乗車券で、小児専用券の変化です。

 

◆昭和49年9月25日発行

 

 

社線内発着の金額式乗車券で最も初期の様式と考えられる券で、「関鉄線」の記載が無く、運賃は「20円区間」と小児運賃のみの記載で、大人運賃の併記はありません。「小」の赤文字は相互式乗車券だった時代と同じように、角張った「小」となっています。

 

この券は竜ヶ崎~入地の小児用の券で、隣接駅間の券となるため「下車前途無効」の記載がありませんが、発行日は昭和49年9月25日で、翌日の昭和49年9月26日に運賃改訂が実施されて、同区間の小児運賃は30円に改訂されますので、相互式から金額式に切り替わったものの、運賃改訂後は該当運賃区間が無くなったため、廃札になったものと考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

◆昭和51年1月9日発行

 

 

「関鉄線」が印刷されるようになり、運賃は大人運賃が大きく記載されて、その下に小児運賃が小さく記載されるようになり、後の券の運賃と同じ記載方になりましたが、「小」の赤文字は角張った「小」となっています。

 

拙ブログの2020年9月11日のエントリ「関東鉄道 社線内発着 金額式乗車券の変化」にて、「竜ヶ崎→関鉄線50円区間」の大人・小児用の乗車券について、「昭和49年9月26日の運賃改訂で、竜ヶ崎~入地間の運賃が「40円」から「50円」に改訂されたため、最初にご紹介いたしました「竜ヶ崎から 50円区間」の乗車券は廃札とならずに、初期の様式の券のまま、入地着の乗車券として運賃改訂以降も発売が継続されています。」と申しましたが、この小児専用券には「下車前途無効」の記載がありませんので、印刷漏れで無い限りは、大人・小児用の乗車券のように、運賃改訂前の竜ヶ崎~佐貫間の小児専用券の継続発売では無く、竜ヶ崎~入地の小児運賃が「30円」に改訂された運賃改訂で調製された券と考えられます。

 

また、「下車前途無効」の記載の無い券は、記載位置の「発売当日限り有効」の右側が空白となり、発行箇所の記載位置は、「下車前途無効」の記載のある券と位置は変わらずに、1行下に中央に記載されるのが普通ですが、この券は「下車前途無効」の記載の無くなった位置に「竜ヶ崎駅発行」の記載が繰り上がっており、結果として印刷行が1行少ない変則的な様式の券となっています。

 

 

 

 

 

◆昭和53年8月17日発行

 

 

当時の竜ヶ崎~入地の乗車券で、隣接駅間の乗車券のため「下車前途無効」の記載は無く、「小」の赤文字は角張った「小」から角が丸くなった「小」に変わっています。

 

 

 

 

 

◆昭和57年4月9日発行

 

 

関東鉄道では、最も多く見られる小児専用券の様式となります。

 

 

 

 

 

◆平成10年8月7日発行

 

 

2020年9月12日のエントリ「関東鉄道 社線内発着 金額式乗車券の差異」の末尾でご紹介いたしました、昭和から平成に入った頃から登場いたしました、「発売当日限リ有効」の部分が通常の活字の組版と見受けられる券の小児専用券となります。