アストラムライン新型車両、第2期分も三菱重工グループ受注 従来車の引退が前倒しへ



三菱重工業は9月10日、同社グループの三菱重工エンジニアリングが、広島高速交通から広島新交通1号線(アストラムライン)向けの新型車両として7000系電車を追加受注したと発表した。納入時期も前倒しされ、従来車両の引退が早まる見込みだ。

アストラムラインの7000系。【画像:三菱重工】

広島高速交通は老朽化した従来車両を置き換える新型車両について、第1期と第2期に分けて導入することを計画。まず2019年度から2025年度のあいだに66両(6両編成11本)を順次導入し、第2期で残りの78両(6両編成13本)を導入する予定だった。

第1期分は2017年、三菱重工グループが受注。まず7000系の第1編成と第2編成が今年2020年3月以降、順次営業運用に入った。三菱重工グループが今回追加受注したのは第2期分で、アストラムラインの新型車両はすべて7000系に統一される。

三菱重工によると、第1期分と第2期分の合計144両を、2024年度までに順次納入するという。これにより第1期と第2期をあわせた全体の導入時期が大幅に早まる。

7000系は、アストラムライン開業にあわせて開発された6000系電車138両(6両編成23本)と、輸送力増強のため製造された1000系電車6両(6両編成1本)の更新用として開発された新型車両。車体はアルミニウム合金を用いたダブルスキン構造を採用して軽量化を図り、車内にはセパレートタイプの座席を採用するなどして乗り心地の向上を図った。

7000系が今年3月から営業運用に入ったのに伴い、すでに1000系が引退済み。6000系も今後順次引退し、2024年度までにアストラムラインの車両が7000系に統一されるとみられる。

アストラムラインの6000系。【撮影:草町義和】

アストラムラインは、広島市内の本通~広域公園前間18.4kmを結ぶ路線。ゴムタイヤで専用の通路を走る新交通システム(AGT)を採用している。1994年に開業した。広島高速交通によると、1日平均の利用者数は1994年度が4万3575人だったのに対し、2016年度は6万3312人に増加。2017年度には債務超過を解消した。