JR貨物のEF65 1001が得体の知れない車両を引っ張っています。最初、輸出用の車両かと思ったのですが、目を西川きよし師匠風に見開いて眺めると、JR九州の885系電車であることが判りました。あぁ~、あのセンスのない電車ね。でもここ、何処かで見たような光景なんですが、画像右端には211系が見えます。これ、もしかして大宮駅? 何でJR九州のセンスのない車両が大宮にいるの? こっちの方で製造した後の甲種輸送か? いや、センスのない885系は全車、山口県の日立製作所笠戸事業所で製造されているので、大宮にわざわざやって来る筋合いはない。

 

調べてみたら、これは2000年に撮影されたもののようです。

同年10月28日に開催された 「大宮工場鉄道ふれあいフェア」 に呼ばれたんだそうで、遠路九州から東上したとのこと。

大宮に来たのは、当時 「SM1編成」 と言われた、クロハ884-1-モハ885-101-サハ885-101-サハ885-1-モハ885-1-クモハ885-1の6両編成でした。

自走して大宮に来れば、さぞかし盛り上がったんでしょうけど、残念ながら885系は交流専用電車ということと、JR各社の保安装置の兼ね合いから自走せず (出来ず) に、機関車牽引の甲種輸送扱いで大宮に来たものと思われます。

JR九州には、783系、787系、883系という、センスを感じない車両が数多ありますが、何故885系だったんでしょうね。きっと当時、出来立てホヤホヤの新型車両だったからじゃないかと推察します。

また、大宮工場では、1994年にも 「つばめ」 関連のイベントで、JR西日本からC62 2とJR九州から787系を招き入れたことがあったそうです。それ以来になるのかな?

 

この当時、鉄道博物館は開館してなくて、当日、大宮工場 (現、大宮総合車両センター) のイベントには、通称 「裏大宮工場」 に保管されていたEF15 192やED16 10、ED17 1、そしてキハ391が展示されましたが (他にもクモハ40やE231系などを展示) 、やはり一番人気だったのが885系だったとか。そりゃあ、いくらセンスがないとはいえ、首都圏では見られない車両ですから、大いなる歓迎を持って迎え入れられたそうです。

 

「DAWN」 とは、 「初期」 、あるいは 「黎明期」 を意味する英単語ですが、2000年撮影ということで、全然黎明期じゃなかったですね。

 

【画像提供】

タ様

【参考文献・引用】

鉄道ファン No.477 (交友社 刊)

ウィキペディア (JR九州885系電車)