SN総合車両所です。

前回、奥出雲おろち号の見所をご紹介しましたが、今回は車両に焦点を当て、鉄道車両としてこの列車を楽しむ上でのポイントをご紹介したいと思います。
前回の記事はこちら!


この列車は全国的にみても数少ない客車列車です。2両の客車がDE10やDE15型ディーゼル機関車に牽かれ/押される運行形態です。

ではさっそく各車を見ていきましょう。
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備後落合方はトロッコ車両(1号車)のスハフ13-801です。なんといっても見た目が独特ですね。
この車両はスハフ12-148の改造車です。トロッコ車への改造のため側面が大きく改造されています。テールライトは種車のままですが。ヘッドライト、スカートやスノープラウ、無線アンテナなど列車先頭に立つために必要な設備も追加されています。乗務員室部分は正面窓の右1枚の幅だけで、残りの2枚は客室で開閉可能な窓になっています。横はともかく、前の窓が開けられるトロッコ列車はなかなか無いのではと思います。
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車内はほぼ原型を留めていません。クーラーも撤去され屋根が高く感じます。
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車内照明も暗い電球のものに交換され、また車両中央付近には大蛇のイルミネーションも設置されています。トンネル内では暗くなり幻想的です。
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運転室からは車掌がドア扱いをすることが出来ないので、車両後ろ寄りにドアスイッチとその格納箱、車掌弁などが設けられています。車掌は左の窓から顔を出して確認します。
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スハフ13という形式もこれだけなのではないでしょうか?12系は新製形式としてはスハフ12(発電機関搭載)、オハフ13、オハ12しかありませんでしたから違和感があります。検査は28-2のようです。
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次に木次方の控え車(2号車)のスハフ12-801を見ていきます。控え車という言い方になっていますが、悪天候時や体調不良時の避難用として解放されています。乗客はトロッコ車の予約席と同じ番号の席を使うことが出来ることになっています。
実はこの車両、2つの点で「最後の1両」となっています。

新製時はスハフ12-40、発電容量が少し少ない0番台の車両です。車体側面の吸気ルーバーが小型なのが分かりやすいでしょうか。
JR線上ではスハフ12型0番台はもうこの1両しかいません。
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そしてこの車両は急行「だいせん」や「ちくま」などで使われていた頃、サービス改善のため座席が485系の簡易リクライニングシートに交換されました。車番も変わり3000番台のスハフ12-3001となりました。この車両はその3000番台の最後の生き残りでもあります。
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原型車を追い求める上では少しマイナスですが、アコモ改善で更新された洗面台からも急行形の面影は十分感じられます。
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DE10などの機関車と連結する同車ですが、となりの1号車の運転台からも制御することがあるので、1号車と機関車との間の制御回路を引き通しています。機関車の重連総括ジャンパーをつなぐほか、機関車デッキ手すりにあるジャンパ栓も接続されます。よって通常運行時に専用機以外が充当されることはありません。
これに関係あるかどうかは分かりませんが、屋根上には車体を縦断する配管が追加されています。模型製作時のアピールポイントになりそうです。
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検査は30-3、1号車と異なりますね。

最後に機関車を見てみましょう。
今回はDE10-1161です。
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おろち号専用機でオリジナル塗装をまとい、12系への制御回路のジャンパ栓が追加されています。普段はこの列車の他工事臨時列車でも見ることが出来ます。
所属は後藤総合車両所、タブレットキャッチャーがあって地味に原型度は高いです。
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反対側(1エンド)は青が多く印象が変化します。こちらにはヘッドマークがつきます。
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なんと運転室の中に冷風機が設置されていました!
ただでさえ横向き運転で大変なDEですが、暑いと機関士にとては地獄以外の何でも無いですね。暑さが和らいでいるようでひとまず安心ですね。

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以上、車両の注目ポイントについてあっさり解説してみましたがいかがでしたでしょうか?今後ご乗車される際や撮影される際は、このような点を思い出しながら楽しんで頂けるとうれしいですし、そうすればおろち号をより味わうことが出来ると思います。皆様も是非、乗車や撮影を通じて、この奥出雲おろち号を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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