KATOの新103系は、長期間に渡って販売されているため、多く改良が加えられています。先般は、クハ103の前面に装着するダミーカプラーの改良パーツを、改良前の製品や一般形のクハ103に装着した例を紹介しましたが、パンタグラフや屋根板、台車等も改良されています。

 

何れもKATOのモハ103ブルーですが、左側が旧製品で、右側が最近生産された製品です。比較してみると、パンタグラフの形状が異なっています。パンタグラフは、旧製品では横幅が広いPS16Aタイプ(その前は板バネありのPS16)、最近の製品では横幅を狭く改良したスリムなPS16Bタイプが装着されています。実車の形状は、横幅が狭いPS16Bのイメージになります。また、ベンチレーターの色が、従来品は屋根板と同色に塗装されていたのに対し、最近生産された製品では屋根板と異なる明るい灰色の別塗装に変更され実感的に改良されています。

 

パンタグラフは、従来品のPS16A(左)と改良品のPS16B(右)では、取付脚の方向が異なるほか、碍子下部に位置するパンタ台が、PS16Aではパンタグラフ本体の碍子下部に一体成型で表現されていましたが、改良後のPS16Bでは、実車と同じ屋根板側に変更されています。従って、パンタグラフの改良に合わせて屋根板も改良されているということです。

 

パンタグラフは、破損時の交換用にPS16A(11-404),PS16B(11-420)の両方ともオプションパーツとして販売されています。元々PS16Aを装着した車両を、PS16Bに交換したいユーザーのために、屋根板だけがASSYパーツとして販売されていました。

PS16B対応のモハ103用の屋根板セット(028-096)です。この製品は、モハ103のパンタグラフがPS16Bに変更された際に販売されたもので、ベンチレーターは屋根板と同色のままでした。価格は税別700円(消費税5%)でしたが、現在では入手難なこともあり、先日のオークションでは、2600円の高額で落札されていました。

 

台車マウントのカプラーも変更になっています。旧製品(左)では台車にカプラーポケットが設けられ、アーノルドカプラーが装着されていました。写真ではアーノルドカプラーを別売のKATOカプラー密連形A(11-703)に交換しています。最近の製品では、台車からカプラーポケットがなくなり、直接嵌め込むタイプのKATOカプラー密連形B(11-705)に変更され、車輪も銀色メッキから黒色メッキに変更されています。

 

3年前に、パンタグラフ・屋根板をPS16AからPS16Bに更新施工する記事を投稿しており、これを補稿するために、今回改めて投稿しました。

新103系のモハ103用の屋根板主体の内容になりましたが、他系列の車両でもパンタグラフの変更に伴い、専用の屋根板セットが販売されていました。気が付いた時点で入手しておかないと、後からでは入手も難しくなります。

 

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