227系の導入によって、次々と淘汰されていったJR広島地区の国鉄形電車。そんな中、最後までしぶとく残っていたのが呉線東部を中心に活躍していた105系である。そんな彼らは広島地区から撤退後、ふたつの道に分かれたのだった。


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分散式クーラー車であるK01・K02・K06編成は、下関区に転属。同区にいたワンマン非対応の3本を置き換え、宇部線を中心に活躍している。転属にあたってクハには貫通幌が取り付けられ、方向幕も山口地区仕様の白幕に交換された。


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一方、集中式クーラー搭載車であるK03・K04・K05編成は、下関留置のあと、'20.3.31付で廃車。下関区本所にて順次解体されていった。

明暗を分けた理由は、冷房電源の仕様違いであろう。分散クーラー車は他編成と冷房電源を共有できるが、集中クーラー車の冷房電源システムではそれができない。そのため、下関区でやっているクモハ増結3両編成をやると、増結したクモハに冷房用電源を供給することができなくなってしまう。新造車で集中式クーラーを搭載しているのはこの3本だけだし、異端児だったのだろう。


105系の新造車が廃車なんて勿体ないとの声もあるが、彼らとてアラフォー世代である。決して新しい車両ではない。既にきのくに線からの撤退も告知されており、残すは福塩・宇部・小野田線(と山陽本線の付帯区間)だけになる。