その①より
2020年1月4日(土)
18きっぷを握りしめての初詣旅、紀勢西線に揺られて紀伊田辺駅にやって来ました。
紀伊田辺からは105系に乗車。
ここ最近、西日本では227系による旧車の置き換えが急ピッチで進み、一瞬で広島駅から国鉄車が消えたのは記憶に新しいですが、和歌山でも和歌山線を皮切りに置き換えが進み、ついにラストの紀伊田辺〜新宮間でも2020年春に227系の導入が発表されました。
もしかすると、105系に乗車するのはこの日が最後だったのかもしれない。
そんなことはつゆ知らず、座席の暖房がやけに熱いなと心の中で文句を垂れながら、青緑色の列車に揺られます。
おやつにと思って買った、デラックスケーキ。
紀伊田辺の駅前通りを歩いている時に、老舗和菓子屋店で目に入りました。
発売から半世紀が経つ、地元の人に愛されてきた銘菓なんだとか。
手のひらサイズですが、重厚感があります。
カステラ生地に白餡っぽいジャムをサンドして、ホワイトチョコで全体をコーティングした甘々のお菓子。
コーヒーを啜りながら、少しずつ齧りたい気分。
3駅進んだ白浜駅では、駅のあちこちでパンダが出迎えてくれます。
乗客もどっと入れ替わり、いよいよ遠くまで来たものだと感慨深くなる。
富田川と日置川を渡り、まちも白浜町からすさみ町へ変わりました。
しばらく海から遠ざかっていましたが、周参見駅を過ぎた頃に太平洋と再会。
相変わらずの雄大な景色に惚れ惚れします。
江住駅では、新大阪行き特急通過のため数分の停車。
ずっと座っていると身体が鈍ってくるので、たまにはホームに降りて伸びをする。
そんなこんなで紀伊田辺から約1時間半、本州最南端の串本駅に到着。
本州最北端はどこだろうと調べてみると、青森県の下北駅でした。
ひとつ先にある終着の大湊駅ではないのか。
停車時間は10分も無いので、駅前の写真を撮ったら再び同じ列車に乗り込みます。
天王寺を出発してから5時間を超えて、普通列車で黙々と進むのが段々と修行の様になってきた。
まあ、それが楽しいんだけれど(変人?)
串本駅を出ると、すぐに右手に橋杭岩が確認できます。
大昔に地中でマグマが上昇し泥岩層に貫入、冷えて固まった後、隆起しながら波の侵食で周りの柔らかい部分が削られて硬い部分だけが残りました。
ブラタモリでも紹介されていましたね。
不思議な光景も、成り立ちを知るとなるほどと納得。
南進していた進路も、串本駅からは北へと変わります。
海から付かず離れずで進み、しばらくすると川幅の広い古座川を渡りました。
ドアには、津波からの避難方法を知らせるパンダ。
何だろう、これ絶対中に中年おじさん入ってるよね。
砂浜よりも岩がちな海岸線、周辺に奇岩奇石が多いのは熊野カルデラの痕跡かな。
約1400万年前の1回のみの噴火ですが、地球史上でも最大規模に近い破局的噴火だったそうです。
細長い入り江の玉ノ浦は、穏やかな浅瀬がすぐ足元にまで迫る絶景モノ。
真冬なのに、泳ぎたくなる誘惑に駆られました。
捕鯨のまち、太地。
駅からバスで10分のところには、くじらの博物館があります。
イルカやクジラに触れ合える、気になるスポットです。
紀伊勝浦駅では、名古屋からこの駅まで足を延ばしている特急南紀を横目に見つつ、もうあと一踏ん張り進みます。
串本駅からだと約45分、那智駅に到着。
紀伊勝浦から那智の未乗区間を乗車したので、ふたつ目のミッションクリアです。
すぐに遠くから走行音が近づいてきて、今度は特急くろしおが、新大阪へ向けて走り抜けていきました。
特急を使っても、新宮から新大阪まで4時間半近くかかる。
ひと口に和歌山といっても、大阪から快速で1時間半で着く和歌山駅とは大きな違いです。
お隣県だけれど、遠い場所でもある和歌山。
社殿風の駅舎は、言わずもがな熊野那智大社を模しています。
そして駅舎横に増築された交流センターの建物には、特産品売場と町営の公衆浴場があります。
今回は時間が無くて諦めましたが、列車を待つ間に温泉に入れるなんて素敵じゃないですか。
駅前に設置されている、黄色いポスト。
幸せの象徴とも言われる黄色は、日本各地に点在する幸福(幸せ)の○○のひとつなのでしょう。
小さな地下道を潜って駅の裏手へ。
那智駅の隣には、丹敷浦の美しい砂浜が続いていました。
歩道と芝生が整備された、綺麗な公園の様な海水浴場。
時間を忘れて、ずっとベンチに座っていられそうなくらい気持ちが良い場所です。
波に触れると思ったよりあったかい。
真冬なのにポカポカ陽気です。
上着も脱ぎ捨てました(泳がないよ)
那智駅からは、路線バスで熊野那智大社に向かいます。
前回那智を訪れたのは、2011年の台風12号豪雨の爪痕が残る時でした。
その時も同じく路線バスに乗り、那智川の氾濫と土石流で全壊半壊した家屋を窓から見たのを思い出しました。
毎年発生する水災害に埋もれそうになりますが、9年経っても忘れられない。
大門坂のバス停を降りて、いよいよ大門坂を登り始めます。
杖も用意されていましたが、大丈夫だろうと意気込む。
次回は、熊野那智大社と那智滝を参拝します。
ではではノシ
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