皆さんは「鉄道模型考古学」というのをご存知でしょうか?? 以前鉄道模型雑誌の「RM MODELS(アールエムモデルズ)」で連載されていたんですが、昭和な鉄道模型などについて、各メーカの各車両について解説されています。各車両のロット違いなどについても載っているので、昭和な旧製品を集めている私なんかは非常に重宝します。

一応鉄道模型考古学として単行本や書籍も出ています。が、鉄道模型考古学の本は、掲載されている車両に偏りがあり、載っていない車両も多いです。なのでRM MODELSに載っている分も含めてみるのが良いようです。がしかし、RM MODELSの方は累計100冊以上に掲載されているので全ての号を集めるのは、家のキャパ的にも中々難しいところではあるんですが。。。(汗

 

上記の前置きから、今回はこちらの話題です。

 

 

こちらは関水金属のキハ82系です。1970年代中頃にラインナップに加わって以降、金型がリニューアルされたりして今も生産が続くロングセラーな車両です。写真はそんなキハ82系の中でも、クリアケースのふたが平ぶたの、旧クリアケース時代の初期製品です。

 

で、最近大学時代の先輩さんの、オルテカさんの家へお邪魔しました。その時にオルテカさんがこのキハ82系について、前述のRM MODELSの鉄道模型考古学に載っていた、興味深い情報を教えてくれました。

 

 

こちらはキハ82系のクリアケースですが、インサート違いで2種類あります。

 

関水金属のクリアケースは1970年代初頭から採用されていて、インサートは黒字のインサートが使われていました。なので普通に考えると、左の黒地のインサートの方がロットが古いと感じてしまいます。

 

 

インサート裏のラインナップですが、上の黒地の方にはキハ82系のラインナップが無く、幽霊商品となっていますが、下の白地の方にはちゃんと記載があります。こういう点からも、黒地のインサートの方が先に出たと思っていました。

 

ところがその鉄道模型考古学によると、実際は白地のインサートの方が古かったのです! というか旧クリアケース時代の製品は、インサートだけを見れば2種類だけですが、車両から見ると実際は、ロット違いで3種類も存在しているそうです! 初代・2代目前期・2代目後期の3つです。それぞれ車番やカプラーポケットの形状など、ロットごとの違いがあるようです。なお、3代目の途中からはクリアケースが更新され、平ぶたの旧クリアケースではなくなりました。

 

私はそのキハ82系の載った号をまだ持っていなかったので、オルテカさんが持っている本からメモしてきました。ただ、メモ書きなので失くす可能性もある為、備忘録としてブログに書いておきます。

 

・初代

 

初代製品は1974年??だったかに発売されました。インサートは上の写真の右側にある、白地のインサートでした。大きな特徴はヘッドライトが標準装備だった点でしょうか。旧クリアケース時代の製品と言えばヘッドライトはオプションのイメージですが、初代製品は標準装備だったそうです! それもテールライトは赤色のLEDだったとか! テールライトが赤色のLEDのため、ライトレンズが透明なのが見分け方だそうです。残念ながら私はまだ、この初代製品は持っていないと思います・・・。(汗

 

あとは車番です。各車の車番は・・・。

 

品番607 キハ82-47

 

   608 キハ80-15

 

   609 キロ80-9

 

   610 キシ80-5

 

となっています。そしてこの車番にも特徴があり、旧クリアケース時代のキハ82系では、初代製品と2代目前期製品は、車番の形式と枝番の間にハイフンがあり、2代目後期製品以降はハイフン無しとなっています。

 

・2代目前期

 

こちらは1975年だったかに発売されました。ケースのインサートは初代製品とは違い黒地の物になり、灯火類もオプションになりました。まぁ、当時は昼間はヘッドライトは基本的に消していましたから、あっても無くても良かったのかもしれません。(汗 

それ以外には初代製品と2代目前期製品とで、車両自体の違いはありません。

 

車番は・・・。

 

品番607 キハ82-63

 

   608 キハ80-52

 

   609 キロ80-18

 

   610 キシ80-21

 

となっています。

 

 

こちらがその2代目前期製品です。

 

 

車番を見ると、ちょっと見ずらいですが、車番の形式と枝番の間にハイフンがあるのが分かりますでしょうか?? 汚れにも見えますが、ちゃんとハイフンが入っています。(汗

 

・2代目後期

 

こちらも2代目前期製品と同じく1975年だったかに出ました。ケースのインサートはこの2代目後期製品で再び白地のに戻っています。何故この2代目の前期製品だけインサートの色が変わったのかは不明です。。。(汗


また、この2代目の後期製品からは、カプラーポケットも変更されました。

 

 

こちらは2代目前期製品までのカプラーポケットです。ポケットが大きく、カプラースプリングが丸見えになっています。

 

 

こちらが2代目の後期製品以降のカプラーポケットです。後年標準となった、良く見るタイプのカプラーポケットですね。

 

車番は・・・。

 

品番607 キハ82 51

 

   608 キハ80 76

 

   609 キロ80 12

 

   610 キシ80 12

 

となっています。

 

 

なお、この2代目後期製品より、車番のハイフンが無くなりました。(写真は3代目の車両です。)

 

・3代目

 

こちらは1977年に出ました。基本的には車番も含めて2代目後期製品と同じですが、この3代目の途中からクリアケースが更新されたのと、屋根とボディーを留める爪が逆になりました。

どういうことかというと、2代目の後期製品までは、屋根側がメスで、ボディーの窓ガラス側がオスでした。それが3代目からは逆になり、屋根側がオスで窓ガラス側がメスになりました。また、塗装も赤が黒っぽくなり、クリーム色は光沢が増しているそうです。

 

簡単ですが、以上が関水金属の旧クリアケース時代の、キハ82系のロットごとの違いです。今までインサートだけでロット違いは2種類だけかと思っていましたが、まさか車番違いなどで3種類もあったとは・・・! 昭和な旧製品もこうやって掘り下げると、中々面白いですね!

 

丁度ウチに旧クリアケース時代の、キハ82系の空ケースがいくつかあるので、これで中身を探せますね!!

 

今回は以上です。