【ニューレッドアロー】西武10000系10106F地方私鉄譲渡?横瀬から牽引回送

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2020年3月改正で池袋線「ちちぶ」「むさし」の運用から撤退し、廃車が発生した10000系“ニューレッドアロー”。

一部車両が横瀬車両基地での留置が続いており長らく動向が注目されていましたが、2020年8月29日、武蔵丘車両基地へ向けて新101系263Fの牽引により回送されています。

西武特急の世代交代とその後

西武鉄道では、2019年から2020年にかけて新型特急・001系“Laview”を池袋線特急「ちちぶ」「むさし」へ7編成導入し、同数配置されていた在来の10000系“ニューレッドアロー”を置き換えました。

一部の編成が新宿線・池袋線で交換される動きはありましたが、それ以外は順次横瀬駅に回送されています。

西武鉄道で役目を終えた車両は横瀬車両基地まで回送されたのち、陸送(トレーラーによる輸送)で千葉県内の解体工場へ搬出されることが一般的です。

001系“Laview”導入で役目を終えた10000系“ニューレッドアロー”のうち、搬出されずに動向が注目されていた10106Fの4両が横瀬から武蔵丘まで263Fの牽引により回送されました。

既に車内には一部座席を撤去した上でブレーキ読み替え装置とみられる装備が設置されていることが確認されています。

地方私鉄への譲渡が以前より噂されていましたが、いよいよ現実のものとなりそうです。

以前より富山地方鉄道への譲渡を噂する声

廃車回送以来その動向が注目されていましたが、ファンの推測で多く飛び交うものとしては、富山地方鉄道への譲渡があります。

これは、富山地方鉄道が2019年度の2編成(東急8590系)に続き、2020年度にも1編成を「バリアフリー化された中古車両に更新」(移動等円滑化取組計画書)することを掲げているほか、同社が過去に5000系“レッドアロー”を3両2編成導入した実績があることが挙げられます。

東急8590系の譲受後の動きに倣えば、2〜3両編成での導入+1〜2両が部品取りといった構成が考えやすいところです。

現在の富山地方鉄道の旅客車両としては、自社発注車両である14760形・クハ175形の計15両のほかは他社譲渡車両が運用されています。

導入順に京阪3000系改造の10030形・西武5000系改造の16010形・東急8590系改造の17480形となります。

京阪3000系は1971〜1973年製造・西武5000系は1969年から製造された車両で、両形式とも製造から50年前後が経過しています。

自社発注車両である14760形が1979年〜1981年に製造されていることを考えると、譲受車両同士の置き換え……特に譲渡の動き・車両仕様などを考えると、西武車同士の代替となるのが現実的な動きでしょうか。

“先代”は上回りのみの譲渡

富山地方鉄道に渡った5000系ですが、西武鉄道が10000系の新造にあたって走行機器類を流用することとなったため、車体と一部の機器のみの譲渡となりました。

富山地方鉄道にて国鉄〜JRの485系廃車発生品の走行機器類を組み合わされており、この関係で前回輸送は陸送となっています。

今回は10000系にブレーキ読み替え準備がされていることから、甲種輸送(貨物列車としての輸送)が実施される可能性が高い状態です。過去の同社の納入車両の動向を振り返ると、譲受後に自社(稲荷町テクニカルセンター)にて改造工事を施工しており、これに倣うと近日中に発送となる動きが考えられます。

やはり譲渡先で改造を受けるようで、記事執筆〜更新の間に小手指まで深夜回送されています。

西武鉄道からの譲渡車両は改造工事の有無を問わず、原則として秋津駅〜新秋津駅の連絡線を経由し、JR貨物に引き渡しされます。

ただし、過去には秩父鉄道への新101系譲渡については、横瀬駅〜御花畑駅の連絡線を経由して秩父鉄道に引き渡された実績などもあり、三ヶ尻貨物線がまだ使える以上はこれが最短経路となるため、都心部を経由するとは断定できません。

西武鉄道を旅立つ時点でJR貨物の出張による“特殊貨物検査”が実施されることとなり、この検査票にて出発地と目的地=譲渡先も明らかになりそうです。

横瀬からの搬出が秩父鉄道経由となるのか、それとも秋津経由となるのか。そして噂通りの富山地鉄なのか、それとも他社に譲渡されるのか。いよいよ具体的な動きが始まり、今後の動向が気になるところです。

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今回のお写真は、フォロワーの𝓴𝓪𝔀𝓪𝓰𝓸𝓮𝟚𝟘𝟝様(@kawagoe205)より許可をいただいて掲載しています。

コメント

  1. びーしゅーぜん より:

    今回263Fの牽引で小手指へ回送されたのは、実際は10106Fの4両ではなく、
    10106-10206-10606-10102の組成だったので10106Fの3両+10102Fの1両という表記が正しいかと思います。
    仮に富山地鉄譲渡となれば4両ではなく3両編成になって中間1両が部品取りになる可能性は高いだろうと私も思いました。ただ、台車も床下機器も旧形式の流用なので、機器更新や台車交換の有無も注目されそうですね。