毎日毎日、変わらない仕事と思われがちな路線バスの運転手ですが、同じ道を走るからこそわかる"違い"があります。
今回は浜松駅から南区役所へ向かう遠州鉄道バス❺系統三島江之島線のお話です。
この路線は浜松市南部の住宅地を走る路線で浜松市南部を走る❶系統遠州浜線❹系統中田島線に比べるとパッとしませんが生活路線として多くのお客様に利用されています。

浜松駅❻乗り場より発車し日中は30分ヘッドでの運用です。浜松駅を出ると南へ向かい中田島大通りを走ります。

寺島町公会堂を通るとニコニコ餅のある交差点をバスは左折しこの路線の見所:狭隘区間に入ります。
今ではバスがまっすぐ走るこの仁王門バス停前のこの交差点。中田島大通り(中田島バイパス)開通前にはこの交差点を右折(この写真でこちら側に曲がってくる)していました。右側電柱側にある建物には『中田島砂丘と看板がありました。
かつて東海道本線浜松駅地上にあった頃には浜松駅(遠鉄浜松)を出発した後旅籠町交差点から開かずの踏切:平田(なめた)踏切を渡り砂山町交差点(現在のロイヤルホストのある交差点を右折し現在は区画整理で消滅した左カーブの道を辿りニコニコ餅のある交差点に出ました。1978年当時、浜松駅ー仁王門間の所要時間は15分でしたが現在、浜松駅ー仁王門間所要時間は僅か3分です。

狭隘路線は全国各地にあり、三島江之島線はごくありふれた街の中を走る路線バスの風景ですが、区画整理が済んで昔日の面影のない東海道本線より北側(東海道本線〜六間道路の間)と異なり三島江之島線狭隘区間には懐かしい浜松の面影が見られるのです。


特に仁王門〜竜禅寺東〜揚子橋大型車同士のすれ違いは出来ないため、バスは下り線(南区役所行き)を優先として走ります。2㌧トラックとの離合にも譲り合いがあって通ることが出来ますニコニコ。因みに大型車通行止では無いのでいつ大型トラックと鉢合わせしてもおかしくはありませんガーン
揚子橋1957年架橋のため古い橋ですが交通量が多く橋を渡っている途中でも乗用車はどんどん入って来ます。ギリギリ左側に寄せても3ナンバーのワンボックスリムジン後ろリムジン真ん中リムジン前が入ってくるとギリギリになります😓。
揚子橋を渡り右折すると"揚子橋"バス停。普段は三島町〜三島南あたりでスライドしますがこの時はこちらが若干遅れていたので浜松駅行きバスはまもなく狭隘区間へ入るところでした。
右側に見える揚子橋バス停南区役所・遠州浜方面行きバスが接近すると接近ランプ💡が点灯します。この接近ランプが信号の役割を果たしています。
三島町を過ぎて一旦停止を過ぎるとあみだ寺前に到着します。バスを降りると普段から気になっていた駄菓子屋さんに着きました。
藤美屋
2020年8月25日
張り紙をみると、このお店の事が丁寧に書かれていました。1957年の開店から63年間営まれていましたが買い物への流れが変わり、子供が減り、今春のコロナ渦ではきちんと営業自粛もしていました。一度営業を再開しましたが7月25日に閉店となりました。

おみせやめました
ふじみやは7がつ25にちで
おみせをやめました。
いままでおかしをかい
にきてくれてありがとう。
げんきでね!

おみせのばあば
駄菓子屋さんの主なお客さんは子供たち。閉店のお知らせは時期柄、見る機会が多いですが、最後の最後まで優しかった"おみせのばあば"の雰囲気が浮かんできます。
こんな優しい気持ちで仕事出来たら素晴らしいなと、せめて閉店前に子供たちを連れていければと悔やまれます。