7月の4連休だった23~26日の間で道内各地を廻った旅でしたが、4連休篇としては最終回となる今回は26日の後半、網走から札幌へ戻る行程を紹介します。もう1ケ月も前の出来事になってしまいましたが、最後までお付き合い宜しくお願いします。

 

網走駅からは12:35発の旭川行84D特急大雪4号に乗車し、旭川の1つ手前の停車駅である上川駅まで向かいます。

車両は12:18に到着した札幌からの71Dオホーツク1号の折り返し運用で清掃作業終了後(発車のだいたい10分前)に改札が始まるのですが、コチラもまた長距離列車としては実に忙しない旅立ちです。

 

 

 

その短い時間の間に反対側の2番線ホームに渡って編成写真撮影、そして車番を控えてたのですが、今回当たったのは全車N183と呼ばれる国鉄時代の1986年製造、なおかつエンジン未換装という奇跡的な編成。

遠軽←①(指)キハ183-1506  ②(G)キロ182-504  ③(指/自)キハ182-509  ④(自)キハ183-1501☆→網走、旭川 (全車札ナホ

 

現在、オホーツク/大雪にのみ定期運用されるキハ183系ですが、より高性能化されたNN183のうち北斗で用いられていた130㎞/h運転改造車はブレーキ圧力が異なるため他の最高速度の車両とは混結ができず(※ブレーキ圧力切替装置付きのキハ183形4550/9550番台を除く)運用が完全に分けられていたものの、石北線特急への転用が始まってみるとやはり不便だったのか、他車と混結可能にする対応が取られて現在は完全に共通化されN183のみという編成は最近ではほとんど見かけなくなっていたのです。 

 

 

 

今回は指定席を取っていなかったので自由席利用です。

③号車の12気筒サウンドも捨てがたく迷いましたが、④号車のキハ183-1501に乗る事にしました。

編成中で同車のみ、元北斗用ではなく宗谷線特急のサロベツに用いられていた車両。つまり、シートピッチが広い分定員が少なく、壁にコンセントが装備されているある意味特別な車両です。ここ最近は再び石北線特急の運用に入るようになりました。

 

 

 

網走からの乗客は乗り鉄が多く、私と同様しれとこ摩周号からの乗り継ぎが大半で、やはり6日間パス利用でしょうか。

シートピッチ拡大のため側窓とのピッチが合いませんが、私はなるべくピラーに掛からない眺望の良い席を確保しました。

 

 

 

網走を出発し、国道39号線と網走川が並行し大曲トンネルを抜けた後、川につながる網走湖が次の呼人駅手前までの間だけ見る事ができます。

しかし線路際の木々の成長によって視界が阻まれ、このように見られるのはわずかとなっています。

 

 

 

最初に停車する女満別駅は次の美幌駅とともに『北の大地…』の発売箇所ですが、いずれも今回は立ち寄らず。

 

 

 

美幌駅を出た処で、石北本線としては唯一駅弁の販売がされている網走駅の『かにめし』(モリヤ商店謹製、¥990)を昼食として食べました。長万部などのかにめしとは異なり濃い目の味付けが特徴です。

 

 

 

美幌を出て山間部を抜け、網走川と常呂川の分水嶺を越えて緋牛内駅を過ぎると常呂川流域のタマネギ畑の中を走ります。

根室本線の東鹿越~新得を長期不通区間にしてしまった2016年8月の台風による豪雨は、常呂川までも氾濫させてしまいタマネギ畑に大きな被害をもたらしました。

 

 

 

その常呂川を渡ります。

 

 

 

この地方の中心都市である北見駅を出ると、地下区間である北見トンネルに入るのですが、その手前では北見の新しい市役所庁舎が建設中でした。この庁舎建設にあたっては歴代市長選の最大の争点でもあり、それだけに紆余曲折し長年の懸案でしたがようやく決着して日の目を見る事となりました。

 

 

 

北見から先は旅の疲れもあり、時々仮眠しながら過ごしたため写真はナシ。

遠軽から先は進行方向が変わり、私が乗車する4号車が先頭となります。遠軽では4分弱停車する事になっていて、その間に『北の大地…』を購入しようと思っていたのですが、到着が3分程度遅れたため停車時間が短くなる事を懸念し、結局断念しました。

 

 

 

遠軽から先は湧別川に沿って進みます。

 

 

 

丸瀬布~下白滝ではこのような渓谷美を眺める事ができます。

 

 

 

白滝から先は石狩と北見の国を分ける北見峠を越えるルートとなり、建設当時は道内最長だった石北トンネルを抜けると上越(かみこし)信号場を通過します。

かつては駅だった上越も信号場に格下げされ、その後しばらく行っていた客扱いも廃止されましたが駅舎は保線や除雪時の詰所として活用されており、駅当時からあったと思われる『石狩北見国境標高六三四米上越駅』の標柱もそのまま残っています。ちなみに、現在道内で最も高い場所にある駅は石勝線のトマムですが、停車場として最高地点なのはこの上越信号場です。

 

 

 

15:40、上川駅に到着。

本当は終着の旭川まで乗っていたい処なのですが、『北の大地…』を購入するため当駅で下車。隣の2番線ホームには遠軽発旭川行普通4622Dが先発の大雪4号に道を譲るため長時間停車中で、『北の大地…』購入後は4622Dに乗車します。

道東はほぼ曇り空で終始しましたが、上川管内に入ると晴天になりました。

 

 

 

上川駅の『北の大地の入場券』は横長サイズ。

図柄は今乗ってきたキハ183系特急大雪です。

 

 

 

そして、キハ40形2連の15:57発旭川行4622Dに乗り込みます。

この列車は『瀬戸瀬から志布志ゆきの旅』の第1ランナーとして乗車しており、偶然ではありますがその時と全く同じ車両編成なのでした。但し今回は先頭車側の乗車です。

旭川←キハ40 1725☆+キハ40 1712→遠軽 (2両とも旭アサ

 

 

 

サボは2種類あり、1725の青地に白抜き文字が国鉄時代の旭川鉄道管理局以来続いてきた従来型のスタイルで、1712の白青ツートンが新タイプ(本社管内(※旧札幌鉄道管理局)仕様)。釧路~根室の列車にも同様のサボが付いた列車がありましたが、いずれ全道ともこのタイプに統一されるのでしょうか。

 

 

 

18キッパーご用達のこの列車ですが、1車両にはわずか数名。所々に空いたBOX席もありました。

しかし途中の当麻などから少しずつ旭川へ向かう若者らが乗ってきて、その中にいた車内でイチャつく高校生カップルにはイラっとされられましたが。

 

 

 

石北本線内では北日ノ出や瀬戸瀬などの5駅が廃止の俎上に上がっていますが、上川の次駅である東雲は上川町が容認したため、来年3月のダイヤ改正で廃止となる見込みです。

 

 

 

愛山~中愛別間で、古くから鉄道写真の撮影の名所として知られる第五石狩川橋梁を渡ります。

川にはラフティングを楽しむ姿も。

 

 

 

列車は旭川市内に入り、桜岡駅でキハ40 732の上川行普通4529Dと交換します。

 

 

 

石北本線の起点・新旭川駅。ここから複線区間の宗谷本線に入ります。

ちょうど旭川運転所へ向かうキハ261系の回送列車(64D特急サロベツ4号の折返し)とすれ違いました。

 

 

 

新旭川駅を出ると、石狩川水系の牛朱別川を渡ります。

17時を過ぎ、だいぶ陽も傾いてきました…。

 

 

 

最後の1駅、旭川四条を出た後、先程上川まで乗車した84D特急大雪4号の折返し列車である、83D大雪3号とすれ違います。

2017年3月のダイヤ改正による石北本線特急の再編で従来のダイヤとは時間帯が大幅に変わった列車もありましたが、この大雪3号は従来のオホーツク5号(元々は長距離特急おおとりのスジ)とあまり変わっていません。

 

 

 

17:12、終着の旭川駅3番線に到着。

 

 

 

みどりの窓口で『北の大地の入場券』を購入します。規模が大きな駅では次の乗換まで最低でも10分程度の時間がないと買えないので、発売初日に富良野線から函館本線に乗り換えた時は購入を断念したのです。図柄は当駅停車中の今はなき711系電車。

当駅では『北の40記念入場券』も発売されていますが、当初の8月末までの発売期間から年内いっぱいまでの延長が決まり、なかなか買いに行けなかった道外のコレクターもホッとしている事でしょう…。

 

 

 

旭川からは先程降りたホームの隣、4番線に停車中の17:30発札幌行3038M特急ライラック38号に乗って次の深川で下車します。

今回は留萌本線に乗り換えて途中の石狩沼田まで行き、『北の大地…』を購入するためです。

 

 

 

1駅しか乗車しないので、今回も自由席利用で先頭6号車に乗車しました。編成表は下記の通り。

【札サウ 789系HE-104+HE-204編成】 ①(G/指)クロハ789-104 ②(指)モハ788-104 ③(自)モハ789-104 ④(自)モハ789-204 ⑤(自)モハ788-204 ⑥(自)クハ789-204☆

先頭車の前頭部側面ラッピングは『KAMIKAWA』。

 

 

 

このHE-104/204編成、車内のリニューアル改造を行っており、普通車は従来のカラフルなシートから789系1000番台に準じたエンジ色のシートに交換されています。もっとも、シート全体ではなくフレームや肘掛は従来品を流用し、表地やテーブルといった部品を新品に交換という手法でリニューアルされています。天井や床は元のデンマークデザインそのまま。

ちなみにクロハ789形のグリーン車区画は座席を261系7次車(最新タイプ)と同様の青モケットの『グレードアップ座席』に交換されています。

 

 

 

789系やキハ261系のシートバックポケットは、ペットボトルを入れられる程ネットが伸びないという欠点がありましたが(※製造時期によって異なる)、このリニューアル座席はそれが改善されています。

 

 

 

この列車、車掌さんが指導係と見習いの女性ペアで乗務しており、車内放送の口調もどことなくぎこちないですが、未来のJR北海道を背負って立つ若者を応援してあげましょう!

ほんの短い乗車時間ですが、17:48、深川駅に到着します。

 

 

 

ライラック38号は札幌へ向けて出発。

新しい座席は心なしか快適に感じ、本当は終着まで乗っていたかったのですが。

 

 

 

深川駅6番線(旧4番)ホーム。

かつては深名線も発着していたこのホーム、現在は留萌本線専用となっています。

 

 

 

その留萌本線ですが、ここにきて留萌市が廃線を容認した事により、存廃問題はいよいよ正念場を迎える事となりました。

18:09発の留萌行普通4931Dで途中の石狩沼田へ向かいます。

 

 

 

車両はキハ54 502(旭アサ)の単行。

サボも方向幕もなく、車体に行先を示すモノは何もありません。釧路のキハ54は行先や種別を表示していますが、旭川のは原則的に白幕表示となっており、こんな処にも組合問題が絡んでいるのでしょうか…?

 

 

 

キハ54 502の車内。釧網本線でも乗車した『集団見合い』仕様なのですが、旭川のキハ54はロングシート延長改造が行われており、クロスシート部の座席が9列から5列に大幅に減らされてしまいました。

 

 

 

旭川のキハ54のもう一つの特徴として、クロスシート部の窓台の際に小物などの落下防止のための縁が付いている事が挙げられます。

 

 

 

4931Dは少ない乗客を乗せて深川駅を発車。函館本線が左に分かれていきます。

留萌本線との間にある畑の作物は、北空知地区で栽培が盛んな蕎麦。

 

 

 

といっても、やはりメインは稲作で、石狩平野を走行中の間は概ね水田地帯の中を走ります。

18時も過ぎ、だいぶ陽が沈んできました。

 

 

 

深川から2駅目の秩父別駅。旧来からの木造駅舎が残っています。

この駅で起こった2007年の『積み残し騒動』はマスコミで全国的に取り上げられましたが、乗車マナーの悪い高校生が引き起こしたこの騒動がきっかけで、旭川のキハ54はクロスシートが大幅に減少してしまいました。

 

 

 

石狩川水系の雨竜川を渡ります。

 

 

 

雨竜川を渡ると、今回下車する石狩沼田駅に到着(18:29)です。

 

 

 

かつて札沼線が発着していた当駅。廃線後も2面3線で使用されていたものの、交換設備と跨線橋が撤去され、旧2、3番線だったホームだけがそのまま残っています。

 

 

 

駅舎の1番ホーム側には『自動車乗務員休憩室』の札が貼られた扉がありました。

札沼線廃止以前から同線に並行して国鉄バスが運行されており、JRに引き継がれましたが結局撤退してしまいます。

 

 

 

その石狩沼田駅舎。

札沼線廃線を機に現在の建物になりましたが、築50年近いため外観はボロボロ。廃線前提なのか特に手直しはされていないようです。

地元沼田町は深川方面への通学利用が多い事から当駅までの路線存続を望んでいますが、JR北海道はそれに対して否定的な反応を示しています。秩父別駅の積み残し騒動があった頃からはさらに少子化が進んで高校生の数も減っており、とても鉄道としてやっていけるような状況ではないのが現実です。

 

 

 

石狩沼田駅は現在簡易委託駅として窓口で乗車券類を発売していますが、この時間帯は営業時間外。

しかし、『北の大地…』は駅から徒歩10分程度の距離にある国道275号線沿いのセイコーマート沼田店でも委託販売されています。

駅よりもセコマのほうが営業時間による制約がなくてむしろ買いやすいです。

 

 

 

石狩沼田駅の『北の大地の入場券』の図柄は峠下駅に停車中のキハ54。

峠下駅は沼田町ではなく留萌市内に入っていますが、あくまでも裏面の地図に記載されている区間での写真を使用しているため、特に発売駅の所在する市町村の区間という縛りはありません。

尚、駅に加えてセイコーマートなどで委託販売されている場合の券番は、ご当地入場券と同様5000番台からの附番となっています。

 

 

 

再び石狩沼田駅に戻り、深川への復路で乗車した18:59発普通4934Dは、かつて函館本線山線区間で活躍していたキハ150-17(旭アサ)による運用。キハ150は以前から稀に代走で入る事がありましたが、3月ダイヤ改正以降はキハ54と共通運用で本格的に留萌本線でも活躍が見られるようになりました。

 

 

 

4934Dもやっぱり乗客は少ないです。石狩沼田からは私の他に若いカップルが乗ってきただけで、全部合わせても10名以下。

冷房付きで快適ではありますが、留萌本線でのキハ150の活躍も短い間で終わってしまうのか…?

 

 

 

19:15、終着の深川駅4番線ホームに到着。日没を過ぎ、辺りはすっかり夕闇に包まれています。

先程乗車した6番線ホームには、従来からのキハ150旭川車による19:22発普通4933Dが発車を待っていました。

 

 

 

ちなみに、キハ150も留萌本線での行先表示はなく、側面の方向幕も白幕表示という冷遇ぶり。

新しく運用に入った石北本線向けの行先表示は用意されているのに…。

 

 

 

深川からは19:19発2044M特急カムイ44号に乗車して札幌に帰ります。編成表は下記の通り。

【札サウ 789系HL-1007編成】 ①(自)クハ789-1007 ②(自)モハ789-1007 ③(自)サハ788-1007 ④(指・uシート)モハ788-2007☆ ⑤クハ789-2007

 

 

 

このカムイ44号では3回目の指定席を取りました。まぁ、自由席もそれ程混んでいませんでしたが、せっかく取れる指定席分を余らせるのも勿体ないので。発券は旭川駅で『北の大地…』購入のついでにしてもらいましたが、6日間パスの指定席発行回数表示はゴム印ではなくマルスで印字されています。

 

 

 

今回の旅で2度目の789系uシート。

指定席は1両しかないため、窓側席の多くは埋まっていました。

 

 

 

深川から1時間ちょっとの短い乗車でしたが、20:25、終着・札幌駅に到着。

やっぱり愛称表示は回送になっています。

 

 

 

根室から遠回りしてこの日の約15時間にも及ぶ長い旅が終わり、4連休としての旅も終わりました。

この後学園都市線の20:30発の石狩当別行普通637Mに乗って帰宅するのですが、731系2組(6連)の編成番号を控えるのを忘れてしまいました…。

 

 

 

実はコレで6日間パスの旅が全て終わったワケではなく、その後有効期間の残りである7月27、28両日とも仕事を終わらせた後に再び『北の大地…』収集旅に出掛けて行ったのでした…(汗)。

その時の事はまとめて後日に紹介したいと思います。

つづく