はやとの風運休 想い出のいさぶろう・しんぺい~はやとの風での旅 | 人吉鉄映会

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熊本県人吉市・球磨郡を走る肥薩線・湯前線・くま川鉄道の今と昔を発信していきます。

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肥薩線不通による八代~吉松の鉄道運休に次いで、また悲しいニュースが入りました。

9/19より吉松~隼人~鹿児島~鹿児島中央を運行するJR九州観光列車「はやとの風」が運休になるようです。

 

「はやとの風」は肥薩線・日豊本線・鹿児島本線を経由する観光列車で、今から紹介します「いさぶろう・しんぺい号」との接続で熊本~鹿児島中央まで九州南部の球磨川~九州山脈を通過する観光列車として運行されていました。


吉松駅接続で並ぶ「いさぶろう・しんぺい」と「はやとの風」

2018年1月 旧停車位置

 

運休の理由はコロナの影響となっていますが、私自身は「いさぶろう・しんぺい」が運休になった際に、単独での「はやとの風」の吉松での乗降は厳しいかなとは思っていました。そういった乗客の低下も少なからずとも要因はないでしょうか。吉松駅はここに機関区があった頃はそれは賑わいも見られてましたが、今は肥薩線・吉都線の運行本数自体も減って、駅前も静かな状況ではあります。

 

 

ほとんど人の行き来もない吉松駅前 2019年12月

 

JR九州の発表のようにコロナが主たる運休の要因であるのかも知れませんが、ここへの鉄道以外でのアクセスもなかなか容易ではありません(九州自動車道えびのIC下車⇒国道268号もしくは国道3号線⇒268号線)。鉄道なら吉都線がありますが「はやとの風」との接続も時間が空きますし、朝夕以外は本数がかなり少ないです。

九州南部を走る観光列車がまた見れなくなりました。

 

列車の運休を偲んで、ここからは「いさぶろう・しんぺい」から「はやとの風」での熊本~鹿児島中央の旅を簡単に振り返ってみます。また同じ風景が見れることを信じて・・・

いさぶろう1号 ホーム入線@熊本駅

 

いさぶろう1号(肥薩線下り 熊本-吉松)としんぺい4号(同上り 吉松-熊本)は熊本-人吉間は特急として運行してます。(九州横断特急・くまがわ号の代替としての位置づけ)熊本駅から乗る場合は特急券が必要です。

 

水戸岡さんデザインの重厚な車内

 

8:31熊本駅発車。一路人吉へ

肥薩線 芋川橋梁@一勝地

人吉までは今回の令和2年豪雨災害で大きなダメージを受けた肥薩線川線を進みます。球磨川第一橋梁・第二橋梁を通過する際は車内アナウンスがあります。

渡駅を過ぎると客室乗務員の方が人吉駅名物栗弁当・鮎寿司の予約を聞きに来られます。

特急ですので、そうこうしているうちに人吉駅に到着です。10:08

 

いさぶろう1号@人吉駅 サボは熊本⇔人吉⇔吉松です。

 

人吉駅からは普通列車の観光列車になります。熊本からの方は車内で予約していた、人吉駅から乗られる方は、「弁当のやまぐち」さんから直接買われた「栗弁当」を味わいながら、山線を満喫しましょう。

肥薩線球磨川第三橋梁 2017年1月

第三橋梁を過ぎると今までの川沿いの風景から一変します。

山間を進むいさぶろう 人吉-大畑 2017年11月

 

そして大畑(おこば)駅に到着です。

大畑駅 2018年3月

春先は鉄道職員が植え続けてきた桜が乗客を出迎えます。乗客・撮り鉄の方も大勢で賑いを見せます。

 

大畑といえばスイッチバックです。大畑駅から出発し、一旦バックで転向線に向かい、また進行方向を変え25‰のループ線を上っていきます。ディーゼル気動車は運転台を変わるだけなので、ブレーキハンドルを持った運転手さんが通路を行き来するのも見ものです。エンジン全開でキハ47が山越えに挑みます。

 

 

そして矢岳駅に到着。「秘境駅」です(笑)

矢岳駅 肥薩線最高標高表示(消えかけてます)といさぶろう1号 2019 12月

 

矢岳駅での見ものは古い駅舎もさることながら、SL館でしょう。

 

以前のブログでも書きましたが矢岳のSL保存状態はよくありません。吉松や九州鉄道記念館のそれとは雲泥の差です。矢岳駅近くに住んでおられた国鉄職員OBの方(故人)が綺麗に手入れされていましたが、高齢で引退された後は管理する方がいなくなっています。残念です。

 

矢岳駅を出て日本三大車窓で一旦停止して風景を堪能したあと、真幸駅へ向かいます。

三大車窓。季節と天候で風景も変わります。

 

真幸駅もスイッチバックがあります。

いさぶろう1号の車窓からスイッチバック線路を望む

(一番左の下る線路が吉松駅行き)

 

真の幸せと書いて真幸駅 幸せの鐘を鳴らしましょう。

 

そして11:22 いさぶろう1号の終点、吉松駅に到着です。 このあと列車はしんぺい2号として人吉へ折り返します。

 

このブログの1番上の「いさぶろう・しんぺい」と「はやとの風」は並んで停車してましたが、跨線橋を渡る手間を省くため、ホーム跨ぎの停車に変わりました。

吉松駅 2019年12月 普通列車も一緒に

 

はやとの風に乗り込みます。

 

 

こちらも水戸岡デザイン

 

はやとの風1号 11:37 吉松駅出発。観光停車の最初の見はどころは大隅横川駅

 

後に出てくる嘉例川駅と同じ1903年開業開業。しかしなぜか嘉例川のほうが歴史的建造物として有名です。柱には戦時中の米軍の機銃放射の跡が長い歴史を物語る遺構となっています。

 

そして嘉例川駅。

 

嘉例川駅 1903年開業 駅弁も有名 2019年12月

 

肥薩線山線は大畑駅からもほぼ開業当時の趣きを残す名駅舎ばかりです。いさぶろう・しんぺい、はやとの風は観光列車とはいえ、停車時間は10~15分ほどでじっくり見るには時間がありませんね。何度も来るしかありませんが・・・今はそれも叶わないことです。

 

隼人で肥薩線に別れを告げ、日豊線、鹿児島本線を通り、終点鹿児島中央駅を目指します。

錦江湾へ出ると桜島が見えてきます。はやとの風車窓から

 

13:05 鹿児島中央駅到着です。

鹿児島中央駅にあるオブジェ

 

熊本駅を出発してからは4時間半の長旅ではありますが、新幹線や特急列車のように「早く目的地に着く」列車ではなく、ゆっくり列車と風景を味わう旅ではあります。しかしこの楽しい長旅もできなくなってしまいました。

 

SL人吉・いさぶろう・しんぺい・やませみ・かわせみ、そしてはやとの風・・・、肥薩線の観光列車はついに全滅してしまいました。。。。いつ復活するんでしょうか。人吉・球磨と同じく、復活を祈って前を向いていきましょう!

 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

令和2年豪雨で被災されていらっしゃる方にお見舞い申し上げます。

猛暑の中、汗だくになって復旧支援をされていらっしゃるボランティアの方に、心から感謝申し上げます。

まだまだ暑い日が続きますので熱中症、それとコロナに配慮しながら復旧頑張っていきましょう。

 

頑張ろう!人吉・球磨・芦北・八代   甦れ!!肥薩線・くま川鉄道