「ぶんごの森」と代行バスで行く久大本線の旅①ゆふいんの森1号と代行バス | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

JR九州の観光列車の元祖ともいえる「ゆふいんの森」。

博多と由布院・別府の間を久大本線経由で結ぶ人気の列車です。

2019年には運行開始から30年を迎えましたが、今後もJR九州の看板列車の一つとして活躍することと思われます。

 

しかしながら、ゆふいんの森はたびたび災害によって運休・経路変更を余儀なくされた歴史があります。

 

2012年にはうきは~日田間の線路施設が豪雨で被災し、7月から8月にかけての1ヶ月程度、「ゆふいんの森90~93号」として別府・大分~日田間での運行。

2017年には九州北部豪雨で光岡~日田間の花月川橋梁が流失したことにより1年間「ゆふいんの森91~94号」として博多と由布院の間を日豊本線経由で運行。

 

そして、また豪雨による被害が発生してしまいました…

2020年7月7日、久大本線豊後中村~野矢間の第二野上川橋梁が流失。

その他にも盛土崩壊・土砂流入などが発生したため日田~向之原間で運休となってしまいました。

 

さらに、前日の7月6日、ゆふいんの森1号で由布院入りしていたキハ71系4両編成が2号以降運休によりそのまま抑止。

次の日までに久留米側・大分側両方の線路が被災したためそのまま由布院駅閉じ込めとなってしまいました…

 

2017年被災時と異なるのは由布院駅の両側の区間が被災したことにより、由布院駅を発着する列車が走れないこと。

JR九州はどうするのか…と思っていたら、7月終盤にある発表がなされました。

 

それは…

8月8日に久大本線日田~豊後森間の運転再開、そしてゆふいんの森の博多~豊後森間運転」。

 

具体的には、検査明けで出場したキハ72系5両編成を用いてゆふいんの森1・2・5・6号を通常ダイヤで博多~豊後森間のみ運行。

豊後森~由布院間は代行バスによる輸送となります。

博多~別府間の3・4号はキハ71系が由布院駅閉じ込めとなっていることから引き続き運休となります。

 

豊後森行きのゆふいんの森。初めての設定となります。

鉄道ファンの間では「豊後森行きのゆふいんの森だから『ぶんごの森』だ」という意見も。

ともあれ運転再開できたことは喜ばしいことです。

 

さっそく今回その豊後森行きゆふいんの森に乗車してきました。

 

いつもどおり博多駅5番ホームにやってきました。

表示版には通常と同じく「特急ゆふいんの森1号 9:24」の文字。

ですがその横には「豊後森」と書かれています。

 

 

放送でもしっかり「豊後森行き」と案内されていました。

 

発車5分前くらいに入線してきたキハ72系5両編成。

 

側面は通常LEDで表示されていますが、「豊後森」のデータが無かったのか上から「博多↔豊後森」のシールを貼ることで対応されています。

 

 1号車に乗車。さすがに最前列は埋まってましたが乗車率は1割程度…

やはり代行バスとなると敬遠されるのかも知れません。

 

 

9:24、定刻通り出発です。

 

竹下に博多~門司港間を臨時運転している「いさぶろう・しんぺい」の姿も。

 

列車は鹿児島本線を下り、筑後川を渡って久留米に到着。

 

久留米を過ぎたところで3号車ビュッフェへ。

 

感染対策で透明シートが掛けられています。

 

かぼすアイスクリームを買ってみました。

 

アイスはやわらかく、かぼすの香りが口の中に広がります。

 

車窓には耳納連山が広がります。

太陽に照らされまさに夏真っ盛りという感じです。

筑後大石駅を過ぎると「豆腐の飛太郎」の看板が。

いぜんはここの豆腐まんじゅうが車内で販売されていたのですがいつの間にか消えてしまいました。

 

福岡-大分県境付近で列車は筑後川(三隈川)に沿って走ります。

カヌーに乗っている方の姿がちらほら…穏やかな景色です。

 

日田に到着です。

 

日田を過ぎると列車は川を何度も渡ります。

沈下橋の姿も。

 

天ヶ瀬に停車。天ヶ瀬温泉の最寄り駅です。

 

発車の際、地元の方が手を振ってお見送りしてくださいました。

 

ここ天ヶ瀬も豪雨の被害が大きかった場所。

 

発車すると、温泉街に架かる吊り橋が大きく壊れているのが確認できました…

国道210号線もこの時点では一部区間が通行止め。被害の甚大さを物語っています。

 

天ヶ瀬を発車し、トンネルを2つ過ぎると列車は慈恩の滝へ。

水量も多く、さわやかな風景を見せてくれます。

 

なお、慈恩の滝のすぐそばの玖珠町山浦までが通行止めの区間で、道路上には全面通行止の看板が掲げられていました。

※この通行止めは8月17日朝に解除となりました。

 

 

 

伐株山が見えてきました。まもなく終点の豊後森です。

 

博多から1時間45分。列車は終点・豊後森に到着しました。

この先は橋梁流失のため列車は行くことができません。

代行バスに乗り換えとなります。

 

 

豊後森駅。

降り立ったのは初めてです。

駅の近くには豊後森機関庫があるのですが、今回は行きません。

 

客室乗務員の誘導で乗車するバスのところまでやってきました。

 

乗るのは亀の井バスの貸切車。

 

 

ゆふいんの森の代行バスは途中ノンストップで玖珠IC~湯布院IC間で大分自動車道を経由します。

 

発車します。

なんとゆふいんの森の客室乗務員さんのうち1人が代行バスに乗車の上、案内放送を行っていました。

 

道の駅童話の里くすの横を通ると玖珠ICはもうすぐ。

 

 

大分自動車道は高い位置を高架で通過するので見晴らしがいいですね。

 

途中、なんと日田バス運行の高速バス「ゆふいん号」を追い越しました。

ゆふいん号といえば日田バスを含む西鉄グループの高速バスで、ゆふいんの森号の競争相手。

そしてこの代行バスを運行している亀の井バスも西鉄グループの一員。

そう考えるとなんだか面白いですね(笑)

 

水分PAを通過し、バスは湯布院ICへ。

 

料金所を通過する際、なんと0円と表示されました。

これは国道210号が通行止めのため、杷木IC~湯布院ICまでを代替交通路として無料措置としたため。

8月17日午前7時までで終了しています。

 

道の駅ゆふいんを通過してバスは下っていき、やがて市街地へ。

 

バスが何台か停車している駐車場に入りました。

ここが終点の由布院駅前バスセンターです。

 

豊後森駅からここまで40分かかる予定となっていましたが、実際は30分弱で到着。

いつも早着しているようです。

 

結局代行バスは1台の半分程度しか乗客を乗せることなく由布院へやってきました。

需要が極端に減っているので仕方ないですが…

 

ゆふいんの森と代行バス、2つの景色を味わえるのは今だけ。

貴重な体験となりました。

 

続きます。

 

★乗車データ

7001D 特急ゆふいんの森1号 豊後森行き 博多(9:24)→豊後森(11:09) キハ72系5両編成

久大本線「ゆふいんの森」代行バス 由布院駅前バスセンター行き

豊後森駅(11:20)→由布院駅前バスセンター(12:00 11:46頃)[早着] 

亀の井バス貸切車 大分200か913

※2020年8月14日乗車

 

次回

 

 

 

 

関連記事①(ゆふいんの森が小倉迂回だった時の様子)

 

 

関連記事②(2020年7月、久大本線が不通になる直前のゆふいんの森乗車記)