6日間パスの旅も3日目に入りましたが、今回は道東方面を目指します。
この日はまず学園都市線上り初電の520M(札幌から快速エアポート60号となる)で6:11に札幌駅に到着。
札幌までは全車自由席なので4号車のuシートに乗らせて頂きました。編成は733系の札サウB-3103+B-3203(☆サハ733-3203)。
実を言うと…この日は道東を目指すにしても釧路方面か網走方面、どちらに向かうかギリギリまで迷っていました。
とりあえず釧路行おおぞら1号の指定席はえきねっと予約していたのですが、キハ183系のオホーツク1号もN183系の12気筒機関搭載車や元サロベツ用のレア車が連結していたならばすぐに変更した上で乗ろう…。というワケで入線してくるまで待ってみたら、結局全車NN183系(4号車のキハ183-1551以外は機関換装車)の4両編成。
それならわざわざ乗る必要もないので、すぐにみどりの窓口に出向いておおぞら1号の指定券を発券(えきねっとの発券リミット6分前ギリギリ!)してもらい、それに乗る事にしました。指定券交付は今回で2回目。
6:48発4001Dおおぞら1号は振り子式キハ283系の6両編成で、編成表は下記の通り。
釧路←①(指)キハ283-14☆ ②(指)キハ282-108 ③(G)キロ282-5 ④(指)キハ282-6 ⑤(自)キハ282-2009 ⑥(自)キハ283-20→札幌(全車釧クシ)
私が乗車した1号車の車内。
おおぞら1号の4連休初日は宗谷と同様にかなり混雑していたようですが、もう3日目なので全然空いています。但し海側のA席はだいぶ埋まっていましたが。
札幌を発車しますが、残念ながらこの日も朝からスッキリしないお天気。
雨こそは降っていませんでしたが、空はどんよりとした雲に覆われています。
写真は苗穂~白石で渡る豊平川。毎年この時期に河川敷で開催されていた花火大会も、今年はコロナの影響で中止になってしまいました。
この日も朝食は駅弁で、今回は『知床とりめし』にしました。
列車は十勝に入り8:49、新得駅に到着。
当駅と隣の十勝清水駅が『北の大地…』発売箇所なのでここで下車して順に買い廻る事も考えましたが、今回はパス。この後複雑な行程で他の根室本線の駅を買い廻る事になります。
駅構内の側線には、『道東 森の恵み』のキハ40 1779が他のキハ40と共に留置されていました。
指定席は一応終着の釧路まで確保していたのですが、9:43着の池田駅で降りる事にしました。
なお、通常では1つ手前の利別駅でキハ283系による札幌行4004D特急おおぞら4号と交換するため運転停車するのですが、同列車の遅れに伴い結局池田駅で交換する事になりました。従っておおぞら4号が1番線に停車したため当方のおおぞら1号は2番線(通常は1番線)の停車となり、当駅では珍しい283系同士の顔合わせとなりました。
改札を抜けて『北の大地の入場券』を購入。図柄は今乗ってきたキハ283系です。
全国の数ある池田と付く駅の盟主ともいえる、根室本線の池田駅。
古くから十勝ワインでマチおこしを行っており、駅の裏手には池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(通称ワイン城)がそびえ立っています。
駅前には駅弁の『十勝ワイン漬ステーキ弁当』『親子弁当』、そして銘菓『バナナ饅頭』の製造販売を行っているレストランよねくらがあり、私が特急おおぞらで池田を通る際は、事前に電話注文をした上で列車まで駅弁を届けてくれるサービスをよく利用しています。
池田からは当駅始発の10:27発帯広行普通2546Dに乗車します。
編成はキハ40 1738☆+1754(いずれも釧クシ)の2連。
池田を発車すると、2006年に廃線となったふるさと銀河線(旧池北線)の廃線跡が右に分かれていきます。
高速化改良の上で札幌から北見・網走方面への特急を走らせるという夢は潰えてしまい、北海道ちほく高原鉄道の筆頭株主だった北海道の当時の知事が「ない袖は振れない」とバッサリ切り捨ててしまった。返す返すも残念としか言いようがありません…。
ところで…なぜこの列車に乗ったかといいますと、10:39着の幕別駅で列車交換があるため約5分停車するので、その間に『北の大地…』を購入できるからです。同駅は日曜祝日の窓口営業がお休みとなるため、土曜日のこの日だからこそ行っておくべきなのです。
大急ぎでみどりの窓口に出向き、『北の大地の入場券』を購入します。
コチラの図柄もキハ283系ですが、当駅には特急が1本も停車しません。かつて特急おおぞらがキハ183系で運転されていた頃は、多客期限定で1往復のみ停車していた事もありましたが。
まだ発車時刻に余裕があったので駅舎の写真を撮り、再び車内に戻ります。
ところが、交換列車である釧路行普通2525Dの到着遅れにより、結局定時には発車できません。
この日の根室本線はダイヤが少々乱れているようです。
遅れていた帯広からの2525Dが到着し、幕別駅は4分程遅れての発車となりました。
(デッキより前面貫通扉窓越しに撮影)
終着・帯広駅には定時では11:00到着なのですが、やはり遅れを引きずって3分程度の延着。
隣の3番線には、次に乗車する11:08発の札幌行36D特急とかち6号が停車しています。
おなじみキハ261系による特急とかち6号。但し、次の芽室までたった10分足らずの特急旅ですが…。
残念ながら時間がないので今回帯広駅での『北の大地…』購入はナシ。
編成表は下記の通り。4両編成なので中間増結車がない分、車番を控えるのはラクです。
帯広←①(G)キロ261-1106 ②(指)キハ260-1106 ③(指)キハ260-1217 ④(自)キハ261-1217☆→札幌(全車札サウ)
とかちの自由席は1両しかありませんが、全然空いており発車間際でも余裕で席を確保できました。
乗車したキハ261-1217は昨年製造されたばかりのバリバリの新車で、自由席にしか使用されませんが『グレードアップ指定席』仕様です。
ほんの短い間の乗車でしたが、11:09に帯広の隣町の玄関・芽室駅に到着。
とかち6号は札幌へ向けて発車。
最後尾のキロ261-1106のヘッドマークは幕式でした。おおぞら・とかち系統で使用される札幌車にも幕式が少数残っていますが、コチラもLED化は時間の問題でしょう。しかし…スーパーのない「T」だけのマークは何とも締まりがありませんなぁ…。
改札口を出て『北の大地の入場券』を購入します。
図柄は2012年の北海道DCに合わせて運転されたDD51牽引の客車急行『北海道一周号』のうちの1つ『狩勝』(札幌→富良野→釧路)。
JR北海道でこんなイベント列車がもう二度と運転されないと思うと、寂しさを禁じ得ません…。
とんがり帽子の時計塔が特徴の芽室駅舎。
建物自体は国鉄時代からの旧来の駅舎を大幅リニューアルしたモノ。
芽室からは、12:17発の2547Dで帯広へ戻るのですが、それまでの時間を利用して昼食にします。
行ったのは駅から徒歩5分程度の距離にある『ファミリーとんかつの店 あかずきん』。私が十勝方面にドライブに行く際は必ずといっても良い程立ち寄っていた店です。
その名の通りとんかつがメインのお店なのですが、私がこの店で毎回注文するのは十勝のご当地グルメ『豚丼(ロース)』(¥1010)。
たまには違うメニューも食べてみたい…と思うのですが、結局いつもの豚丼にしちゃいました。
炭火焼ではありませんが、肉は高品質の十勝SPF豚を使用しており脂身がジュワっととろけるような味わいで、黒胡椒を絡めた比較的あっさりとした味わいの甘辛タレも相俟ってヤミツキになってしまうのです。
豚丼を食べ終えてもまだ時間に余裕があります。
私は駅前にある『こばやし菓子舗』(※公式HPがないため、リンクは芽室観光物産協会のHPより)に立ち寄り、名物のワッフルを購入します。
オーソドックスな生クリームの他にカスタード、イチゴなど様々な味が展開されていますが、私が買ったのはかぼちゃとクリーム小倉、そしてキャラメルです。商品によっては早くに売り切れてしまう場合があるので、買いに行くのなら午前中がおススメです。
芽室町の経済に少しばかりの貢献をした処で、駅に戻って再び乗り鉄を再開します。
再び帯広へ戻るために乗車した新得発の2547Dはキハ40 1755(釧クシ)の単行。帯広へ向かう若者らで比較的混んでいましたが、ちょうど空いたBOX席があったのでそこに座りました。
終着の帯広駅には12:36に到着しますが、隣の1番線に停車中のキハ40 1759(釧クシ)単行による12:42発釧路行普通2527Dに乗り換えます。
接続時間は6分しかないので、やはり『北の大地…』を買う時間はありませんでしたが、お昼時に帯広からの乗客はあまりいなかったためBOX席を余裕で確保できました。乗客はいわゆる18キッパー風の男ばかりでしたが…。
次の札内駅で札幌行4006D特急おおぞら6号と列車交換。私が池田まで乗車したおおぞら1号の折返し列車です。
車体を傾けて高速通過するキハ283系はやっぱりカッコいいですなぁ!
(後部貫通扉窓越しに撮影)
先程立ち寄った幕別駅でも列車交換しましたが、コチラはキハ40 1740単行の釧路発帯広行2524D。
双方の停車時間は短いので、先程の行程で立ち寄る事にしたワケです。
なお、帯広の隣町である幕別町はパークゴルフ発祥のマチです。
他にも十勝管内のマチでは、先程訪問した芽室町がゲートボール、大樹町(旧広尾線沿線)がミニバレーなど、新スポーツを次々と生み出しています。
幕別~利別で十勝川を渡ります。
再び池田駅(13:15着)。約5分停車しますが、『北の大地…』を先程購入したばかりなので降車せず。
池田のお次は十弗(とおふつ)駅。『10ドル駅』と読める事で有名ですが、それに因んだ看板がJR釧路支社によって設置されています。
ところで、次の豊頃駅も『北の大地…』の発売箇所(※委託先のセイコーマートで販売)ですが、今回は立ち寄らず。
13:50、十勝の端っこのマチの玄関口である浦幌駅に到着。
ここでは約6分停車するので、一旦改札を抜けて『北の大地の入場券』を購入します。2527Dに乗車したのはこのため。
図柄は新吉野~浦幌を走行する283系スーパーおおぞら。なお、浦幌駅は上り2号、下り11号の1往復のみ特急おおぞらが停車しますが、それぞれ朝と夜の便なので決して利用しやすいとはいえません。
尚、当駅の窓口の営業時間は7:00~16:00となっています。
他にも一旦降りて『北の大地…』を購入の先客がいたため購入まで少々時間が掛かり、駅舎の撮影は諦めました。
改札口ホーム側の駅名板は旧釧路鉄道管理局(釧鉄局)様式のホーロー製。
浦幌から先、十勝平野は果て山間部に入り、上厚内信号場(旧上厚内駅)を挟んで14:18、十勝最後の駅・厚内に到着。
コチラでは札幌行4008D特急おおぞら8号と列車交換するため約7分停車します。
無人駅で『北の大地…』の発売はありませんが、せっかく7分も停車するので駅の外に出てみました。ちょうど晴れ間が出てきた処です。
駅舎の旧事務室部分には30年程前には軽食喫茶『海猫』が入居していたのですが、閉店以後は長い間閉鎖されたまま。
かつては厚内を終着とする列車がありましたが現在は廃止されており、朝の芽室行2520Dと釧路行2571Dの上下1本ずつのみ当駅始発として運転されています。
駅舎前にたむろしていた6人の年配の男女は何の集まりだったのか私にはわかりませんでした…。
駅名板は浦幌と同様、旧釧鉄局様式のホーロー製。
やはり駅周辺は寂れていますが、駅前商店の前には自販機があるため飲み物を買う事ができます。
跨線橋から釧路方を望みます。十勝の端っこですが、向こう側には太平洋が望めます。
車内に戻りますが、運転士が車内放送で行き違い列車の遅れにより発車が遅れる旨を告げていました。
遅れていたおおぞら8号が通過します(デッキより後部貫通扉窓越しに撮影)。コチラは261系による運用。
厚内の発車は所定では13:56ですが、結局8分も遅れてしまいました。
列車はここから太平洋岸に出ます。
やがて釧路管内に入り、直別、尺別と2つの信号場に一旦停車しますがいずれもすぐに発車。
2つとも2019年3月のダイヤ改正で利用客僅少のため廃止となった駅で、交換設備があったため信号場として機能しています。
(写真は尺別信号場)
旧・音別町(※現在は釧路市に飛び地合併)の玄関である音別駅では、釧路貨物駅(新富士駅)発のDF200-103牽引コンテナ貨物列車と交換。
駅近くには東日本で流通する全てのオロナミンCを製造する大塚製薬釧路工場があり、製品輸送のためコンテナ貨物の取扱がありましたが2019年3月のダイヤ改正で廃止となり、コンテナ積み込み用の側線のレールも錆びついていました。
当駅は『北の大地…』発売駅で、今回は買えないのでまたの機会にしますが、特急は停車せず普通列車も本数が少ないため、釧路へ折り返す行程にしないと厳しいですね。
音別を出ると、再び太平洋岸に出ます。
結局、再び曇り空になってしまいましたが。
少し内陸部に入ると馬主来沼(パシクル)湿原の中を走行します。
湿地帯で元々路盤が脆弱だったため、スーパーおおぞら運転に伴う高速化改良以前は最高速度も85㎞とローカル線並みに低く抑えられていたのです。
今年3月のダイヤ改正で廃駅となり元の信号場に戻った古瀬では、キハ40 1751の帯広行普通2526Dと交換。
直別や尺別が廃駅後も、それらよりも人里離れた場所に存在していたにも関わらず駅として残っていたのは意外でしたが、結局1年後に同じ運命を辿る事に。駅名標は既にありませんが、撮影時点ではホームがまだ残っていました。
15:01、白糠駅に到着。約13分停車し、『北の大地…』を購入する時間は十分にあるのですが、私は当駅で下車します。
特定地方交通線最初の廃止路線として知られた白糠線でしたが、この列車は同線が使用していた3番線ホームからの発着です。
ちなみに今乗ってきたキハ40 1759の製造当初の原番号・176は、国鉄時代苗穂配置だったので白糠線での活躍はありませんでした。
今回はここまで。この先の行程は次回に紹介します。
つづく