三陸鉄道36-700形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

かつて岩手県の久慈-宮古間の北リアス線と釜石-盛間の南リアス線とで分かれていた三陸鉄道、震災から8年の時を経て両線を隔てていた山田線がこの三陸鉄道に移管され、リアス線として統一され一体的な運行になり日本最長の第三セクター路線としてパワーアップしました。

 

現在主力となっているのは震災後に二度に渡って増備された36-700形です。塗装こそ初代となる36-100形と同じものですが、近年他の第三セクターでも見られる新潟トランシスの標準とも言える車体を使用していますね。

 

この車両はラッピング車両となっており、三陸鉄道沿線をPRするものとなっています。

 

こちらは三陸鉄道復旧にあたり世界各国から寄せられた支援に感謝の意を表したラッピング車両です。

 

世界の言語で「ありがとう」の言葉が書かれています。連結面にリアス線開通のヘッドマーク…。  運行は1~3両で行われており、今回乗車したゴールデンウィークには旧南リアス線区間を2両、旧山田線区間を3両、旧北リアス線区間を1両というアクロバティックな方法で通し運転した列車もあったなんて話を聞いています(^^;;

 

震災で被災した車両の代替新造にはクウェート国から寄せられた支援を利用しており、当該車両にはクウェート国への感謝を表すステッカーが貼られています。

 

車内です。2扉でボックスシートが整然と並んでいます。さすがに36-100形の攻めた座席配置は引き継がれませんでした(^^;;

 

ドアです。ステンレス仕上げの片開き式なのは36-100形から変わりません。ステップは依然として残ったままですが、かなり段差は小さくなりましたね。

 

ドア扱いは通年半自動で、外側には開ける、内側には開閉両方のボタンが設置されています。

 

くずもの入れが備わります。飲料系とその他で分別されており、その上には握り棒が設置されています。

 

天井です。照明は直管式のLED灯で、夜は中々明るいです。空調はラインデリアにラインフロー式の冷房吹き出し口と、一般的な電車並みとなっています。吊革はロングシート上のみの設置で、クロスシート上はスッキリしていますね。

 

窓です。固定式で、日除けはフリーストップ式のものが備わっているのが嬉しい限りです。柱にはフックが付いており、荷物をかけることが出来ます。

 

座席です。まずクロスシートですが、近年新潟トランシス製気動車でよく見られる背ズリを直角にぶっ立てたボックスシートです。シートピッチが広めとは言え、36-100形と比すれば疲労感は体感で1.5割増です。広げられたシートピッチは固定式テーブル設置に還元されており、美しい景色を見ながら飲み物やお菓子等を広げられるのは嬉しいですね。暖房配管が残ってしまっているのはやや時代遅れか。

 

トイレが無いドア横は2人掛け、寒風直撃を避けるための透明の仕切りがあるものの、座りながらの前面展望は可能です。戸袋部分に無理矢理設置しているため側窓はありませんが…。空いていればいいですが混んでくると引きこもり席になりますね。

 

ロングシートです。こちらも背ズリが直角で芸がありません。片持ち式でないのは冬季の寒風対策なんでしょうね。またボックスシート裏にモケットが貼られているのは冷たさを軽減出来るのでマル。

 

トイレです。バリアフリー対応の大型タイプ、ドアは手動式です。36-100形とは異なり、広告枠は一つだけでシンプルですね(笑)

 

運転台横の車掌スペースを兼用したフリースペースです。ドアスイッチの他、握り棒と固定用具、非常ボタンが備わっております。

 

数々の災害を乗り越えて来た三陸鉄道、新しい主力が末永く活躍することを期待します。