悪天候の中、アルピコ交通上高地線の駅巡りをスタート。この路線は松本駅を起点に、北アルプス方面へのバスが発着する新島々駅までを結ぶ14.4kmの中小私鉄。なおこの珍しい『アルピコ』という名称は、2011年(平成23年)に、中小バス会社を吸収した際に変更された社名で、それまでは松本電気鉄道を名乗っていました。由来はもちろんアルプスから。昨今乱立のキラキラネームとは一線を画すなかなかいいネーミングだと個人的には思っています。
運賃の高さでも有名なアルピコ交通ですが、幸いなことに通年利用可能なフリーきっぷの設定があります。通常運賃では\710のところ、わずか\1,420と単純に往復するだけで元が取れるという抜群のコスパを発揮。ただ事前調べによると、松本駅の券売機で購入可となっていましたが、どの画面を探してもフリーきっぷは出てきません。結局初乗りきっぷを買い構内に入り、車内で差額を精算し無事手に入れることができたので良かったものの、どうもイマイチ釈然としません。私の調べ方が悪かったのか・・・ まぁ地方の私鉄ではこうしたことはよくあるので、いろいろ考えることはせず駅巡りを始めようと思います。
広々とした松本駅構内。
新型車両E353系も見えます。
駅名標には『松本電鉄』の表記が。
どうやら鉄道路線のみを案内するときは、現在でもその呼称が使われているようです。
J2松本山雅のヘッドマークを掲げた14時46分発の列車に乗り、まずは2駅先の渚駅へ。2両編成の車内には各車両10名ほどの乗客。いずれも地元民風の出で立ちで、観光客らしき姿は見られませんでした。
渚駅では当路線のかわいいイメージキャラクター『渕東なぎさ』がお出迎え。名前のなぎさはもちろんこの駅が由来ですが、名字の渕東も終点1つ前の駅名となっています。あの手この手で集客を図る努力が見て取れ、純粋に応援したいなという気がしてきます。
駅舎にもバッチリ描かれていて、力の入れようがよくわかります。
それ以上に驚いたのがこの駐輪スペース。
ホーム上に自転車を停められる駅は初めて見た気がします。広めのホームで、かつあまり乗客が多すぎないという事情だからこそ、こうした対応が可能ということだと思いますが、利用する側の立場に立ってみれば、これはかなり便利ではないでしょうか。
続いて1駅折り返し、西松本駅へ。
ここもホーム上に駐輪スぺースがありました。
西松本駅を15時27分に発車、沿線の主要駅の1つである波田駅に立ち寄った後に下島駅へと戻り、終点の新島々駅には16時36分の到着です。
新島々というなかなか珍しい駅名ですが、もともとは1.4kmほど先に行ったところにある島々駅が終点でした。土砂災害によりこの区間が廃止され、その後は上高地線の終点となっているとのこと。
ここでも渕東なぎさ嬢がお出迎え。
白骨温泉・乗鞍高原・上高地への玄関口として、バスターミナルの役割も果たしています。
さらに道路を隔てた向かい側には、島々駅の旧駅舎が。
レトロな木造のこじんまりとしており、個人的には大好きなデザインです。
新島々駅にはわずか7分の滞在、16時43分発の列車で松本駅へ引き返します。
今夜の宿はもはや私の定宿といっても過言ではない『東横イン』。
さすがに疲れたので早めに就寝。明日は早起きして一気に日本海を目指して、ドライブしようと考えています。