6月下旬夜でした。仕事を終えて名鉄豊田市駅から豊田線上小田井行きに乗車していつものように地下鉄鶴舞線塩釜口駅で下車しました。ここから八幡山のアパートまで坂道をたどりながら帰宅していました。八幡山の尾根沿いの道を歩いている暗い足元にガサッと何か落ちてきた音に気がつきました。何が起きた?直感で暗い道端に目を凝らしてみるとやっぱり?まさか?クワガタムシです。それもかなり大物。素手でつかむと脚の力は皮膚を刺すほどでした。自宅まであと数百メートルクワガタを掴んだのか掴まれたのか、急いで帰宅してきました。空いている小さなケースに葉っぱを入れてクワガタの仮設住宅にしました。掴まれた脚を離そうとしてツノで指を刺され皮膚にキズができてしまいました。キュウリとなぜかミニトマトを一粒与えてベランダの隅にケースを置いておきました。

 

翌日の夜、帰宅して様子を見るとケースにクワガタはいません。蓋もしたし日除にバケツの蓋もかぶせておいたのにケースの締めが甘かったのかツノで蓋をこじ開け逃走した模様です。暗いベランダを探しても姿は見つかりませんでした。森から来たクワガタはやっぱり森へ帰ってしまったのでしょうか。ところが翌日、嫁さんからのラインにベランダの物陰に身を隠すクワガタの写真が、身柄を確保して欲しかったのですがつかめないからと放置されました。帰宅して再び夜のベランダを捜索しましたが見つかりません。元気に森に帰って行ったならそれはそれ。よかったと思い落ち着いた時、クワガタは帰って来ました。

 

大胆にもサッシの網戸にしがみ付いているではありませんか。元気でいてくれたのがなんとも嬉しくて再び仮設住宅へ、今夜キュウリと佐藤錦を一粒、食べてくれるかな。土曜日には少し広いケースを用意してあげることにしよう。

その後、昨日まで元気だったクワガタは日中の温度管理を誤ってしまったのでしょうか。動かなくなってしまいました。

 

名古屋市内には星の数ほどサラリーマンがいても会社帰りに名古屋市内でヒラタクワガタを捕獲した人は多くはいない、そんな夏の思い出でした。

 

(撮影:Canon EOSKiss X7)