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JR四国と阿佐海岸鉄道は2020年8月11日、JR四国牟岐線の阿波海南駅〜海部駅間の「2021年8月31日付での路線廃止」、ならびに「阿佐海岸鉄道阿佐東線阿波海南駅〜海部駅間の鉄道事業許可」をそれぞれ申請した。同区間では阿佐海岸鉄道が「DMV」による運行を予定している。

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【概要】
阿佐海岸鉄道では、2021年春ごろをめどに『DMV(デュアル・モード・ビーグル)』を日本で初めて本格的に導入する。これに伴い「阿波海南駅」と「甲浦駅」にDMV走行モード切替設備を新設、阿波海南駅〜甲浦駅間は鉄道として、その前後区間(阿波海南文化村〜阿波海南駅、甲浦駅〜道の駅宍喰温泉・室戸岬方面*)を路線バスとして一体的に運行する。この走行モード切替設備の設置に伴い阿波海南駅に車止めが設置されJRの車両が海部方面に入線できなくなることから、JR四国では阿波海南駅以南の区間を阿佐海岸鉄道阿佐東線に編入・移管することになり今回の路線廃止・鉄道事業許可の申請が行われることとなった。

*:「第5回 阿佐東線DMV導入協議会」資料より

JR四国公式プレスリリース

[『DMV』って? ]
「線路」と「道路」、2つの設備を同時に走行できる車両として旅客営業を行なっているのは現在、「ゆとりーとライン(愛知県名古屋市)」のみ。この路線では『ガイドウェイ(案内軌条)』を設置した専用軌道上を案内車輪を搭載した路線バス車両で運行する方式を採用しており、専用軌道となっている大曽根駅〜小幡緑地駅間(小幡緑地駅〜志段味方面は通常の路線バスとして直通運転を行う)では高架下の道路渋滞に左右されずに走行することが可能となっています。

今回阿佐海岸鉄道が導入する「DMV(デュアル・モード・ビーグル)」は、道路走行用のタイヤと線路走行用の車輪の両方を使用した軌陸車(路線バス・気動車)の一種であり、JR北海道が輸送密度の低いローカル線における低コスト運行の実現を目指して試験導入された。しかし、試験導入期間中にJR北海道で事故(DMVはほぼ無関係)が多発したことが起因となり本格導入を断念した。そのため、DMVの導入に関して積極的な動きを見せていた阿佐海岸鉄道が世界初のDMV導入事業者として名乗りを上げることになった。


[既存車両はどうなる?]
阿佐海岸鉄道が保有する車両は、1992年の開業時から保有している「ASA-101(しおかぜ)」と2009年に導入した『ASA-301(たかちほ:1989年に旧高千穂鉄道が「TR-201(かぐら)」として導入した車両』の2両。DMV3両の導入によりこの2両は用途廃止になるものとみられている。しかしながら中古車両の導入を計画している鉄道事業者がいることからその去就にも注目が集まりそうだ。

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