NO.2355 甘木鉄道の本社がある駅である甘木駅探訪&複数塗装の主力車両AR300形気動車紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、佐賀県基山町と福岡県朝倉市を結びます甘木鉄道は、現在11駅存在しておりまして、昭和60年まで存在しておりました旧国鉄甘木線時代(末期時上下各7本)から比べましても本数も大きく増えておりまして、全国の第3セクター鉄道の中でも軒並み好調を維持している鉄道でもあります。

 

 この甘木鉄道甘木線内には、ビール工場の最寄駅であります太刀洗駅がありまして、かつてはこの駅から貨物専用線が延びておりましたし、さらにさかのぼりますと旧日本陸軍の「太刀洗飛行場」もあったなど、歴史的な路線でもあるのがこの路線でもあります。

 

 さらに、沿線には工場や住宅地がある所もあるなど、双方に関係している所からの利用者が多いのも特徴でありまして、近隣に工場も存在します、前回番外でもご紹介しました佐賀県基山町の立野駅では、九州自動車道の高架橋の下に駅が設けられておりまして、工事費も比較的安上がりな所も見られているのが第3セクター鉄道ならではな部分も見られておりますし、基山駅ではJR鹿児島線が、小郡駅では西日本鉄道(西鉄)天神大牟田線が、上の画像の本社もあります甘木駅では西鉄甘木線がそれぞれ接続している路線でもありまして、これら路線からの乗り換えられる方もいらっしゃいます。

 

 そんな甘木鉄道甘木線の国鉄時代の時刻表です(昭和57年改正)。当時は画像のようにわずか7往復しか存在しておらず、まさにローカル線としての姿が見られておりました。しかし、ご紹介しておりますように福岡の通勤圏である事や沿線工場利用者の職員らも利用されるようになりましてからは、後述のように本数も大きく様変わりしている事も伺わせております。

 

 

 さて、簡単に甘木鉄道の現況をご紹介しましたが、ここからはさらに甘木鉄道の本社があります甘木駅構内を中心に、車両など皆様にご紹介してまいります。

 

 

 上の画像が、甘木鉄道の甘木駅であります。ここには上の画像5にもありますように甘木鉄道の本社も設けられておりまして、甘木鉄道の拠点となっている事も伺わせております。

 

 またこの甘木駅構内には、本社機能とともに、旅行センターや待合室を使用しました施設も設けられておりまして、駅舎自体は元々国鉄時代からの駅舎でもありましたが、その駅自体は広かった事もありまして、そう言った施設が設けられるに至っております。

 

 (待合室)~奥の右側にも待合室が設けられております

 

 (旅行センター)~この日は既に営業を終了

 

 さらに、この待合室の所には自動券売機も置かれておりまして、甘木鉄道甘木線内の乗車券・回数券が発売されております。尚、接続します西鉄・JRの切符は発売されておらず、あくまでも自社路線のみの切符しか発売されていない事がわかります。

 

 

 さて、ここからはホームの姿をご紹介してまいります。甘木駅のホームは2面2線のホーム配置となっておりまして、両側から基山駅発着の列車が発着できるようになっております。

 

 (駅名標(駅板))

 

 また、駅の外側には留置線も1本設けられておりますし、さらに洗車機も設けられております。

 

 そして、その奥には検修線となっておりまして、検査や修理等はこの場所で行うようになっております。それにしても、検修線の横には駐車場にもなっておりますが、そばが歩道にもなっておりまして、一般の方が歩かれる姿が見られております。ですから、もしも検修庫が開いておりまして車両が留置されたりもしていましたら、間近で見る事も可能である事もわかります。

 

 

 さて、ここからは今回訪問時に収めました車両をご紹介してまいります。甘木鉄道の車両は、平成13年から平成18年にかけまして製造されましたAR300形気動車、そしてイベント用のAR400形気動車が在籍しておりまして、AR300形気動車が7両、AR400形気動車が1両の計8両が在籍しておりまして、AR301~AR303・AR401が富士重工製(特にAR303は富士重工鉄道車両最終製造車です)、AR304~AR307が新潟トランシス製となっております。

 

 また、平成22年から平成27年にかけまして、AR301を除きます車両が塗装変更されておりまして、特に上の画像2のAR303が昭和30年代から昭和40年代までの国鉄の一般形気動車の塗装でありますクリーム4号と朱色4号のツートンカラーを模した塗装に変更されておりますし、以下画像にありますAR305に関しましては国鉄の急行形気動車の塗装に変更されておりまして、いずれも国鉄時代にこの甘木線でも走っていたでしょうから、懐かしく思われた方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

 (AR301)~標準塗装

 

 (AR302)~画像1・水源地と柿をイメージ

 

 (AR303)~画像2・クリーム4号と朱色4号のツートンカラー~富士重工鉄道車両最終製造車

 

 (AR304)~甘鉄沿線の山や農地の緑をイメージ

 

 (AR305)~国鉄急行型車両をイメージ

 

 (AR306)~公募デザイン

 

 (AR307・AR401)~画像なし、公募デザイン

 

 

 AR300形気動車の車内です。画像からもわかりますように、車内はセミクロスシートとなっておりまして、車内の化粧板やシートカラーも異なっております。実際に、以下画像がAR304とAR305の車内でありますが、同じAR300形気動車でもこう言った違いが見られている事に関しましては正直面白いのではないかとも思います。

 

 (AR304車内)

 

 (AR305車内)

 

 こちらの画像は運転台であります。もちろん甘木鉄道甘木線はワンマン列車による運行となっておりますので、ワンマンに関します装備も見られている事がわかります。それでも、運転台のつくりはコンパクトにまとめられておりまして、まさに軽快気動車にふさわしい部分も見られている事もわかるのではないかと思います。

 

 そして、画像は運賃表です。この甘木鉄道甘木線は駅が11駅しかありませんので、デジタル運賃表のコマも16コマとなっている事がわかります。それにしても、「マスクの着用をお願いします」と書かれている所を見ますと、まさにコロナ禍ならではな所かなとも思う所でしょうか。

 

 (参考、路線図)

 

 

 さて、ここからは発車時の姿をご紹介しますが、この甘木鉄道甘木線は以下にもありますように全列車基山~甘木間の運行となっておりまして、区間列車は存在しておりません。そのため、看板にもありますように「全列車 小郡経由基山行きです」と表示されておりますし、その下の画像にもありますように小郡方面基山行きの時刻・番線表示もLED電光板で表示しやすくなっている事も画像からもわかるのではないかと思います。

 

 (小郡経由基山行き看板)

 

 (LED電光板による時刻・番線表示)

 

 

 ホームの柱には、駅員向けの時刻・番線表示があります。ここには、秒単位で表示されておりまして、この甘木鉄道も秒単位で運行されている事がわかりますし、一部の時刻は平日・休日と番線も異なっている事もわかるようにもなっております(詳しく時刻を見たい方は画像をクリックしてご覧ください)。

 

 

 さて、AR305号によります基山行きが発車して行きました。先述のように、この車は国鉄の急行形気動車をイメージしている訳ではありますが、この塗装で1両編成と言いますと、私自身としましては島原鉄道に存在しておりましたキハ20形気動車をイメージする所ではないかとも思います。本当に、それからしますと小ぶりではありますが、懐かしさには変わりない所でもありましょうか。

 

 

 今回は、甘木鉄道甘木駅から見ます駅構内・車両の姿をご紹介しましたが、私自身10数年ぶりにこの地に改めて訪問していた訳でもありましたが、こうして見ましてもオリジナル塗装もAR301号しか存在しませんので、複数塗装が見られるようになっているんだなと言う事も伺えました。やはり、この間までも途中駅しか乗車歴もなかったため、これまでも詳しくご紹介できなかった事に関しましては仕方がない所ではなかった訳ではありますが、拠点に訪問しまして様々な所が見られたことは良かったのではないかとも思います。本当に、第3セクター鉄道の中では利用者も多いそうではありますが、これからも沿線利用者のために運行していただきたいものであります。