伊豆方面へと向かう踊り子号には多客期のみ運転される臨時列車がある。今春のダイヤ改正以降では該当列車が分かりやすくなり、「踊り子51〜58号」がそれに相当する。ゴールデンウィークに運転予定だったが時勢の影響で運休となり、この夏初めて「踊り子51〜58号」として運転されるものである。
さて本記事では、それらの中では最も早い時間帯を走る列車「踊り子51・52号」について簡単に紹介したい。(前回の「踊り子55・56号」の記事と違って乗車レポは無いが、時刻表および2回程度の観察を元に執筆した。)
※2021年2月追記
・2〜3月の河津桜シーズンの土休日は、185系で運転予定も、河津桜まつり中止に伴い51号・52号とも運休が決定。この時期の東京発朝一番は平日・土休日ともに踊り子53号に。
・2021年5月のゴールデンウィーク(連休)もほぼ同時刻にE257系で運転予定。
運転概要
今夏の運転日
8/1(土)・2(日)・7(金)・8(土)・9(日)・10(月祝)・15(土)・16(日)
(8月上旬の土休日+8/7)
充当編成
185系10両編成(指定席6両・グリーン車2両・自由席2両)
※8/7(金)のみE257系9両編成(グリーン車1両)
原則として土休日運転・185系が充当される踊り子51・52号だが、8/7のみ平日運転・E257系充当となった。このことについては、後ほど少し考察してみたい。
運転時刻と停車駅
踊り子51号 伊豆急下田行き
東京7:30→10:12伊豆急下田(所要時間2時間42分)
途中停車駅:品川、川崎、横浜、大船、小田原、湯河原、熱海、網代、伊東、伊豆高原、伊豆熱川、伊豆稲取、河津
東京7:30発という、近年の踊り子号の中ではもっとも早い時間帯に運転される列車となっている。ギリギリ8時台のうちに静岡県入りし、10時過ぎには伊豆急下田に着いてしまう。少しでも長く伊豆に滞在したい観光客が利用を狙う列車と思われる。
停車駅としては(東京発着の)踊り子号が通常停車しうる全ての駅に停車する一方、下田までの所要時間はどちらかというと短くなっている。
踊り子52号 東京行き
伊豆急下田10:28→13:41東京(所要時間3時間13分)
途中停車駅:河津、伊豆稲取、伊豆熱川、伊豆高原、伊東、網代、熱海、湯河原、小田原、横浜、品川
踊り子51号がそのまま10数分で折り返して踊り子52号となる。踊り子52号が運転される場合、定期列車の踊り子4号(下田9:51発)の次に伊豆急下田駅を発車する列車となる。連休2日目以降などでなければ、基本的には空いているものと思われる。
停車駅としては、大船・川崎は通過するが、網代・湯河原・小田原には停車する形となっている。一方で所要時間は踊り子51号に比べて30分ほど長くなっており、主に伊豆急線内での交換待ち時間が長くなっている。具体的には伊豆稲取に10分近く停車し、また伊豆高原-伊東間の所要時間(途中駅での運転停車)も最速列車と比べ10分以上要している。この他、小田原-横浜間も速度が抑えられている。
注目ポイント:51号は多客期の東京朝一番踊り子!
下り踊り子号の設定は主に東京発午前中に集中しているが、通常時は現・踊り子3号の東京9:00発(修善寺行き連結)が一番列車である。土休日にはさらに30分ほど早い時間に現・踊り子1号が走るが、こちらは新宿発の列車となっている。
これがゴールデンウィークや夏季・年末年始・河津桜シーズンになると、東京をさらに早く出発する臨時踊り子号が設定される。シーズン中の多くの日に東京8:00発(平日7:50発)の現・踊り子53号が設定される他、特にピークの日程で東京7:30発として設定されるのが現「踊り子51号」である。
仮にも朝ラッシュ時間帯で過密ダイヤの中の出発であり、なんと踊り子51号発車のたった2分前に熱海行きが出発していたりもする*1。一方、それでも7時台は少し余裕があるためか、踊り子51号(・次の踊り子53号)でしばらく9番線を占有する形となっている。
注目ポイント+:今夏は8/7だけ平日運転・E257系充当
通常は(ピーク時の)土休日運転・185系充当の踊り子51・52号だが、平日である8/7(金)にも運転され、またE257系が充当されることになった。
平日ながらも設定されたのは、8/7が三連休前の金曜日で(少なくとも本来なら)お盆前の帰省・行楽シーズンという日程も関わっているものと思われる。実際8/7は、東海道新幹線では「のぞみ12本ダイヤ」が初めて本当の意味で実施されるなど、他の一部路線でも増発が多くなる日であった。
またこの日のみE257系が充当された理由の推測としては、「平日朝ラッシュ時は185系の多くがライナー運用に就いている」「土休日なら重複する時間帯に運転されるE257系踊り子1号(・6号)がこの日は運転されない(できない)ので、E257系に余裕がある」といった要因が挙げられる。そもそも早くて来春にはE257系に統一されるものとは思われるが、年末年始や河津桜のシーズンには再び平日E257系・土休日185系として踊り子51号・52号が運転される可能性は高いと思われる。
ちなみにE257系踊り子51号の東京駅発車を見送ったところ、指定席(1-7号車、グリーン車を含む)は時勢的な影響もあるのか比較的空いているように見えた一方、自由席(8・9号車)は窓側が2列に1列程度は埋まっているように見えた。パッと見での推測に過ぎないが、横浜や大船までグリーン車代わり*2として利用しているビジネス客もいたのかもしれない。
まとめ
以上、踊り子51号・52号について、主に踊り子51号の設定側面やダイヤ・運用面から記してみた。
踊り子号の臨時列車の中でも比較的早い時間帯に走る2列車であり、運転日こそ多客期のピークシーズンに限られる傾向にあるものの、特に踊り子1号の東京7:30発という時刻設定が持つ意味は大きいであろう。
踊り子51号・52号が今後どの日程で運転されるのか、またどの車両が充当されるのか、あるいは来春以降も同時間帯の列車設定があるのか、など今後も注目したい。